第31話 私が総支配人のリラレットです ~貴様!今夜は酒抜きだ!
今夜も頑張って2話連続投稿ですが来週、いや今週末から更新が止まりますのでご了承ください。
PCを置いて出かける予定が・・・
では第31話です。
編集しました。ニーナとサーヤの名を書き間違えていました。
今回の話に出てくるのはサーヤでサーヤは元貴族位の奴隷で転生者です。
訂正いたします。
知矢が河を遡上し襲撃者の痕跡を探し回っている頃、
知矢が購入した旧商家では残された奴隷達によって建物の掃除や片付け、生活環境を整えたり、店として使用するために内装を変更したりと忙しく働いていたのであった。
「誰ですか、こんなに部屋いっぱいにベットを積み上げたのは」
総支配人に指名されたリラレットが奴隷たちの寝室となる2階の部屋の様子を見て回って狭い部屋に4台もベッドを2段に重ねて置いてあったのだ。
商家の元丁稚や手代だったアンドウ、ゼンゾウ、シンゾウ、ガンゾウが顔を見せ
「ハーイ、総支配人、僕たちですが、何か不味かったですか?」
「ご主人様、トーヤ様からは1部屋を1人から2人で使用してかまわないとご厚意をうけているでしょう、なのに何故この部屋だけ2段ベットにまでして4人部屋なのですか?」
全くもう!と言いながら4人を見回す。
「ハーイ、総支配人、僕たち同じ村で育って同じ商家で働いてずーっと一緒に育ってきて最近はずーっと部屋も一緒だし今度は同じご主人様に買われたんでこの方が良いです」
と楽しそうに答える4人であった。
そういう事だったのね、ならまあ良いかと思い
「じゃあ、構わないですがだからと言って部屋で騒いだりしない様にね!わかりましたか!」
「「「「ハーイ、わかりました」」」」
と声をそろえる4人に、
「ならさっさと生活用品を運んで片付けて次は裏に届いた薪を割って頂戴」
と指示を出し他の様子を見に回るのであった。
「オイ!何だこの臭いは!臭くてたまんねえぞ!やめろ、外へ捨てて来い」
「何を言っているのですか、これは皆希少な薬草や魔物からとれる全て魔法の触媒とか必要な物なのです」
リラレットが聞こえてきた言い合いのする部屋を覗くと元冒険者のサーシャとコレットがいた。
「何を騒いでいるのですか、片付けはっ!!ぼふぉ!!何ですかこの臭いは!窓を開けて!早く!!」
リラレットにそくされ窓を開けて換気をする二人、サーシャは風魔法でより換気を即していたが。
「一体何なのですかこの臭いは」
「全て魔法に必要な物ばかりです、薬草の調合や魔物避けを作ったり、魔法伝導率を即す触媒や何か全部必要な物です。」
元冒険者で魔法使いのサーシャが訴えるが同室のコレットはたまったものでは無い。
「冗談じゃねえこんな部屋で暮らせるか!ふざけんなてめえええ!」
と怒り心頭。
リラレットはすぐさま、
「もう部屋に匂いが染みついているかもしれませんね、仕方が有りませんコレットさんあなたは隣の隣の部屋がミレさん一人だったはずだからそちらに部屋を移して下さい。
あと、サーシャさん爆発したり毒が発生したりしませんよね、そんなものは絶対だめですよ。あと換気も良くしてそして匂いが他の部屋などへ行かない様に必ず風魔法で遠くに散らす事!良いですね!!」
こんなとこ居られっか!と憤慨しながら荷物を運び出すコレット、対照的に静かにリラレットの指示に従うと答え薬品を並べ始めるサーシャ
はーっ、っとため息をつきながら次の確認の為階下へ移動するリラレットであった。
階下では元同じ貴族の館でメイドとして働いていた娘たちが台所の掃除や風呂の下準備を行っていた。
「ちょっと!マイあなた魔道具の水が出しっぱなしよ!止めて使う時だけ出しなさい。
「メイド長さま、でもこの魔道具っていくらでも水が出てくるのでしょう?私の魔力も減らないしダメですか?」
ぼやっととぼけた顔つきの元メイドのマイが雑巾を流し場で洗いながら答える。
「もう私はメイド長ではありません、支配人と呼びなさいと何度も、
それにご主人様からの説明を聞いていなかったのですか、
魔道具に込められた魔力は無限ではないのですよ、出しっぱなしだと魔力が尽きたらで出なくなるとおっしゃっていたでしょう!」
知矢の”定着”魔法で作られた魔道具はいわば無限の魔力を所持する知矢の魔力をほんの少し分け与え付与した道具だ、故に一生その魔力を放出し続ける訳では無い。
水の出る魔道具でいうと使う度にきちんと止めれば一般家庭なら1年程、宿屋や料理屋等で半年以内、風呂屋等では2カ月程でその魔力が枯渇し道具として機能しなくなる。
その為知矢は一度購入した魔道具を壊さずに店に持って来れば新しい魔道具の購入代金を2割引きで販売する案を考えている。
