16 剣、ちゃんと振れるの?
「【剣術師】を名乗っているけど、剣、ちゃんと振れるの?」
ダンジョン内の安全地帯で昼食を食べているときのことだ。
「大丈夫なんじゃないかな」
「根拠は、なに?」
「二年のときの体育実技で剣道やったし。最後の授業のチーム戦は、俺、中堅だったんだ」
このとき、今多さんの目がキラリとしたような気がした。
「でも、剣道と、ショートソード振るのって、違くない? 振ってみてよ」
仕方がない、見せてやるか。俺は傍に置いていたショートソードを取り上げ、少し距離をとって、縦に横に振って見せる。まあまあ振れてるんじゃない?
水戸さんが笑っている。
「インチキ【剣術師】バレバレ〜〜」
そうかな? 今度は右から、左から、斜めに振ってみせる。
「さらにバレバレ〜〜」 水戸さんはさらに声を上げて笑っている。
「今多さんとぜんぜん、違う〜」
「そう、かな」
今多さんはジョブ【剣聖】なんだから、比べちゃダメだと思うよ。しかも、たぶんだけど、スキル盛り盛りだと思う。
「いくら偽装の【剣術師】でも、一目で偽装だって見抜かれるのはよくないですね。剣道も少しは学んでいるのなら、毎朝一時間ほど稽古をしましょうか。明日から7時に免許センターに来てください。稽古をする場所はありますから」
今多さんはキリッとした顔で言う。
え。学校通うときより早いんですが。これは、イヤとは言えない雰囲気……
いや、待てよ。今多さんと二人きりの時間が過ごせるということか……それなら逆にいい時間じゃないか! もしかしたら手取り足取り教えてくれるかもしれない。手とか触れたらどうしよう……
「わかりました。よろしくお願いします」
俺はこころを見透かされないよう、真摯な表情を作って頭を下げた。
翌朝、十分前に着くと、センター前にひとりの女性がいる。
よく見たら、水戸さんだった。 ナゼ?
「おはよう。対人模擬戦もあるし、ダンジョン、なにがあるかわからないから、私も一緒に剣の練習しておこうと思って来たんだ。いいでしょ?」
も、もちろんだよ。
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