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23 早朝稽古

 ツーマンセルパーティー「しんげつ」は、魔剣師と剣術師の組み合わせになった。偽装だけど。


 それに合わせるかのように、7時からの剣の稽古は、対人戦の会場での、水戸さんと俺との模擬戦に変わった。


 仲間割れか?


 剣は、白虎 対 玄武 。


 生命の保証があったとしても、真剣は怖い。


 怖い上に、まともに戦ったら、白虎に勝つことは難しい。


 なぜなら、剣の性能は変わらないが、帯びる魔力が違うーー白虎は水戸さんとの相性が良く、水戸さんの光魔法がのるのだ。


 光魔法がのった剣速は予想以上で、防御が追いつかず、あっという間に打ち込まれてしまう。


 試行錯誤が続く。


 試行錯誤が続く、ということは、俺が負け続けているという意味だ……


「弱ーい。弱すぎる〜。クズジョブ、改め、くずよわだー」 水戸さんが水を得た魚のように飛び跳ねて喜んでいる。


 当たり前だ。


 魔剣のチカラを引き出されたらーー同等の剣でも勝つ自信はあまりないのだがーーそうそうは勝てないだろう。けれども、まさかここまで連敗するとも、思っていなかった。


 勝つ方法はないのか? やはり、ハンデか? そんなことを考えていると。


 二人に連絡がありまーす、と今多さんの声がかかる。


 今多さん、連絡よりハンデ、ハンデをつけてください! 藁にも縋る思いで、眼で訴える。


「今日からドラゴンは私が担当します」 自信をつけた水戸さんが今多さんに宣言する。


「はいはい、その前に会議室に行きましょう。話しがあります」 

 今多さんは、俺の視線も水戸さんの軽口も流して、会議室に向かう。




 会議室に三人が座ると、


「東京に研修に行きます。待って、観光はなし、です」


 俺たちが、ラッキー、観光だ〜、と騒ぐ前に、釘を刺された。


「研修内容!」今多さんは隙を与えず、ことばを続ける。

「先日の対人模擬戦の勝利パーティー『しんげつ』に対して、ゴブリン集落を鎮圧するという指名依頼ですーーこの意味、わかる?」


 今多さんが、水戸さん、俺の順番で視認する。


「対ヒューマンキラーの予行練習ですか? でも、指名依頼ということは、研修というより正式な仕事、東京ですから、出張ですよね? まだ高校三年で就職していないんですがいいんですか?」

 俺が不審に思って尋ねる。


「一応、理解はしてくれているのね……たしかに、大宮くんの言う通り正式な仕事、出張です……。まぁ、細かいことは大丈夫よ。たぶん。上からの指示だし、上がなにかあれば、責任取るでしょ」

 今多さんって、中間管理職みたい……大変そうだなぁ。


「観光できればオーケーです」 水戸さんは細かいことは気にしない、観光第一だ。


「東京タワー、スカイツリー、浅草寺、上野動物園、後楽園、臨海公園、銀座、どこに行こう……」

 水戸さんの夢は広がっている。


「もちろん手当ても多めです。指名依頼料がありますから。ダンジョン近くなら、観光も許可しましょう。これで、どう?」


「「その依頼、受けます」」 迷わず受ける俺たち。

 今多さんの立場を考えたら、受ける以外の選択肢はないのだけど。


「場所は三日市ダンジョン、春川のそばです。私も行きます。三人でがんばりましょう。三日後、私の運転で行きます」


 勝ち誇ったように今多さんが宣言する。


「さあ、ダンジョン行きますよ。今日の課題は、剣と同色の竜と、タイマンです!」


 奥多摩か……水戸さんが期待する観光はないな、彼女、ふて腐れなきゃ、いいけど……
















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