前半 逆にYOUTUBERや株式投資家はどうして儲かっているのか?
筆者:
今回は介護と農業、物流など人類の生活に必須な仕事ほど給料が低くYOUTUBERや株式投資家などさほど社会に必要でもないのに莫大な富を築いている人がいるのはなぜか? について個人的な意見を述べたいと思います。
ちなみに生活に必需でありながら薄給と言うのはどのレベルなのかと言いますと
介護 平均年収 約400万
物流 平均年収 約450万
農業 平均年収 約120万(時給10円の年もあった)
とまぁ、どれも激務でかつ生活に必需でありながらも平均年収478万円にも及ばないという過酷な状況です。
質問者:
確かにどれも必要なのにどうしてこんなにも給料が安いんでしょうか……。
資本主義経済って需給のバランス――いわゆる「神の見えざる手」で給料やモノの価格が決まると思っていたんですけど……。
◇YOUTUBERが「稼げる」理由
筆者:
これにはまず「収入が青天井」とも言えるYOUTUBERの方を先に解説すると分かりやすいのでそっちから解説します。
では逆にどうしてYOUTUBERは収入が青天井なのか? と言いますと、動画投稿のプラットフォームであるアルファベットが支払っているからです。圧倒的な資金力があり、動画再生回数に比例して広告報酬を支払うことが出来るのです。
その上で100万再生の動画も1万回再生の動画も1円も稼げない人も極端な話そこまでやっている作業量は変わらないと思うんです。
勿論、確かにサムネや動画のストーリー展開などセンスの差は100万再生稼ぐ人の動画では違うとは思います。AIの量産型とは雲泥の差でしょう。
しかし、素晴らしい動画であったとしても埋もれてしまい全く見られていないことはふつうにあり得るという事だという事です。
そしてここで一番大事なことは、100万回再生された場合、動画視聴者1人目に対しても100万人に対しても「労働時間が増えることは無い」ということです。
プラットフォームにお勧め紹介されるかどうかはそれまでの動画の勢いや投稿頻度、投稿時間、チャンネル登録者数などによって決まるので、追加の労力が不要だからです。
質問者:
なるほど……YOUTUBEの親会社アルファベットさんの資金力とプラットフォームに絶大な力があるという事なんですね……。
筆者:
労力対効果が事実上無限大と言うのは非常にロマンを感じやすいです。
実際にゲーム理論の期待値においても%が低くても期待リターンが高いものほど高く評価される傾向がありますからね。
そのために高級タワーマンションなどに住むYOUTUBE成功者が輝いて見えるのでしょう。子供の将来なりたい職業ランキングで一時期よりは勢いが落ちましたがそれでも上位には食い込むほどの存在になっています。
しかしもちろんYOUTUBERで労力を投入してもほとんど稼げていない人が大半になっています。ほんの少しの氷山の一角を見て「YOUTUBERは儲かっている」と言う誤解が広がっているとも言えます。
質問者:
筆者:
登録者1000人を達成しているチャンネルは、動画投稿をしている全チャンネルの上位15〜17%程度、
投稿頻度にもよりますが雀の涙程度のお小遣いしか手に入らないレベルでこの割合です。
YOUTUBEでチャンネル登録者数が1万人を超えるチャンネルは、全チャンネルの上位約2〜3%といわれています。
これだって月に収入が数万あればいい方で、これだけでは家賃込みではまともに暮らしていけないレベルでしょう。
そうなると「YOUTUBE一本足」で安定して生活している人は動画投稿者では0.5%未満じゃないかと思います。
つまり、「理論上は青天井」ではあるもののほとんどのチャンネルが「最低賃金以下の労働対価」しか得られていないのが現実なんです。
しかも生活は不安定でいつ稼げなくなるかもわからずYOUTUBE側からは「もっと稼げ!」と常時馬が鞭を打たれて走らされているような状況と言えます。投稿を続けていないと他の人に表示される可能性が減ったり、収益の剥奪と言う結果になりますからね。
勿論好きで趣味でやっていたりする場合もあると思うので、そういったチャンネルの存在も否定はしませんが、動画編集とてかなりの労力がかかりますので、並大抵の情熱が無ければ継続できないと思います。
質問者:
なるほど、「上限が青天井」と言えどそんなに楽なモノでもないわけですね……。
持続や忍耐、運など様々な要素が絡み合って初めて成功できるという感じがしますね……。
筆者:
