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テルナ・ヴァイド -失われた神と残された記憶ー  作者: なるかめ
第6章 選択の重さ

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Scene 40 拒めない同意

救われたいと願うことと、

何かを手放すことは、同じではない。


けれど、ときに人は、

選んでいるようで、選ばされている。


それでも守りたいものがある。

それでも、生きたいと願う心がある。


これは、救いと選択の狭間で、

ひとつの記憶を手放すかどうかを迫られた人々の物語。

 施療院の中を見たいと言ったのは、俺だった。

 記憶が、実際の治療でどう使われているのか、自分の目で見たかった。

 記憶保管庫を出る前に、アシュへそう伝えた。

 アシュは少しだけ考えてから、頷いた。

「分かりました。施療院には話を通しておきます」


 その日の昼、鐘が鳴り終わる頃、宿舎の前にリオルが来た。

「施療院から連絡が来ました。見学できるそうです。私も同行します」

 フィーナが立ち上がった。エレナも外套を取る。

 少し遅れて、ガルムも宿舎を出てきた。外套の背に、布包みの剣が斜めに掛かっている。

「来るのか」

「施療院だろ」

 それだけだった。中央聖域ではない、という意味だと思った。俺は聞き返さなかった。


 施療院は、外から見た時よりも奥が深かった。

 入口では、白い前掛けの施療神官が待っていた。

 見覚えがあった。一昨日、呼吸の苦しい老人を列から先に通した女性だった。

「最高司祭から伺っています。こちらへどうぞ」

 入口を抜けると、天井の高い待合があった。長椅子が何列も並び、その間を白い前掛けの職員が行き来している。煮沸した布の匂い。薬草を煎じる匂い。どこかで、子どもが小さく咳をしていた。

 人は多かった。施療神官や補助者が、その間を絶えず行き来している。それでも、患者を呼ぶ声も、人の流れも乱れてはいなかった。

 俺の目は、また長椅子の方へ行った。

 顔色。唇の色。呼吸の速さ。肩で息をしていないか。

 奥の扉から、職員が名前を呼んだ。立ち上がったのは、軽い咳をしている男だった。顔色はいい。自分の足で歩いていく。手に持った札の角に、小さな印が付いていた。

 次に呼ばれた女性も、同じ札を持っていた。足取りは、しっかりしていた。

 壁際の長椅子の端に、一人の女性が座っていた。背を壁に預け、肩が速く上下している。もう、ずいぶん長くそこにいるように見えた。誰も、その人の名前を呼ばなかった。

「あの札は」

 俺が聞くと、案内していた施療神官が足を止めた。

「提供協力の札です」

「治療の順番にも関係するんですか」

 女性は、すぐには答えなかった。

「……最近、受付で使われるようになりました」

 リオルが札を見た。

「私は初めて見ます」

 一昨日、この施療院の前では、呼吸の苦しい老人が先に中へ通されていた。白い前掛けの女性が「この方を先に」と声をかけ、列の誰も文句を言わなかった。

 あの時は、具合の悪い人が先だった。

 今は違う。


 壁際の女性の膝に、小さな男の子がもたれていた。

 男の子が顔を上げた。俺を見て、少し目を丸くした。

 見覚えがあった。

 配給所で、椀を傾けかけた子だった。パンを片手に持ったまま、両手で椀を抱えようとしていた。

 女性も、俺の方を見た。

「……あの時の」

 声がかすれていた。一昨日、配給所で頭を下げた母親だった。あの時は、走っていく息子の背中を見ていた。今は、その息子の頭に手を置いたまま、顔を上げるのも辛そうだった。

