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第1話:宿星の目覚め
第1話:宿星の目覚め
『水滸伝』という物語の幕開けは、地上の争いではなく、天上の因縁から始まる。
北宋の時代、世は太平に見えたが、皇帝の治世には翳りが見え始めていた。皇帝は、天下に蔓延る疫病を鎮めるため、太尉・洪信に勅命を下す。洪信は江西省の龍虎山にある上清宮へ赴き、伏魔殿にあるという「三十六天罡星、七十二地煞星」――合計百八の魔王が封印された石碑を拝むことになった。
洪信は道士たちの制止を振り切り、「魔王など信じぬ」と傲慢に振る舞い、石碑を掘り返す。その瞬間、黒い煙が天に向かって四方に散らばり、百八の星々が地上へと降臨した。これが、のちに天下を震撼させる「梁山泊百八星」の誕生である。
運命の歯車が回り始める。この魔王たちは、どのような姿で世に現れるのか。その器となるのは、義に厚い者、強き者、そして世の理不尽に憤る者たちであった。物語は、まだ静かな平穏の中で、嵐の前の静けさを湛えている。




