031 東照凱人22
「い、生け贄は――」
「ちなみに、刺殺じゃなくて毒殺だから普通より苦しいぞ」
「い、いいます! 生け贄は大型の転移魔法に使うものらしいです!!」
「らしい?」
「いかんせん、オレたちも金で雇われただけなので!」
「そうか……そんじゃあ、しばらく寝てろ」
「え――」
俺はそいつらを気絶させて金をいくばくか頂いて放置した。まあそのうち捕まるか起きて逃げ出すだろ。
そう思って歩き始めたんだが――子供が一人ついてきてしまった。
「親がいるだろうが、そっちに帰れ」
「ミイには親いない」
ミイっていうのは名前か。それともMe的な何かか。
「……孤児院に戻ればいい。この町ならだいたいそこに入ってるはずだろ」
「今は……帰りにくい」
喧嘩でもしたのか、それともなにか追い出されるようなことがあったのか。
帰れないじゃなくて帰りにくいだから喧嘩か。
「…………」
「……………………」
そんな3点リーダーを連打したような目で見られても俺は何もできないんだが。
「そうだな……夕方ぐらいまでなら付き合ってやるよ」
「あそこ行きたい」
遠慮のないやつだ。
「あそこ? ……灯台しかないぞ」
「うん」
灯台に行きたいとは不思議なやつだ、海もない街の灯台なんてそれこそ置物だぞ。
まあ、そうは言いながらも一度口にしたことを曲げては信用に関わる。俺は子供一人を連れて灯台へと向かって歩き出した。
最近短くてすいません