「サナです。この子は、トビ」

 名前を言うだけで、一度、息を継いだ。

 小柄な子だった。六つか七つくらいに見えた。

 サナは笑おうとした。口元は動いたが、息が続かなかった。


「少し、診てもいいですか」

 サナが、小さく頷いた。

 俺は長椅子の前に膝をついた。手首に指を当てる。速い。皮膚が熱い。それなのに、指先は冷たかった。

 胸の動きを目で追い、数えた。一回。二回。三回。数えるたびに、間隔が短い。

 唇が乾いていた。

「いつから、熱が」

「……一昨日の、夜から」

 返事が、少し遅れて返ってきた。

「横になると、楽ですか」

「起きている方が……少し」

 壁に背を預けているのは、そのせいだった。

 病名は分からない。ここには、俺の知っている検査も、薬もない。

 それでも、分かることがあった。

 この呼吸は、待たせていい状態じゃない。

 トビが、母親の袖を握っていた。

「お母さん、帰れる?」

 小さな声だった。

「大丈夫」と言いかけて、やめた。

「今、診てもらえるようにする」

 トビが、俺を見た。

「ここにいていい。お母さんの手、握っててくれ」

 俺がそう言うと、トビは黙って頷いた。


 俺は、案内していた施療神官を振り返った。

「この状態なら、先に治療するはずです」

 女性は、すぐに頷いた。

「私もそう判断しました。受付にも伝えました。でも――」

 記録室へ続く廊下から、聞き覚えのある穏やかな声がした。

「順番は、記録に基づいています」

 ヴェルンだった。朝と同じ帳面を抱え、襟元にも袖口にも乱れがない。

 それから、サナの方へ向き直った。

「提供にご同意いただければ、すぐにお回しできます。手続きは簡単です」

 サナが、首を横に振った。

「それだけは、渡せません」

 声は小さかった。けれど、はっきりしていた。

 サナの膝に、一枚の紙が載っていた。

 提供する記憶。用途。確認の欄。最後に、署名をする場所。

 そこだけが、空いていた。

「書けば、母さん治してもらえるって」

 トビが言った。

 サナが、トビの肩に手を置いた。

「違うの。順番が、少し早くなるだけ」

 その声は、息の途中で切れた。

 リオルが、紙に目を落とした。

「治療の同意と、記憶提供の同意は、別です」

 施療神官の女性が、目を伏せたまま言った。

「……私も、そう習いました」

 前掛けの裾を握った指が、白くなっていた。

 ヴェルンの声は変わらなかった。

「治療を拒否しているわけではありません。全員を同時には診られない。協力いただける方を、可能な範囲で優先しているだけです」

「それを、同意って言うんですか」

 俺が聞いた。

「断れるなら、同意です」

「断ったら、この人はここで待たされるんでしょう」

 ヴェルンは、すぐには答えなかった。

「……規則です」

 穏やかな声のままだった。

 規則。

 規則が悪いのではなかった。一昨日、この施療院の前で見た規則は、呼吸の苦しい人を先に通していた。

 同じ規則を、この男は、別のことに使っていた。

「神殿には、前にも助けてもらいました」

 サナが、かすれた声で言った。

「夫が死んだ時も。この子が、熱を出した時も」

 息を整えるように、一度、目を閉じた。

「……規則なら。仕方ない、ですね」

 トビの手が、母親の袖を強く握った。

 サナは、トビから目を離さなかった。

 何かを手放すことを、迷っているように見えた。

「何を渡すことになっているんですか」

 俺が聞くと、サナはしばらく黙っていた。

「強く残っている記憶を、一つ出すように言われました」

「何に使うんですか」

「術式の補助に使うって……」

 サナの手が、トビの頭に触れた。

「……この子を、夫が初めて抱いた日の記憶です」

 トビが母親を見上げた。

「父さんの?」

「うん」

 サナは笑おうとした。

「腕が震えててね。抱き方が分からなくて。トビがずっと泣いてたのに、あの人が抱いたら、急に泣き止んだ」

 そこで笑顔が消えた。

