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千年の恋の物語~運命の二人~  作者: 宝槻錬果
第二章
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剣士の身支度

 レオも出発の準備があると言って自室に向かうと、豪と廉が残った。


「廉よ。お前も準備がある。来なさい。」


二人は豪の使っている執事室兼居室に向かった。豪は住み込みで杏那の執事も兼ねているのだ。豪の部屋はとてもシンプルで片付いている。入って正面には執務デスク、その横には応接用のテーブルとソファ。そして部屋の奥には更に扉がありウォークインクローゼットになっている。豪はまっすぐにウォークインクローゼットへと歩いていき、廉もそれに続いた。扉を開くと廉は驚愕する。


「先ほど準備とおっしゃったので、こんなことだろうとは思っていましたが、遥かに想像を超えました…。」


ウォークインクローゼットの中には様々な武器がしまわれていた。剣士としての剣は勿論、それだけでも大小様々に十本はある。その他、盾や槍、忍び刀、煙玉、クナイ、弓矢、吹き矢など見慣れない武器に発信機や小型の通信機など最新鋭の器具が並んでいた。


「豪伯父さんって剣士ではなく忍者だったのですか…?いや、もはや特殊部隊のイメージ…。」


唖然としている廉を他所に豪は“今日はどれを持たせるのが良いかな?お嬢様をお守りするには…”と何やらぶつぶつと呟きながら、どこか楽しそうにせっせと武器選びを進めている。そして選び終わったものを廉の前に広げる。


「私は剣士であるぞ。まぁ、乙女をお守りするために、色々と試したというわけだ。剣は接近戦用であるからな。さぁ、廉よ。お前もこれに着替えて武器を装着するのだ。普通のスーツでは武器を隠せないだろう?」


そう言うと豪は、いつ用意していたのか、廉のサイズで作られた新品の濃い目のベージュのスリーピーススーツを渡した。廉の茶色の髪色に良く似合う色だ。上着の内ポケットや袖口、ウエストベルトには武器を装着できるようになっている。スーツは防御性の高い糸で織られ、刃など物理的な攻撃から身を守る。廉は内ポケットに折り畳み式の剣と姿隠しの布、煙玉、超小型発信機を忍ばせ、腕には腕時計型の通信機を装着した。ネクタイピンには超小型カメラが内蔵されている。


「おぉ、私の見立てた通り、良く似合っておる。」


豪は感慨深そうに武器を忍ばせた廉の姿を眺めた。そして一通り忍ばせた武器の使い方を説明してくれる。


折り畳み式の剣は一振りすれば剣身八十センチメートルほどの剣になる。姿隠しの布は、被ると周囲に同調し敵の目を逃れることができる。煙玉は投げれば煙が立ち込め敵の目くらましに使う。超小型発信機は敵を追跡したいときに敵の服や持ち物に忍ばせる。腕時計型の通信機は横にある赤い小さなボタンを押すことで本体の親機と通信ができる。今回親機は豪が持っているので、何か緊急事態があれば連絡するようにとのことだった。そしてネクタイピンには三つの小さな宝石があしらわれている。左から赤、黒、赤の石の並びだ。超小型カメラは宝石を模して造られており、真ん中の黒い石がカメラになっている。赤い石を一度押せば録画が始まり、もう一度押せば録画を停止する。敵の容姿や戦術を記録しておきたいときに使うものだ。


「こんなに装着したのにとても軽い。豪伯父さん、ありがとうございます。」


「まぁ、ここまで用意はしたが、使わずに済むことが一番だ。昨日の今日で狙ってくるとは考え難い。まずは安全に街中での情報収集に努めることだ。そして、たまには若い者同士、楽しんできなさい。お嬢様も廉もここ最近ずっと気を張っていただろう。息抜きも必要だ。」


「はい。お気遣い感謝いたします。」

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