068 姉ヶ崎莉乃08
「弱点がさっぱり見つからないわね」
壊れては数分で治る小さな石ゴーレムを片手間に倒しながら愚痴る私。
目の前には巨大な岩ゴーレム――このゴーレムもまた、腕や足や背中を砕いても数分後には修復される厄介な性能を持ってる。
「普通ゴーレムは小さいなら壊せばいいし、大きければコアがどこかにあるはずやけど、さっぱりわからんわ~!」
ミルカさんはその手に持った薙刀で応対している。
「定石としは頭か胸かしらね」
ただ、そこは一番岩が分厚くて、警戒されてるような動きをしてるのよ。まさに弱点なんだろうけど。
せめて、四肢の動きを止めるか、せめて胸に攻撃できる状態にできれば確認の仕様もあるんだけど――どうしようかしらね。
「ミルカさん、何か拘束できる魔法とかつかえない?」
「獣人族は魔法の適正が低いんやってー……あ、ひとつだけあったわ。でも、そんな長くないで?」
「いいわよ。せめて1分は保って欲しいけど」
ミルカさんはすぐに魔法を発動させた。地面の中から鎖ができて、敵の足と足に絡まり引っ張る。
「思ったより保ちそうにないな~……」
「一気にやってみるわよ!!」
私はゴーレムの下に走りこんで、持ってきたもう一つのメイスの持ち手を伸ばす。そして両手持ちの全力でその胸の厚い岩をはがしていく。
何度も。
何度も。
何度も!
「あった! 他とはちがう何かが!」
コアの形とかはわからないけれど、明らかに体の岩とは材質がちがく、淡い光を放っている何かが姿を表した。
ただし、時間切れ。
ゴーレムは動き出す。
間一髪で私の離脱は成功した。
「胸のあの厚い部分の下にコアがあるわ」
「あるいみバレバレやけど、2人だときついな~」
ゴーレムは勢い良く鎖を振りほどくために暴れた。地面が少し揺れる――そしてその瞬間、天井の一部が崩れて、外が見える――そんなに地下深くなかっ……
「なんっ!?」
その天井の瓦礫とともに、誰かもひとり落ちてきた。
見覚えのある姿の少女が。