「夫の顔を、はっきり思い出せるのは……もう、それくらいなんです」

 朝、記憶保管庫で見た瓶が浮かんだ。

 手は覚えている。顔は覚えていない。

「今は治療が先です」

 俺は言った。

「その記憶を渡すかどうかは、呼吸が落ち着いてから考えればいい」

 ヴェルンが何か言いかけた。

「今の状態で決めさせることじゃない」

 ヴェルンは一拍置いた。

「では、先に処置室へお移しします。そちらで、改めてご説明を」

 職員が二人、担架を運んできた。

 処置室。

 その言葉に、俺は一瞬だけ、肩の力が抜けた。中へ運ばれる。診てもらえる。そう思ってしまった。

「付き添いの方は、こちらでお待ちください」

 トビの手が、母親の袖から引き離された。

 担架が、奥の廊下へ運ばれていった。


 施療院の入口から、誰かが駆け込んできた。

 若い記録官だった。息を切らせ、帳面と一枚の紙を胸に抱えている。俺たちを見つけると、まっすぐリオルの方へ来た。

「リオルさん、これを」

 リオルが紙を受け取った。俺は横から覗き込んだ。

 記憶提供の同意書だった。名前の欄に、サナ、とあった。

 日付は、昨日だった。

 待合で見たサナの膝の紙は、署名の欄が空いたままだった。

「サナさんが、ここへ来たのは」

 俺が聞くと、施療神官の女性が、小さな声で答えた。

「……昨日の朝です。一度帰されて、今朝、また」

 昨日、最初にここへ来た時点で、もう同意したことになっていた。

 けれど、サナの膝には、今日も署名欄が空いた用紙が残っていた。

「再照合で、同意の件数と、提供の記録が合わなかったんです」

 記録官の声が震えていた。

「同意済みの方が、何人も、まだ提供していない。この方も」

「上へは」

 リオルが聞いた。

「最高司祭様へ、緊急の報告として上げてきました。それから、ここへ」

 記録官は、そこで初めて、廊下の奥へ運ばれていった担架のことに気づいたらしい。

 顔から、血の気が引いた。

「処置室……」

 施療神官の女性が、廊下の奥を見た。

「奥の部屋は、施療の処置室ではありません」

 俺は、もう走っていた。


 廊下は、奥へ行くほど静かになった。洗った布の匂いが薄れ、代わりに、冷たい石の匂いがした。

 後ろで、小さな足音がした。

 振り返ると、トビが走ってきていた。施療神官の手を振りほどいてきたらしい。止める間はなかった。トビは俺の外套の裾を掴み、離さなかった。

「俺の後ろにいろ」

 トビは、黙って頷いた。

 突き当たりの扉の前に、記憶管理区画の札を付けた警備役が二人立っていた。腰には、短い剣を下げている。

 その奥で、扉が半分開いていた。

 床に、細い線が円を描いていた。線の外側に記憶の瓶がいくつも並び、金属の輪と鎖で台へつながれている。朝、保管施設で見た接続具と同じ形だった。

 円の中の椅子に、サナが座らされていた。手首に、革の帯が掛けられようとしていた。

「嫌です」

 サナの声が聞こえた。

「それだけは……嫌です」

 円の外に、ヴェルンが立っていた。帳面を抱え、いつもと同じ穏やかな顔をしていた。

「記録どおりに処理します」

 誰に言うでもなく、ヴェルンは言った。

「同意は、得ています」

「得ていない」

 エレナの声だった。

 扉の前の男の一人が、剣の柄に手を掛けた。

「ここは立ち入り禁止です。お引き取りを」

 床の線に、淡い光が走った。

 術式が動き始めていた。円の外の瓶が一斉に光り、サナの肩が跳ねた。

 エレナは、腰の剣の鞘に手を置いた。封印紐が掛かっていた。一昨日、城門で掛けられた、確認済みの印だった。

 剣は、市内で許可なく抜かないでください。

 抜く理由がなければ抜かない。

 エレナは、紐に指を掛けた。

「理由ができた」

 紐が、ちぎれた。

 次の瞬間には、もう踏み込んでいた。男の剣が抜けきる前に、エレナの刃が柄を叩いた。剣が床に落ち、乾いた音を立てた。もう一人が腕を振り上げる。エレナは半歩だけ下がり、その腕の内側を剣の腹で打った。男が膝をついた。

