036 姉ヶ崎莉乃02
「最終的にはゴブリンが5、オーガが1ね」
私は阿多野さんと現状を確認する。
最終的に交戦になりそうな前方から抜けてきた敵はその6体……体であってるのかしら? 人かもしれないわね。
「あの数ならどうにかできるかな?」
「オーガは任せて」
「じゃあ、私はどうにかゴブリンの目をこっちに向けるように頑張ってみるね」
阿多野さんはそういって、走っていってしまう。
私の今のスピードだと追いつけるわけもないわね。
「ムラ……ジャマ、フキトバス……」
「魔族って、こんなに目が死んでる種族なの? 人にかなり近めだって聞いたこともあるのだけど」
明らかに、私の目の前にいるオーガは様子がおかしいわね。想像になるけど中毒症状っていうのかしら――そんな感じね。
「でも、やるからには私も死ぬ気はないのよ……!」
未だに使うことに慣れはしない能力を私は発動させる。
腕や足が黒く固くなるこの感覚には慣れたくないというのが本音よね。
コガネムシ上科――クワガタムシ科――オオクワガタによく似た魔物の力。
「フンッ!!」
目の前にきたオーガは私に腕を振り下ろしてくる。
でも、魔物の力に加えて異世界にきたことで強化された体の今なら――私はあなたの腕を受け止めることができる。
「ごめんなさいね。コクワガタとかだったら私が負けてたと思うのだけど!」
そのまま掴んだオーガを地面に叩きつけるように投げる。
「グッ!?」
「――重いっ!」
持ち上げるにはちょっと重量があるみたいね。
「イテェ――イテェゾ!!」
両手で上から押しつぶす気かしらね。さすがに、かわさないと不味いわよね。
私はオーガの両手での一撃を横に移動してかわす。
「さて、どうしようかしらね……」
正直、やっぱり話てるところとかを聞いていくと魔物とは全く違う。このオーガもまた人間なんだと実感しちゃうのよね。
「でも、やらなきゃ死ぬのよね」
娯楽作品の主人公たちってよくこの一言で自分を納得させられるものよ。
でも、魔物を倒した経験があるからかしらね。少なくとも、この世界に来た瞬間の戦争で戦う疑惑よりかは、覚悟ができてるわ……!
「スバジッコイ゛!? ナニシテル?」
「今からわかるわよ――っ!!」
私は腕でオーガの胴を挟むようにつかむ。能力によって、体は甲虫の骨格みたいになってるけれど、それならば――大顎は何処だろうと私自身思っていた。
だけど、それは案外目の前に会ったみたいね。
私の腕こそが大顎のような役割として使えるものになってたみたい!
私は足に力を入れて、そのままオーガを持ち上げる。
「イデェ――グルシ!」
相手が武器を持っていなくてよかっわ。今の状態での相手の力のない攻撃ならどうにか体の硬さでカバーできる。
私はそのまま腕をクロスさせようと相手の胴を挟むように全力で力を入れる。
「グググッ!!」
「ごめんなさい……私は死にたくないけど、あの人達も死なせたくないわがまま娘なのよ!」
そう言った次の瞬間に、私の腕の中にあった重さはなくなった。
そして前と後ろに真っ二つになったオーガの上半身と下半身が落ちて、私には真っ赤な血が振りかかる。
「……やっぱり、無理っぽいわね」
ゴブリンはどうやら阿多野さんが連れて行ってくれていたみたいね。
私は周りに敵がいないことが確認できると緊張がとけて、先ほどやったことを思い出して――人生において一番激しく嘔吐した。
筆の乗りが悪く改稿したい部分がここ最近増えてしまっているので、平日毎日投稿ではなくなります。
ただ続きはかけ次第更新はしていく予定です。
12/30 改稿




