第1話「拉麺トラベラー」
スーパーヒロインNOVEL大戦、本格始動です!
とある地方都市の、とある商店街。大して規模が大きいわけでもなく、かといって廃れているわけでもない、ごく普通の商店街である。そんな商店街の中心部にほど近い場所に、ここ「らーめん浩司」は構えられている。
店内では、夕方からの混雑時に備えて、還暦を目前に控えた男がスープの下準備をしていた。彼こそこの店の店主、冴草浩司である。
煮込んでいる間の束の間の休息時間。彼が丸椅子に腰掛けていると、厨房の奥から階段を降りる音が聞こえてきたかと思うと、そこから現れたのは、見た目二十歳前後の少女であった。今日も茶色のショートヘアを後ろで軽く束ねている彼女は、全国を旅しながらこの店で住み込みで働いており、名を小倉井弥宵という。
彼女は冴草に朝の挨拶をし、店のカウンター席に座った。
「おはよー師匠」
「おう。ほら、出る前にこれ食ってけ」
「いただきまーす。ん、さすが、師匠の特製ラーメンは最高だわ」
彼女は、目の前に出された大きなチャーシュー入りの醤油ラーメンを瞬く間に平らげた。
「嘘つけ。俺に免許皆伝を認めさせたくせに。もう、お前の方が俺よりも腕が立つんじゃねえか? お前にその気があるなら、とっととこの店を継いでほしいんだがな」
「いやいやホントだって。今でも、これからも、師匠には敵わないって」
「へっ、そういうことにしといてやるよ。…そういや、今度はいつ帰ってくるんだ?」
「んー…二、三週間後くらい」
「そうか…究極のラーメンのレシピのヒントは掴めそうか?」
「んー、わかんない。…んっ、じゃあ、そろそろ行ってくる。ウチが戻ってくるまで、店閉めないでよ。ウチが帰る場所は、ここしかないんだから」
「あたぼうよ。気をつけて行ってこいよ」
「わかってるよ」
少女は振り返ることなく、ガラガラと引き戸を開けていった。
◆
「あのー、小倉井弥宵さんですか?」
なーんかめんどくさそうな人が来たなあ。そう彼女が思ったのは、それから二日後のことだった。
どうも、壊れ始めたラジオです。
今回の『スーパーヒロインNOVEL大戦2〜The assembled lilies〜』は、前回のスーパーヒロインNOVEL大戦よりもゆっくりと更新します。一日で何本も更新していたあの頃の私が異常だったのです。
今回も、最後までお付き合いしていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。次回の更新は今月27日の17時です。
それでは。




