010 阿多野愛菜02
「魔力は低いですがとても強い潜在能力をお持ちのようです!」
その後、私たちは魔法の適性の検査だったかな――それを受けているわけです。
どうやら私は潜在能力に優れた持ち主らしいけど、今は実はそこまで気にはしてない。それよりも気になることがあるから。
まずは1つみんなの状態――最初こそ国のピンチということで私も同情や助けたいなんていう気持ちは浮かんだかもしれないけれど、つまりは私たちに殺しをしろといっているようなものだよね。少し考えればわかることだと思うしそれを受け入れるには考える時間も足りないし即決していいことじゃないと思う。
それなのにクラスの半分以上の人は受け入れていた――受け入れてしまったのかな。とりあえず今の私には情報が少なすぎる。
ちなみに今のところ私以外の人は魔法適正が高くて魔力の多い人ばかりみたいです。
「大丈夫だよ。俺が守るから」
クラスでの人気者の男子、裕堂君にそんなことを言われた。だから私は、
「あ、あはは。ありがとう」
とりあえず笑ってお礼を言った。
「…………」
その後は全員の検査が終わるまでみんなの様子を見ていたけど、特に変わった様子はないかな。強いて言えば異世界にくるということで動揺してるかテンションが上がっているみたいな人が多いね。
だからかな――東照君だけは大人びているを通り越してこの状況で落ち着く過ぎている――もっといえば感情に変化が起きていないように見えて私からすれば逆に目立ってる。
予測として一番可能性があるのは動じない性格だったってことでファイナルアンサーしたいところだけど――小さな可能性だけど一番私の中で実はしっくりきてるのがこの世界について元々知っていたって可能性だね。
「本日はこれで終了になります、お部屋を用意させてますのでご自由にお使いください」
王女様がそう言った後は私たちは部屋に案内されたね。部屋割りとかは自由にしていいってことだったけど。
「阿多野さん、私と同室はどうかしら?」
「姉ヶ崎さん? 別に構わないよ」
「それじゃあ、よろしくお願いするわね」
私の部屋はすぐに決まった。
姉ヶ崎莉乃さん、初めてあったのは入学試験の時だったかな。隣の席だっただけなんだけど話しているうちに仲良くなったの。
あと、少し体が弱くて休みがちだったりもしたらしいね、この世界にきて体調を崩したりしてないみたいだからいいんだけど。
みんな思い思いに話をしたり部屋を決めて休んだりし始める。私たちも部屋に入った。
「阿多野さん……率直にきくけどどう思う?」
部屋に入った瞬間に姉ヶ崎さんは私にそう聞いてくる。
「この状況のことかな?」
もしかすると、姉ヶ崎さんも私と同じように少なからず不安を持っているのかもしれない。
「そうね、この状況のことね」
「そういうことなら、異常というしかないと思うけど」
「まあ……そうよね。ありがとう」
姉ヶ崎さんは部屋にあったベッドに腰掛けながらそういう。少し顔色は悪い。
「大丈夫?」
「大丈夫か駄目かでいったら駄目ね」
「……とりあえず今日は休んだほうがいいよ」
「そうさせてもらうわ。ありがとう、阿多野さん」
「お互い様だよ」
姉ヶ崎さんと部屋が一緒じゃなかったらこんな風に落ち着くことができなかったかもしれない。実は私はそんな風に思うくらい、周りの人との関係は薄いものだから。
姉ヶ崎さんみたいに冷静で考えることができて――少しマイペースな人は私にとってはすごい心強い人なんだから。
書き溜めの最後なので更新頻度がかけたら更新になります




