第22話 パクリ野郎、まさかの参戦
布陣を組んだ翌朝、出発の準備を進めるソウタたちのもとに、見覚えのない配信スタッフ風の一団が現れた。
「あの、ソウタさんですよね……?」
先頭に立つ青年が、緊張した面持ちで声をかけてくる。どこか見覚えのある喋り方に、ソウタは首を傾げた。
「あんた……もしかして」
「実況泥棒を名乗ってた者です。……あの節はすみませんでした」
例のパクリ配信者本人が、決まり悪そうに頭を下げていた。予想外の登場に、視界の端に見覚えのある赤い光が明滅する。
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スキル発動:【視聴者ガチャ】
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▼当選者抽選中……
進捗:██████████ 100%
「このタイミングで来るのか……!」
絞り込みの候補文字列が高速で明滅し、ピタリと静止する。
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当選者確定
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ハンネ :実況泥棒
称号 :新規・元パクリ常習犯(改心中)
発動まで:00:00:05
危険度 :★★☆☆☆(気まずさ注意)
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「今度は何を言い出すんだよ、お前……」
コメント欄に、以前とは少し違う、素直な調子のコメントが流れ込んでくる。
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[実況泥棒]:正直、あの後めちゃくちゃ反省した
[実況泥棒]:俺なりのやり方で、力になりたい
[実況泥棒]:魔王城までの道、俺の配信網使って情報収集手伝わせてくれ
[底辺時代からの生き証人]:改心早すぎて草
[解説おじさん]:情報収集能力自体は本物かもしれん、試す価値はある
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続けて、指令確定のウィンドウが叩きつけられるように表示される。
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指令確定
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内容 :実況泥棒の協力を正式に受け入れ、
共に情報収集を行うこと
制限時間:00:00:05以内
未達成の場合……対象は即座に消滅する
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「受け入れろって言われても、正直まだ複雑な気持ちなんだけど……」
戸惑いながらも、ソウタは実況泥棒に向き直った。
「……悪いようにはしないんだよな?」
「約束する。俺、色んな街に情報網持ってるんだ。魔王軍の動きとか、意外と集めやすい立場にいる」
半信半疑ながらも、ソウタは差し出された手を握った。
「わかった。じゃあ、頼らせてもらう」
「あ、ありがとう……! 絶対役に立ってみせるから!」
その場で実況泥棒が持ち込んだ情報網を通じて、周辺諸国に散らばる配信仲間たちから、魔王城周辺の最新情報が続々と集まり始めた。結界の弱点らしき場所、警備の手薄な時間帯――独自の人脈だからこそ得られる、貴重な情報の数々だった。
「これ、マジで役に立つやつじゃねえか……」
ウィンドウが眩い光を放って躍る。
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指令達成
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実況泥棒の願い:完全成就
対象の生存 :確認
特記事項 :魔王城周辺の最新情報、大量入手
NICE GACHA!!
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コメント欄が賑わう。
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[実況泥棒]:役に立てて嬉しい……ありがとう
[底辺時代からの生き証人]:パクリ野郎が仲間になる日が来るとはな
[解説おじさん]:情報の質、想像以上だった
[尊死予備軍]:改心エピソード、素直に感動した
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情報が詰まった書類の束を抱えながら、実況泥棒がぽつりと言う。
「俺のやり方じゃ、お前みたいに視聴者に愛されることはできなかった。でも、こういう形でなら、少しは役に立てるかもしれない」
「十分だよ。ありがとな」
かつてのライバルもどきは、こうして正式な仲間の一人に加わった。魔王城への道のりは、思わぬ形で新たな心強さを得ていた。
……さて、明日の無茶振りは何だ? 第23話へ続く。
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まさかの改心&合流回でした。実況泥棒、これからは頼れる情報屋になりそうです。
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