第43話 ルイ、燃え尽きる
ルイと一緒に作者もガス抜きです(`・ω・´)
大きな仕事を終えた後は、のんびりしたくなるものです。
「はぁ……やる気がでない。」
ルイは、受付のリックの前で大きなため息をつきながら言った。
「はいはい、用がないなら邪魔だからあっちに行ってね――といいたいけど。」
リックは周囲を見渡して、肩をすくめて続けた。
「見ての通り、今は、受付も暇なんだよなぁ……」
「もしかして、みんなボクと同じ?」
ルイが首を傾げると、リックは微笑した。
「そうかもね。青銅階位はかなりの数、先日の作戦に参加したからね。」
「終わってみたら、ひどい疲労感が襲ってきたよ……報酬は良かったけど。」
ルイの言葉に、リックは苦笑した。
「そいつはよかった。――ちなみに、僕とルナークに特別手当なんてないよ。」
「うわぁ……それはさすがに労働力の搾取じゃないの?」
眉をひそめたルイに、リックは肩をすくめた。
「まあ、受付としての報酬があるし。それに、依頼を受ければその報酬はもらえるから、どちらかというと、いい身分だよ。」
「うーん……そういうものなのかなぁ……」
ルイが唸っていると、リックは言った。
「受付報酬だけで生計は立つからね。その上、期限切れ前の依頼を処理してると、なかなかいい貯蓄ができるんだよ。」
「――あいつが聞いたら、間違いなく布教に来そうなことをいうね。」
苦笑したルイに、リックが首を傾げた。
「あいつ?」
「ボクの親友。――五芒星教団の司祭仲間で、教団外への投資的寄付を勧めて回る変わり者だよ。」
すると、リックがポンと手を叩いた。
「ああ、ヨシュア司祭か。彼、君の親友だったんだね。なるほどなぁ。」
「へ?」
間の抜けた、裏返った声を出してルイは固まった。
すると、リックはケラケラと笑った。
「彼、面白いよね。君が原理主義だとしたら、彼は徹底した実践者。貯蓄を否定はしないけど、死蔵するくらいなら使う人に寄付しろっていうのは一理ある。」
それから、リックは一息置いて続けた。
「ちなみに、僕やルナークはヨシュア司祭とご縁があるよ。別の用事がきっかけで海を渡ってやってきて、ついでに余り過ぎてるお金は寄付しろってさ。」
「ヨシュア……キミってやつは……」
ルイは両手で頭を抱えた。
その様子を見ながら、リックは肩をすくめた。
「まあ、半年に一回の、寄付の証文と引き換えの返礼品も楽しみなんだ。さすがに彼一人だから事業化は難しいけど――あれは下手に効率化しない方が賢いかな。」
リックの言葉に、ルイは気のない相槌を打った。
「なるほどねえ。」
それから、首を傾げながら続けた。
「ところで、ルナーク君とクラリスさんは?」
「ルナークはウィルの先生をやってる。で、クラリスさんは――野暮用だよ。」
リックがそう言うと、ルイはうなずいた。
「そういえば、前に白魔法を叩きこむっていってたね、ルナーク君。そっかぁ……ウィル君、捕まっちゃったんだ。」
「そういうこと。――ああ、そういえば、伝言があったんだ。」
思い出したように手を叩くリックに、ルイが首を傾げた。
「伝言?」
「うん、アルトさんとセルヴァからそれぞれ。どっちから聞く?」
リックがそう尋ねると、ルイは言った。
「じゃあ、まずアルトさんから。」
「了解。――また一緒にやりたいけど、今はマリウスさんのことが心配だってさ。だから、せっせと顔を見に行ってるって。」
リックがそう言うと、ルイはうなずいた。
「そっか。――マリウスさん、アルトさんにとっては結構大事な人だからね。」
「そうみたいだね。」
リックは相槌を打って、それから続けた。
「それからセルヴァ。――前半はアルトさんと同じだけど、手札を増やしたいから修業のために魔導都市に行くって。」
「セルヴァ君って、その辺わりと禁欲的というか、向上心が強いというか。」
ルイがそう言うと、リックは苦笑した。
「まあ、それはそうだけど、だいぶルナークのせいだね。魔法の使い手としては、いろいろと刺激される部分があったのかも。」
「――改めて、ルナーク君、なんで青銅階位なの?」
ルイがそう尋ねると、リックは肩をすくめた。
「まあ、昇格制度の問題だね。青銅から白銀、白銀から黄金になるには別に試験を受けなきゃいけない。」
「――つまり、めんどくさいから試験を受けてないってこと?」
ルイの身も蓋もない問いに、リックはうなずいた。
「ありていにいえばそう。ルナークの自己申告ではね。」
「めんどくさいって……」
呆れ顔のルイに、リックはため息をついて言った。
「はぁ……ルナークが白銀になってくれると、期限切れが迫ってる依頼処理も楽になるんだけど。」
「そっちなんだね……」
ルイが苦笑すると、リックは言った。
「仕事だからね。ないと困るけど、あるならあるなりに楽をしたいってものさ。」
「そういうものかなぁ。」
ルイが相槌を打つと、リックは微笑した。
「まあ、どちらにせよ、休みたければ休んだ方がいいよ。ごく短期とはいっても、緊張を保ち続けた遠征。疲れてるだろ?」
「うん、それはそう。――大人しくしておくよ。」
ガス抜きでぐだぐだ喋っているだけでした。
ただ、幕間1で名前だけ出ていた親友ヨシュアも、少し輪郭が見えてきました。
まあ、すぐに出てくるかどうかは未定ですが(`・ω・´)




