囮としての戦い
「しつこいよ!」
《ダースレイ!》
屋敷から離れるように走り、大きな広場に出てオーク達を迎え撃つ。先頭のオークを倒すものの彼らの勢いは収まらない。
「ふぅ。」
《アイスランス》
一息つき氷の槍を何本も周囲に浮かせる。どれもこれもイメージした槍より大きく、一本持ってみると前よりもしっくりくる気がする。
「さっきから変な感じ・・・。魔力操作の鍛錬が実を結んだのかな?」
温泉での鍛錬を思い出し、前を向いてオークを迎え撃つ!
「行くぞ!」
「「「ぶぉぉぉぉぉ!!」」」
ザシュザシュ!!
槍を飛ばしオークを倒していく!数は減ったものの凄い勢いで突っ込んできた!
「おっと!」
ドゴォ!!
棍棒の振り下ろしは地面を砕くほどの一撃で、食らったらひとたまりもなさそうだ。
「ふん!」
近づいてきたオークを持っている槍で突き刺す!渾身の力を込めて突き刺した槍はオークを貫通し、動かなくなる。
「ぶぉぉ!!」
「え?うぉ!」
ドゴォ!!
目の前のオークの頭上背後から棍棒が見えたと思ったら、動かなくなったオークごと俺を叩き潰そうとしてきた!何とか後ろに飛び退き攻撃を回避する!
「そんな攻撃って・・・。」
味方を全く意識していない攻撃に動揺してしまう。だがオーク達は直ぐにこちらに攻撃を仕掛けてきた!
「もぉ!!」
おかしな行動に疑問を投げかける暇もなく迎撃に入る。
「「「がぁ!!」」」
「ふん!!」
それぞれ襲い掛かってくるオークを各個撃破していく。オーク達はバラバラのタイミングで攻撃してくるので下がりながら、避けながらの反撃で何とかなる。
(攻撃は怖いけど、当たらなければ、大丈夫!)
一撃一撃は地面や家を壊すほどの威力だが、大振りな攻撃は反撃しやすい。さらに
「・・・連携とかしてこないな?」
戦術とかは全く分からないが、目の前のオーク達は連携攻撃をしてこない。確かに魔獣や式神は連携をしてこなかった。龍人族はお互いに連携することで式神を次々と倒していっていた。それがオークには無い。
(こいつらも魔獣化してるのか。・・・でも魔獣って一か所に集まるとかしてたっけ?)
オークの数が減り、考える余裕が生まれる。今までの魔獣は狂って暴れたものの、基本的に一か所に集まったりはしていなかった。一回の例外を除いて。
(蛇人族の時は王と一緒に攻めこんできた。ってことは今回も古き魔物が関わってる?)
「ぐぉ、ぉ。」
最後の一体の胸に闇魔法を放ち、風穴を開けて倒れるのを見届ける。
「・・・デメテル。」
思い出すのは三魔神の一体、デメテル。確かオークの祖先の古き魔物だったはずだ。もしかしたら関係しているのかもしれない。
「ふぅ。考えてもわかんないや。取り合えずシルビア達と合流を」
「おい!!」
屋敷に向かって歩き出した瞬間、横から聞いた事のある声が聞こえた。そちらを向くと
ガギィィン!!
「いっ!!」
棍棒とは違う巨大な何かに吹き飛ばされてしまった!辛うじて挟んだ手に氷を出して防御は出来たが、額から血が出てダメージは大きい。揺れる頭を無理矢理動かし声の方を見る。
「インフィさん?」
そこには血走った眼で俺を睨みつけているインフィさんが、大剣を振り抜いていた。