後は芸能人や元スポーツ選手、実業家など元から知名度があった人がYOUTUBEも始めた……と言うケースだとほとんど苦労なく登録者数を増やしているでしょう。
そうなると「本当の意味での一般人」が登録者1万人以上や安定して稼げるチャンネルになれる可能性と言うのは数字以上にかなり難易度が高いんじゃないかなと思います。
ともあれ、こうった構造上の理由でYOUTUBEには無限に稼げる可能性があり、人気と憧れの的であるという事です。
ただ、YOUTUBER成功者はほぼ漏れなくSNSもやっています。
YOUTUBEで登録者数が多ければSNSの登録者数も多く、それ以外の方に対しても表示されやすいので、「こんなに成功している人がいる」と言うイメージが植え付けられやすいという構図があるのだと思いますね。
質問者:
なるほど、アルゴリズムのせいだったんですね……。だからイメージではもっと儲かっていそうなのに……と言う感じがしたんですね。
◇投資家や投資会社が稼げる理由
筆者:
次に株式投資家や証券会社が稼いでいる要因を解説したいと思います。
最近になって言われているのが「億り人」と呼ばれる億万長者です。
実際に1億円以上の資産を持つ人と言うのは年々増えていまして、日本でも3%になっています。
近年の株高に伴ってさらに増えていくものと思われます。
一方で「無貯金」と呼ばれる人の割合は30年前の7%から約2倍になっており、非情なまでの格差社会になっていると言えると思います。
質問者:
筆者:
そもそも株と言うのは指数関数的に上がり続けています。
日本はバブル最高値を更新するのに30年かかったのでアメリカのS&P500で5年刻みの末の値で見ていこうと思うんですが、
1995年 615.93
2000年 1320.50
2005年 1248.29
2010年 1257.64
2015年 2043.94
2020年 3756.08
2025年 6845.50
と30年で10倍以上になっています。
特に最近はAIに対する評価が高く、とんでもない勢いで株価が上がっています。
25年のノーベル経済学賞ではイノベーションが持続的な経済成長を促す条件や仕組みを解析した功績が評価された事もあるように、イノベーションによって全世界的な会社の価値が上がっているんです。
質問者:
アメリカでは給与が日本よりも上がり幅が大きいですが、それを遥かに上回るぐらいの値上がりが起きているんですね。
筆者:
そうですね。
さらに2022年からは原油高と通貨安に伴うコストプッシュインフレが加速しているので値上げをしやすい環境になっています。
値上げと言うのは国民にとって最悪ですが、会社にとっては最高です。
なぜなら値上がり分どれだけ原油高や人件費などが含まれているか割合が分からないわけです。
そうなると「ひっそりと便乗値上げ」をして利益を上増ししていることは間違いないんです。
利益が増えれば当然株価にも反映されるので、株価が上がりやすい構図になっているんです。
質問者:
あらゆる環境が株高に対してプラスになっているんですね……。
しかし実際は貯金をする人すら増えているという本当に歪んだ構図になってしまっているんですね……。
個別株を買って尋常ではないペースで儲かっている方はどういった能力を持っておられるんでしょうか?
筆者:
僕が思うに個別株投資家で成功されている方は「企業と業界の成長余力を読む力が上手い人」なのではないかと思います。
ただ、それを見極めるためには常人ならざる知識やカンなどが必要なので並の人間では損をする確率が高いと思います。
僕のような株素人はインデックス投資1択なんですけど、それでも銀行に定期預金で預けるよりかは遥かに儲かっている状況ではあるんですね。
質問者:
〇〇株は儲かる! とか言っても意外と上がっていない印象があるので投資のプロの発言もアテにならない感じがありますからね……。
筆者:
これら「株のムーブメント」に乗っかっているのが証券会社です。証券会社は近年は仲介・取引手数料では取らなくなりましたが、「信託報酬」と呼ばれる現在価値から0.5%未満の僅かなパーセントを取ることによって儲かっています。
最近、非課税投資のNISAでは指数による投資がかなり流行っていますが、証券会社としては証券マンを使うことなく投資額が増えてくれるので利益が出てウハウハだという事です。
ここまで大体ご理解いただけたと思うので、「その真逆」に位置している「社会に必須とされている儲からない」代表格である介護と農業について触れていこうと思います。




