1 王宮へ
マリエールの母親は踊り子だった。国王が見初めてマリエールが生まれた。国王はマリエールを王女とすると宣言した。
1 王宮へ
マリエールの母親は踊り子だ。かつてはこの国一番の踊り子として一世を風靡したが、マリエールを身籠ってからはその価値は低下した。中絶せよとの声を頑なに拒んでマリエールを生んだ。マリエールの母親の踊り子としての人生は終わろうとしたが新たな道が開けた。国王が、
「マリエールは我が子である。母親と共に王宮に招き、マリエールを王女とする。」
と宣言した。既に第三王妃まで迎えた国王には母親を王妃とする事は出来ないが国王の子なら王女として迎える事は出来る。勿論猛反対があった。その時マリエールは生後4ヶ月、母親は17歳、母親はマリエールの乳母となる事になった。その日から2人は暗殺者に狙われる事になった。
2人を王宮に迎える馬車が来た。丁重に迎える王宮の使いは洗練されていた。
「国王陛下のご命令でマリエール王女殿下及びその母君をお迎えに参りました。どうか馬車にお乗り下さい。」
と丁重に馬車に案内された。川沿いの道を進んでいる時矢が降って来た。親子の乗っていた馬車は川に落ちた。随行者は、
「マリエール王女とその母君は川に落ちて亡くなられた。痛ましい事だ。」
随行者達は捜索する事もなく王宮に帰って行った。報せを聞いた国王は激怒して随行者達を捕縛して捜索隊を派遣した。川岸で母親が王女を抱き、震えているのを見つけたのは近衛兵だ。近衛隊の馬車で王宮入りした2人の姿は薄汚れていた。
入浴して身繕いした2人は国王と謁見した。国王陛下は愛おしいそうに2人を見て、
「2人には大変な思いをさせてしまった。申し訳ない。犯行に当たった者どもは取り調べ中だ。犯人を突き止めて厳罰に処すつもりだ。愚行を繰り返す奴等は生かしておくつもりはない。」
随行者達は激しい拷問を受け、今回の犯行を計画立案したのは第一王妃の側近である事が判った。その側近を拷問すると何人かの人物が上がりその人物達も取り調べした。第一王妃の関与は確認されなかった。何人かの処分が決まった。極刑、お家断絶、解雇処分厳しい処分がされた。国王陛下は、
「これでお前達を害する行為の愚かしさが皆に知られたはずだ。安心して暮らすがよい。」
残念ながらその予測は当たらなかった。マリエールの母親の食事に毒が入っていたのだ。教えたのはマリエールだ。念話で母親に報せた。母親は、
「私の食事に毒が入っています。給仕係と厨房の者を捕縛して下さい。」
鑑識が確認して毒が検出された。給仕係の懐から毒入りの袋が発見された。給仕係に毒入りの袋を渡したのは第一王妃の側近だった。側近は彼女の父親から毒入り袋を渡されて犯行に至った。側近と給仕係は極刑、側近の家は断絶となった。国王は第一王妃に怒りをぶつけた。
「お前の側近ばかりの犯行だな。お前が側近にやらせているならお前だけでなくお前の子ども達も処刑するぞ。」
第一王妃は怒りが込み上げた。
「私は犯行には一切関わっていません。お疑いなら調べて下さい。」
国王は言い過ぎた事を詫びた。
マリエールの母親はマリエールに念話で、
「こうしてあなたと話しができるのね。」
マリエールは、
「そうだよ。お母さん。」
と答えた。
マリエール親子は何度も暗殺されそうになった。いずれも計画したのは第一王妃の側近だった。国王は怒り第一王妃を怒鳴った。