 部屋の隅で、白い上衣の補助者が一人、壁に背をつけて震えていた。エレナは、そちらを一度も見なかった。刃は、二人の男以外のどこにも向かなかった。

「フィーナ!」

 フィーナは、もう円のそばにいた。

 台につながれた瓶へ、一瞬だけ手が伸びた。接続具の輪に、指先が触れかけた。

 その手が、止まった。

 フィーナは手を引き、自分の胸の前で指を組んだ。唇が、短く何かを紡いだ。

 光が、フィーナの手のひらに集まった。瓶の光とは違う、細く白い光だった。それが床の線へ落ち、円を内側から断ち切った。

 術式の光が、ふっと消えた。

「本人が、嫌だって言った」

 フィーナの声は、静かだった。

 俺は、サナのそばへ駆け寄った。革の帯を外す。手首に指を当てる。速い。けれど、ある。呼吸を数える。浅い。それでも、続いている。

「サナさん。聞こえますか」

「……はい」

「ここにいます」

 サナの手を握った。熱い手だった。

 その時、背中でトビが息を呑んだ。

 振り返ると、廊下の方から三人目の警備役が来ていた。抜き身の剣を持ったまま、俺たちを廊下へ押し戻そうと近づいてくる。

 トビを、背中へ引き寄せた。俺には、剣も魔法もない。

 その前に、大きな背中が立った。

 ガルムだった。

 背中の布包みに、手が掛かった。布がほどけ、柄の擦り切れた古い剣が現れる。鞘の封印紐は、抜く動きだけで切れた。

 一振りだった。

 速すぎて、刃の動きは見えなかった。金属の打ち合う音が一度だけ鳴り、男の剣が床を滑っていった。壁に当たって、止まった。

 男は、剣を失った自分の手を見た。

「下がれ」

 ガルムが言った。

 男は下がった。

 ガルムは剣を下ろした。二度目は、振らなかった。


「施療神官! サナさんを!」

 サナの手を握ったまま、俺は廊下へ叫んだ。

 案内していた女性が、補助者と担架を連れて駆け込んできた。迷わず、サナのそばへ膝をつき、手首に触れた。指先が淡く光った。

「すぐに処置します」

 女性は、俺を見た。

「呼吸が速いです。熱は一昨日の夜から。起きている方が楽だそうです」

 俺は、分かったことだけを伝えた。

 女性は、短く頷いた。

「ありがとうございます。あとは、こちらで」


 部屋の奥に、木箱が三つ積まれていた。蓋の隙間から、淡い光が漏れている。

 リオルが蓋を開けた。瓶が並んでいた。下がっている札は、朝、記憶保管庫で見た三七二の箱と同じ形だった。

 記録官が帳面を開き、番号を追った。指が、何度も止まった。

「……全部、使用済みになっています」

 ヴェルンは、何も言わなかった。帳面を胸に抱えたまま、立っていた。

「この部屋の記録を保全してください」

 リオルが言った。

「最高司祭から再照合の命令が出ています。記録も瓶も、誰も動かさないでください」

 公務の声だった。けれど、いつもより低かった。

 記録官は、壁際に立っていた。帳面と同意書を胸に抱え、肩が小さく震えていた。それでも、帳面と同意書を抱えたまま、その場を離れなかった。

 廊下に、足音が重なった。

 騎士を四人連れて、アシュが入ってきた。朝と同じ白い手袋をしていた。

 アシュは、すぐには何も言わなかった。床の線を見た。台につながれた瓶を見た。木箱を見た。リオルから同意書を受け取り、日付を見た。それから、施療神官の処置を受けているサナを見た。