そうする事によって購入金額も下がるが需要も継続するメリットがある。
ただ大口使用者様に値段は張るが一般用と同様に1年程使えるタイプもおいおい売り出すことも頭にはあるのであった。
灯りの魔道具など他も同様で使用限度を設定している。
もっともやる気になれば何倍もの魔力を込める事も可能ではあったが、資源の無駄使い、いや魔力・魔道具の無駄使いを身に着けて無駄な消費をする習慣を付けない様にとの思いもあったのである。
「あれ?そうでしたっけ」
とマイがぼやっと答える。
あなたねえとあきれ顔のリラレット
「今度の新しいご主人様は以前の貴族と違い厳しく注意したり、感情で怒りをぶつける等もしなさそうですし奴隷としての借金を給金として今までのお給料より高額で下さっている方なのですよ。
お忙しい方なのでお声を聞ける回数も少ないかもしれませんがそれならひと言ひと言を必ず聞き洩らさずにしなさい!良いですね!」
他の者もですよと周囲に居にいた元メイドの娘たちにも注意を促す。
次はっと店先で机に向かい何か書き物をしているニーナが目に入った。
「サーヤさん如何ですか様子は?」
リラレットは数字に強いサーヤに知矢から預けられた金貨を含め資金の管理を頼んだのだった。
今は先日より買い集めた生活用品や食料、今後必要な物資の予算などを計算してもらっている。
「拙いわね...」
「え?何が問題なのですか、まだ資金はほとんど手付かずのはずですが?」
とサーヤの言葉に驚くリラレット。
知矢はリラレットを初めサーヤや皆にそれぞれ留守中に必要な物を買うようにと金貨を入れたマジックバックを渡していた。
そのお金を効率よく管理使用するため一度全員から集め直して必要な場合都度渡してお釣りの清算をしていた。
そもそも当初渡した金額が集めて合計すると大金貨一枚に近い金額が有りサーヤとリラレットは知矢のどんぶり勘定に驚きを隠せずこのままではいけないとサーヤに資金の管理会計を頼んだのであった。
帳簿、家計簿の様に物資別、日ごと等にまとめていたサーヤは
「※1)エンゲル係数が高すぎです、それに武器や薬品の購入額、数量も、あといくらマジックバックが有ると言っても肉や生野菜生鮮食品を一度に購入し過ぎですし、それにこのマジックバック、中身何だと思いますか?」
エンゲル係数?聞いた事の無い言葉に戸惑いながらリラレットはマジックバックの中身を探るのであった。
「....??!これは」
「そう、全部お酒」
「誰がいったいって...一人しかいませんね」
名前がすぐに浮かんだリラレットは裏木戸で立番中のギムに声をかけた。
「ギムさん!」
「おう、これは総支配人、何事ですか?」
と答えたのはずんぐりとした体形に顎ひげを蓄えたその容姿を見ると誰でも種族がわかると言うドワーフのギムであった。
もっともギムは純潔のドワーフでは無くハーフらしいが。
「何事ではありませんよ、何ですかあの大量のお酒は、ご主人様から預かったお金であのような個人の趣向品を、しかも大量に」
流石ドワーフの血と言うべきかギムは部類の酒好きであった。
「あいや、その、いやしかし...一応ご主人様にはご相談申し上げたのだぞ!本当に!すると
「まあ、仕事に差しさわりが無ければ好きなだけ飲んでください、ただそれで暴れたり問題を起こしたら即行鉱山ですけどね」
..と怖いセリフは有ったがきちんと了解は得ておる。大丈夫じゃ...多分..」
最後は少し買いすぎたかなと気が弱くなったドワーフであった。
「ご主人様が許可成されたのなら購入したことは咎めません、しかしあの量をあなたに渡したら即飲んでしまうでしょう、お酒は私からの配給制とします、希望する時に申告してください。その都度適量をお渡しいたします」
とドワーフに死刑宣告の様なセリフをそこして去っていった。
そこされたギムは立番のはずが膝を屈し
「そ、そ、そ....そんなーーーーーー!!」
と崩れ落ちるのであった。
その後警備主任のサントスに見とがめられ警備の手抜きだと叱られさらに今夜は酒抜きだ!と宣告されまさに死んだような夜を過ごしていたのを他の者は黙って放置するのであった。
そんな様子でスタートした知矢と奴隷たちの商売は未だ準備も整わず、主もいつ帰宅するのかもわからず多難の船出になるか?未だ先が見えないのであった。
そしてリラレットの苦労はまだ始まったばかりである。
※1 エンゲル係数:まあ皆さんご存知ですよね。
収入(厳密には家計)に占める食費の割合です。
ドイツの社会統計学者エルンスト・エンゲルの発明した理論からこの名がつけられています。




