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好きだと伝えたら、一旦保留って言われて、考えた。  作者: さこの


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16/27

おかしな関係

学園が休みの日だった。

「おはようシャノン」

「なんでナセル様が?」

……ここ私の家だよね。デジャブ?

「侯爵夫妻に話があったから、ちゃんと許可を取って来てるんだよ」

「そうだったのですね。聞いてなかったもので驚きました」

「シャノン今日の予定は?」

「今日は、」

侍女の顔を見る。何かあったような?

「お嬢様、本日ピアノのお稽古は先生の都合でキャンセルとなっております」

「あ! そうだったわね。昨日の晩に聞いたのに忘れていたわ。と言うことは予定は特にありませんね」

「それならこのあと、出かけないか?」

「わたくしはいいですけど、お父様よろしいですか?」

「シャノンが行きたいのなら、行っておいで。遅くならないようにね」

「はい」

「じゃあ、決まり。ランチを外で食べよう。もう少し侯爵と話をしたいからでかける準備をしてきてくれる?」

「はい、失礼します」

急に出かけることになっちゃった。侍女に着替えを頼んで髪型もセットした。

一時間までは掛からなかったけど、お待たせしたかも。


******


「お待たせしました」

「ちょうど話が終わったところなんだ、行こうか」

「はい。お父様、お母様行ってきますね」

「気をつけて楽しんでらっしゃいね」

「夕飯までには絶対に帰ってくるんだよ! 遅れたらもう殿下とお出かけはさせないからね」

ハグ&キスで送られた。

「シャノンの家は仲がいいよね」

「他の家は知りませんけど、仲はいいと思います。お父様とお母様は仲良しですし」

「いい家だよね」

「はい。そう思います。少し親バカなところはありますけど」

少しなのかもわからないけど……他所はわからないし、でもそんなものだと思う。

「両親のような家庭に憧れているんだったよね」

「はい。理想です」

「私のことは考えてくれた?」

「……はい」

「答えは? 聞いていい?」

「……前向きに考えています」

「そうか! 好きだよシャノン」

手を取られてキスされた!

「そういうの恥ずかしいの! ナセル様がそういうことばかりしてくるから、私に出会いがなくなるんじゃないですか!」

「わざとだよ。シャノンを他の男に取られたくないから、周りを牽制してるんだよ」

「もうっ!」

「でも嫌じゃないんだろ?」

「知らない!」

馬車の中には侍女も、ナセル様の従者もいるのに!

街に着いたら手を繋がれた。離そうとしたけれど……

「はぐれると困るから」

「はい」

ここで離れ離れになるのは正直怖い。素直に受け入れることにした。

そして歩くこと数分。最近できた雑貨屋さんに連れて行ってもらった。

「わぁ。かわいい。でもこれもかわいい……どっちにしようかな」

ネコと小鳥の柄が刺繍されているポーチだった。二択なのに選べない……。うーん。

「どっちも買ったら? 買ってあげるよ」

「たくさんもいらないもの」

欲しいのは小物を入れるポーチ。刺繍のネコと目が合った! よし、ネコを……! 小鳥のポーチを棚に戻そうとしたら小鳥が悲しい顔をしているような気がしてくる……あぁ、なんてことでしょう。

「……なんだよ、結局二つ買ったのか」

「選べませんでした……」

「悩んだ結果がそれならいいんじゃない?」

「はい。後悔はしていません。付き合ってもらってありがとうございます」

ポーチは何個あってもいいと思う。女の子だもの。

「シャノン、ネコ好きだったよね?」

「はい! あれ? ナセル様に言ったことありました?」

「世界のネコ図鑑って本をずっとにやにやしながら読んでいたよね」

「にやにやって!」

「ネコと触れ合えるお店があるんだよ、気にならない?」

「! なります!」

お金を支払ってネコと触れ合えるなんて最高の場所だわ。みんなかわいい。

「かわいいでしゅね! ほりゃほりゃ」

猫じゃらしで夢中になってネコちゃんと遊んだ。その間もナセル様は飽きずに付き合ってくれた。ナセル様も大きなネコちゃんと触れ合っていた。

「はぁ。癒されました。かわいかったです!」

「シャノンはネコと触れ合うときに変な言葉遣いになるんだね」

くっくっくっと目を細めて笑い出した。

「え! 覚えてません。自然に出ちゃったんですかね」

「ほりゃほりゃかわいいでしゅね。て言ってたよ」

「わ、忘れてください!」

そんな変なことを口走っていたなんて……気をつけないと。

かわいいネコちゃんたちの前では人格が変わるのかしら!

「あ! 耳まで赤い。可愛いでしゅね~」

もう、やだ。

「あ、怒った。ほら着いたよ、ここで休憩しよう」

ここは新しくできたカフェで、クレープが人気らしいの! 行ってみたいと思っていた場所。

「わぁ! このお店来たかったの」

予約してくれていたみたいで、すぐに席に通された。

メニューと睨めっこすること数分。

「シャノンはなににする?」

「迷っています。イチゴも捨てがたいし、チョコも食べたいです……」

「すみません、注文を」

「はい」

「このイチゴとチョコを、あとは紅茶とコーヒーを下さい。それと追いキャラメル? これも」

「かしこまりました」

「悩んでいるみたいだから半分こしよう。この追いキャラメルっていいシステムだね。味が変化するなんて、得だよね」

「ナセル様でも得とか、考えるんですね」

「普通だよ。得すると嬉しくならない?」

「なります!」

「機嫌治ったんだねぇ」

「あ! 美味しいものの前では怒りが続かないんですね……」



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