 最後に、ヴェルンを見た。

「ヴェルンさん」

 静かな声だった。

「最高司祭」

 ヴェルンは、帳面を抱え直した。

「この件については、私から説明します。記録を見てください。今季に入ってから、施療院の処理件数も、記憶媒体の利用数も増えています」

「記録は、見ました」

 アシュは言った。

「……私が整えたのです」

 ヴェルンの声が、少しだけ速くなった。

「この施療院が回っているのは、私が整えたからです。私がいなければ、今の半分も処理できない。誰が、この仕組みを動かしていると」

 そこで、言葉が切れた。

 ヴェルンは、アシュの顔を見ていた。何かを探すような目だった。

「私は神殿のためにやったのです」

 アシュは、すぐには答えなかった。

 一呼吸の間があった。

「神殿のためではありません」

 穏やかな声だった。

「あなた自身のためです」

 ヴェルンの指が、帳面の端で止まった。朝と同じ止まり方だった。今度は、頁をめくらなかった。

「本日付で、あなたの権限を停止します。記録はすべて保全してください」

 ヴェルンは、帳面を見下ろした。何かを言いかけて、やめた。

「連れていきなさい」

 声を荒らげたわけではなかった。それでも、騎士たちはすぐに動いた。誰も、何も言わなかった。ヴェルンも、もう何も言わなかった。帳面が、騎士の手に渡った。

 騎士の一人が、床に落ちた剣と、エレナの手にある抜き身の剣を見た。それから、ガルムの古い剣を。

「最高司祭。許可なく抜剣を……」

「記録しておきなさい」

 アシュは言った。

「理由も」

 騎士は、黙って頷いた。

 ガルムは、もう剣を布に包み直していた。アシュの方は見なかった。アシュも、ガルムに声を掛けなかった。


 俺は、サナの手を握っていた。

 熱い手だった。指先だけが、まだ冷たかった。

 トビが、俺の横に立っていた。

 俺は指をほどいた。サナの手を、トビの方へ差し出した。トビは、両手でそれを握った。

 俺は、手を離した。

 担架が持ち上がる。サナが、かすかに目を開けた。トビを見て、それから俺を見た。口が、何かを言おうとして動いた。声にはならなかった。

 担架が運ばれていく。トビが、母親の手を握ったまま、その横を歩いていった。


 部屋が、静かになった。

 床の線は、もう光っていなかった。台につながれた瓶だけが、さっきと同じ淡い光を残していた。

「これで終わりですか」

 気づけば、俺はアシュにそう聞いていた。

 アシュは、瓶の並んだ台を見ていた。

「いいえ」

 それだけだった。

 アシュは、それ以上を言わなかった。

 ヴェルンを止めても、これで全部が片づくわけじゃない。

 そのことだけは、分かった。


 廊下の向こうから、声がした。

「サナさん。サナさん、聞こえますか」

 施療神官の声だった。

 番号でも、件数でもない。

 その人の名前を呼ぶ声が、施療院に響き渡っていた。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


Scene40「拒めない同意」では、救うために作られたはずの制度が、いつの間にか人を「件数」や「資源」として扱ってしまう怖さを描きました。


サナが守ろうとしたのは、ただの記憶ではありません。

もう会えない人の顔であり、トビと生きてきた時間であり、自分自身の一部でした。


そして、断れるはずの同意が、断れば不利益を受けるものになったとき、それは本当に「選んだ」と言えるのか。


ヴェルンは、その地位と役職を剥奪されました。

けれど、それですべてが終わったわけではありません。


次回、Scene41「悲しい目」。


今度、選択を迫られるのは、誰かではなく――ソウル自身です。


人を救うためなら、自分を差し出してもいいのか。

その決意を見つめるフィーナの目に、ソウルは何を見るのか。


誰かを守るための選択が、

いつも正しいとは限らない。


それでも人は、選ばなければならない。


次の物語も、見届けていただければ嬉しいです。

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