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屋敷への急襲

「なんでオークが!?」


「どうやって!?」


シルビアとメイさんが動揺している間にも、次々とオークが転送されてきている。


「「ブォォォォ!!」」


最初に転送されてきた二体が一直線にこちらに向かってきた!


《アイスホールド!!》


オークの足を凍らせ、動きを封じる。足を凍らせようと放った魔法だったが、オークの胸辺りまで凍ってしまった。


バキバキバキ!


だが動きを封じられたにもかかわらず、こちらに向かって来ようとするオーク達。


「こいつら痛くないのか!?」


氷から抜け出そうともがき、血を流す様子を見ていると痛覚が無いのかと思ってしまう。


「ぶぉぉぉ!!!」


後から転送されてきたオーク達もきょろきょろと周りを見渡した後、こちらに襲い掛かってきている!


「レイトさん!向こうの意図は分かりませんが今は身を守ることが第一です!倒しましょう!」


「了解です!」


《アイスランス!!》


シルビアから命を受け氷の槍をオークに向かって放つ!その槍はいつもよりも大きく、オークの上半身を吹き飛ばした!


「??」


集中しなきゃならない状況なのは分かっているがつい掌を見てしまう。


(何か、魔法が強くなってる?)


「レイト様!前を!」


「え?うお!!」


《アイスシールド!!》


ガキィ!!


いつの間にか迫ってきていたオークの攻撃を盾で防ぐ!盾も前よりも大きくなっていたが、それについて考えている暇は無いようだ。


《ウォーターウィップ!!》


「ぶぉぉ。」


「ふっ!」


シルビアの魔法が覆いかぶさっているオークに直撃する。怯んだ隙に距離を取る。


「すいませんレイトさん。まだ戦力には慣れないみたいです。」


申し訳ない声が聞こえる。俺でもわかるほどにシルビアの魔法は弱かった。湯治のおかげか魔法を撃てる様にはなったようだが実戦レベルではない。


「大丈夫です。ここは俺が何とかします。」


改めてオーク達に向かい合う。十体のオークが現れたが、転送は収まったようだ。だが魔法陣は健在だ。いつ追加の敵が来るか分からない。


「直ぐに倒して狼人族達と合流しましょう。」


「「「ぶぉぉぉぉぉ!!!!」」」


オーク達が一斉に雄たけびをあげ、襲い掛かってきた!


《アイスランス!!》


何本かの槍を飛ばし攻撃を始める!二体を倒すことが出来たが他のオークは気にもせず向かってくる!中には槍が当たって怪我をしていても向かってくる奴もいる。


《ダースレイ!!》


更に攻撃力が高い魔法を放つ!当たった二体はその場で崩れ倒れた!


「何でこいつら怯まないんだ!!」


今までの魔獣とは違うオーク達。魔獣はこちらの攻撃に怯んだり、仲間が倒れたらそちらを見て心配していたがオーク達はそんな行動をとらない。ただ一直線にこちらに向かってくる!


《ウォーターウィップ!!》


水の鞭で薙ぎ払いオークを吹き飛ばす。単なる魔獣との違いに嫌な予感がする。増援が来ていないか魔法陣の方を見ると、光りが薄くなり消えてしまった。増援が転送されてくる心配はなさそうだ。


「ぶぉぉぉ!!」


最中別の方向からオークの雄たけびが聞こえた。横を見ると一体のオークがこちらに突進してきている!


「他のところにも入り込んできてるのか!シルビアさん!メイさん!屋敷の中へ!」


「は、はい!」


中に入ったのを確認し、屋敷の入り口を守るように立ちふさがる。別の場所からの攻撃を考えると守る場所は一か所のほうが良い。


「ぶぉぉぉ!!」


オークが棍棒を振り下ろしてくる!


《アイスランス!》


氷の槍でぎりぎり受け止める!オークの目は今まで見たことがないほど血走っている。


(なんだこいつら!!)


「レイトさん!左です!」


シルビアの焦った声が後ろから聞こえる。


「っち!!」


《アイスウォール!》


ドゴォ!!


シルビアの声を頼りに氷の壁を左側に展開すると、左から何かがぶつかった音が聞こえた。


「ふん!!!」


目の前のオークを何とか蹴り飛ばし左を見ると、先ほど吹き飛ばしたオークがぶつかっていた。


「なんでこんなに猪突猛進なの!?」


ここまで前しか見えていない敵は初めてだ。


《ダースピアー!》


闇の魔法で氷の壁ごとオークに風穴を開ける。


「ぶぉぉぉぉ!!」


だがその後ろから来ていたオークが壁に体当たりをして壁を壊してきた!!


「なっ!ごふぅ!!」


対応が出来ず俺も吹き飛ばされてしまった!


「レイト様!」


メイさんの心配した声が聞こえてくる。


(やばい!)


オークが近くにいるシルビア達に狙いを定めると思い、直ぐに体勢を立て直し魔法を撃つ準備をする!だが


「ぶぉぉぉぉ!!」


俺を吹き飛ばしたオークは屋敷の入り口には目もくれず、俺に向かってきている。


「え?」


《アイスランス》


一直線にやってくるオークに槍を放ち倒す。だが今のオークの行動は明らかに俺しか見えていない行動だった。その前に蹴り飛ばしたオーク。それも無防備な屋敷の入り口には目もくれず俺に向かってきている。その奥には何体ものオークが復帰している。


「・・・まさか。」


先ほどまでのオークの猪突猛進具合を思い出し、一つの仮説が思い浮かぶ。それを証明する為に、わざと屋敷から離れる動きをする。


「レイトさん!危ないですよ!」


シルビアの声が遠くなる。そして


「「「ぶぉぉぉぉ!!」」」


オーク達は全員俺に向かって来ている!


「やっぱり。」


このオーク達の狙いはただ一つ。俺だ。


「シルビアさん!オークの狙いは俺です!俺がこいつらを引き連れていくので、早く狼人族と合流してください!」


「レイトさん!駄目です!」


シルビアの声を背に屋敷から遠ざかるように走る。後ろに目をやると一体残らず俺に向かってきている!


「でもなんで俺に?」


疑問を投げかけてもオーク達は返してくれない。

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