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メタバースマルチバース 〜ユニバースディ〜  作者: 硝酸塩硫化水素
はじまりのおわりとおわりのはじまり

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ep296 感情(Two thoughts)

 緊迫した状況で、白熱した死闘(バトル)が繰り広げられようとしていた……と、ドキドキワクワク(通称・ドキワク)の展開を期待している諸兄の期待を裏切る「解説」を一先ずしておこう。

 ※その「通称」があってるかどうかの保証はしない


 先ずは、何故、どこで、どうやってチッカがマイアの危機を察知したかという事。

 こればっかりは「ご都合権現」の権能の一言で()()()()()()()。従って、話しの腰を()()()()と無理やり()()()()()でも時間(コマ)を取らせて頂こう。

 えっ?望んでないって?いやいや、あらあら、まぁまぁ、だかだが()()()()()!さぁさ、解説にレッツらゴーである(聞いちゃいない)

 そして、駄菓子は菓子である(意味深)


_____



 神の杖(フォビドゥン)()緑色に直撃し、爆風が大地を包んだ際、鳥人(とりびと)族の二人は、外よりは安全なランデスの車内に避難していた。

 その後、マイアが指揮官代理として指揮権を発動、指揮者(マエストロ)として手腕(タクト)を振るい陣形立案〜策定している頃、チッカ達は地上で警戒にあたっていた。

 それは偏にオリゴチャエタ戦に対する用意とも言える。


 マントデアの「擬態」のような力は無いが、地中に潜むオリゴチャエタにもセンサー類は一様に反応してくれない。それこそ地上付近まで這い上がって来てくれなければ優秀なセンサーとて意味を為さないのだ。

 ()()()()()空から地上を見下ろし、大地の違和感からアタリを付けるのが一番手っ取り早い方法となるのだろうが、それだとこれから始まるアルテ大隊の戦闘の邪魔になり兼ねない。


 しかしその一方で、神の杖(フォビドゥン)は大地を灼けた荒野にした。その結果、見通しが良い荒野になった事で、鳥人(とりびと)族の()()()()()()()()地上からでも充分に違和感を感じ取れるようになったのである。

 だがその違和感は突如として炎となって上空に現れた。これは地上にて警戒にあたっていたチッカにとって、誤算と同時に多大なる悪寒を与えていた――


_____



 ――しゅぅん、きゅきゅきゅ、キュイーン、きゅきゅきゅ、しゅうううぅぅん――

 ――ぱちッ

「ここは……?」


「目覚めたでちて?」


「有機生命体……?何故、わたくし様はここに?()()()()()()に?」


「マイアさま、わたくしは貴女さまが過去に何をされ今も尚、有機生命体を酷く恨んでいる理由を存じ上げないのでち。ただ、当初の計画を……アルテさまの戦闘を台無しにし、ウラノさまのお考えを無碍にするマイアさまのやり方は納得がいかないのでち」


「有機生命体如きに、わたくし様が()()……いいえ、()()()()()()()、我々無機生命体が……無機乙女種(ガイノイア)達が負わされた屈辱は、犯された痛みは理解出来るハズもない。決して赦されるコトではないのですッ!」


 マイアの瞳はその深い蒼味を失っており、対極に位置する色へと変化していた。それは偏にマイアの感情が昂ぶっている為と言える。


「軍の規律を乱したマイアさまを助けるべく、真っ先に駆け付けたチッカさま。火傷を負う程までに熱せられていたマイアさまを抱え、ここに連れてきて下さったテーバメさま。冷却装置だけでは意識喪失(スリープモード)から復旧出来ず、ご自身の魔術まで駆使して尽力為さったアネサさま。そして、指揮官代理不在に因って乱れた戦術ネットワークを掌握し今も尚、戦線を維持して下さってるランデスくんさま。 ――マイアさま、貴女さまはそれでも尚、有機生命体を憎み続けるお積もりなのでちて?」


「う、煩い五月蝿いウルサイ!虐げられ、玩具にされ、散々弄ばれてきた、わたくし様の……無機乙女種(ガイノイア)達の痛みなど……お前達有機生命体に分かるハズもない……じゃない」


「そうでちね、分かりません。わたくし達、この場に集った有機生命体の皆々さまは貴女さま方を、虐げる積もりは一切なく、況してや共にあろうとしている方達でち。()()()()()今、この時だけでもその手を取らずに振り払い、意固地になったままの、その姿勢を貫くのであれば、わたくしは無機生命体を……いえ、無機乙女種(ガイノイア)の皆々さま達を今後一生、認めず蔑む事にしますでち。よろしいでちて?」


 少なくともマイアだけが意固地になっているワケではない。それは“プレイア姉妹”全員が、そして、本国に住まう無機乙女種(ガイノイア)達全員が過去に負わされた屈辱の結果を()()()()()持っているからこそ今に至る。


 だからこそ、ヘスティが如何に何を伝えようと、その気持ちが揺らぐ事は本来ならば有り得ないだろう。

 人間の欲望の果てに積み上げられた恨みは、そんなちょっとやそっとのコトで晴れる程、簡単な問題ではない――


 だが、ヘスティはそれでも尚、()()()()()協力しなければならないと伝えた。そうでなければ、エルメキアに蔓延る「蟲族」の殲滅は叶わないからだ。

 そうなれば即ちそれは、「テラ・アルバフォーミング・セクンドゥムテンプス」の失敗を意味する。


 ヘスティとしては、無機乙女種(ガイノイア)よりも、盟友たるウラノ・スィンゲルの想いを優先するのは当然と言えば当然なのである。

 それが全ての無機乙女種(ガイノイア)を敵に回すとしても……だ――

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