024 東照凱人15
「……静かだな」
「そうだね」
時間は飛んで次の日だ。俺たちは現地へと赴いているが、人がいるかもわからないレベルで静かだ。移動時間含めても昼は過ぎてて起きてるのが普通の時間だ。
「とりあえず、村長の家に行く」
カルトから予め渡されてたこの村の地図……地図がいるほど広くはないんだが。それを見て、家を確認する。
「…………」
俺は無言でノックする。
「すみません」
30秒程度たってからか、扉が開いて一人の獣人の男が出てきた。
「どちらさまでしょうか」
明らかにこちらを警戒している。
「カ……国の軍から依頼されてきたものだ。魔族からの侵攻があるとか」
一瞬カルトの名前を出そうと考えたが、伝わる気がしないのでやめておいた。あいつはお人好しゆえに種族やなにか接点があれば、それがほとんど知らない相手だろうが助けようとする――つまり相手には自分のことが知られてないことがある。
それに国の軍からというのはあながち間違いではない。
「国の軍から! これはすいません、どうぞお入りください」
ここまで警戒しておいてこの警戒の解ける速さは若干心配になるが、依頼の範囲じゃないので気にしないで置く。
「しかし、人がいなかったが今この村はどうなっている?」
「攻め入ってくる魔族も腕の立つものというよりは多勢の素人みたいな集団なんです。なので、我々でもまとまって対処すればどうにかできるので、現在はこの村長の家に固まってます。幸い地下にもしもの避難用に広い空間が作られているようなので」
静かだったのはそういうことか。まあ獣人は身体能力の高い部類にはいるから、たしかに理にはかなっている――ただ、魔法で遠距離から狙われるようなことがあったらやばいんじゃないかと思わないでもない。
「ここが村長の部屋です。村長、国から依頼されてきた方たちがきております」
「おお! どうぞ、お入りください」
「失礼する」
さて、思ったよりも情報戦になってきそうだ。




