026 東照凱人17
さて、地面に色がつくことを考えた時に、一体何が思いつくだろうか。
俺の中での認識を俺自身に対して上げてみよう――まずひとつ、単純明快に塗料である。ペンキでも絵の具でもなんでもいい、少なくともこの世界にも塗料は存在しているのだ。
そして次の一つ、何らかの魔法による染色。これはマーキングの可能性が大きく読み取れるわけだが……わざわざ色をつけるなどというリスキーな真似をする理由がわからない。
後は何があったか……戦いによる血液とでも言ったところか。
だが、それは大規模戦闘が行われていない、その上で規則性を作り出すことなどわざわざする理由が思いつかん。
「掘り返された数日の場所があるかな。ちょっと辿ってくるね」
「おう」
じゃあ色をつけたものではなく、色を付けた理由やその規則性を辿っていこう。
村を回ってみてわかることはまず1つ、家を壊してその床を引剥し地面に色を付けた形跡がある――が、そのままむき出しの地面に大きく色付けした形跡もある。
そして1つ、色付けはおそらく線のようにつながっている。だが、高い建物がないこの場所で上から見るには何かしらの準備が必要で時間がかかる。
少なくとも、今やることじゃない。
「…………」
「どうかしたか、姉ヶ崎」
ふと目をやると、色が元はついていただろう場所で姉ヶ崎が土に触れていた。
「この体――いえ、能力があるせいかわからないけど。土から私と似た何かを感じる。魔族だけではなくて魔物も関係している可能性があるかもしれないわね」
「魔物……」
魔物・色・繋ぐ――この3つから思いつくことは何だ。
そもそも魔物といえど、魔物の何を使ったのかが問題になってくる。
いや、まて魔物に色……。
「東照君、外から見て回ってきたけど。多分この色の線は円か楕円に引かれてるね。それで、ところどころ大きな印みたいに丸をつくってある」
円か楕円……なんとなく見えてきたぞ。
「よし、ここの土の一部を町に持ち帰り調べる」
「そんな時間あるの?」
「知らん、ただこれはおそらく必要な情報収集の一つになる」
「了解」
俺の推測はこうだ。
まず一つ、円系もしくは楕円形を平面化――つまり地面に書き、何かの目印のような丸印を作るもの。これで当てはまるのは魔法陣だ。
俺も詳しくはないが、少なくともその可能性があるというだけで警戒する必要がある。
その理由は簡単なもので、これほどまでの大規模魔法はそうは使われず、さらには準備にも一苦労だからだ。だが、発動してしまうとその効果は絶大だ。
そして、その推測にたどり着いた理由は塗料と土、そして姉ヶ崎の反応だ。
おそらくだが、塗料に使われているのは魔物の血液もしくはそれに似た何かだ。魔物の体液や体には魔族を含めた人間では考えられない魔力を持っている個体も数多くいる。
これほどの規模の魔法陣を使う際に、魔力の一部として使うには打って付けというわけだ。




