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使い魔としての戦い

ガキィ!!ガキィン!!!


由佳莉さんの攻撃をいなす!彼女の動きは眼で追えないほど速い!


「くっ!!」


片手に氷の槍をもう片方の手で氷の壁を作り彼女の行動を阻もうとするが、


「はぁぁぁぁ!!!」


彼女の猛攻は激しさを増し、こちらの魔法を全て壊してくる!俺が猛攻を凌げているのは彼女の意識が俺の魔法と後ろの龍人族の子供に向けられているからだ。


(子供を逃がす余裕が無い!)


攻撃を凌ぐので精一杯で、少しでも俺の後ろから逃がそうとすると子供に攻撃を当てられそうだ!


《アイスランス!!》


周りに氷の槍を複数作り由佳莉さんの行動を制限しようとしても


「ふん!」


竹刀の一薙ぎでその全てが破壊される!


(身体強化魔法の強さが俺の比じゃない!)


いくら行動を妨害しようとしても全てを砕いて攻撃を仕掛けてくる!


「そいつを渡してください!!」


「この子は渡せません・・・。」


彼女の言動はどんどん強くなっていく。


ドォン!ドォン!


猛攻を凌いでいた時、街の外側の方からまた爆発音が聞こえてきた。先ほどのような大きなものではなく、小さい爆発が何度もあちこちで起きているようだ。


「なんの音?」


「あっち、私の家のほう・・・。」


「え!?」


「気にしなくていいですよ、レイトさん。」


俺と子供が爆発のほうを見ていた間、由佳莉さんは笑顔で竹刀の感触を試すかのように振っていた。


「蛇人族が暴れているだけです。」


「ええ!?じゃあ最初の大きな爆発は・・・」


「はい。やつらが外壁を爆発してこの国に攻め込んできたんです。私もそれに合わせて動いたので簡単にいきました。」


「・・・動いた?」


「はい。私達が元の世界に帰るには、私達をよんだ本人の血と魔具が必要なんです。」


「・・・。」


「私の方は簡単にいきました。ついつい力が入っちゃいました。」


そう言いながら腰から杖を抜いた。確かに青く美しかった杖に赤い何かが付いている。


「由佳莉さん・・・。まさかシルビアさんを・・・。」


「何でそんな顔をしてるんですか?言ったじゃないですか、あいつを心配することなんてないですよ。元凶は向こうなんだから。」


「・・・・・・。」


「心配なのは次です。レイトさんの方はだいぶ手ごわそうですから。」


「・・・マスター。」


「でも大丈夫です!もらったあれがあれば簡単に殺せます!!」


・・・ひとまず理解した。


《アイスウォール》


子供を後ろに逃がし壁を作る


「?なんでそいつを守ろうとするんですか?」


由佳莉さんは誰かに誑かされているんだ。


「あなたを止めます。」


「止める?」


心底不思議そうな顔をした後、絶望したような表情に変わった。


「・・・何でですか?」


じゃなきゃあんな怖いことは言わない。


「今この世界に生きているものとして!」


絶対に止める!


「使い魔として!」

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