第31話 襲われているのは.... ~「おみゃあの飯はニャア!!」 名古屋弁??
暑い......でもここはエアコンが付いてて快適(-。-)y-゜゜゜
今日も何とか投稿できました。
では第31話よろしくお願いいたします。
話数表記を間違えていました。
第30話➡第31話へ訂正いたします。
小湖 悠 さんご指摘ありがとうございます。
その男がこの街道を行き来するのは何度目だろうか。
商人の丁稚として初めて都市を行き来する馬車に乗り都市から都市へと品物を運び、売りさばきまた仕入れて別の都市へと向う。
10年たった頃、商会から信を得て馬車の運行を任され更に10年、夢であった自らの商会を立ち上げてから既に10年。
、
男には丁稚や手代を何人も雇い、運行する馬車の台数も増えていた。
もう何度目かなど数える事もやめてしまった殆どそして地図も見ずに行き来出来る程の回数なのは確かである。
しかし、今でも自らの手で都市を行き来する馬車を操り新しい仕入れて品は無いか、新たな顧客は居ないかと精力的に商売をしていた。
そんな男がそれこそ目を閉じても行き来出来る街道で経験したことの無い空気を感じ嫌な感覚を覚えた時、頭を過ぎたのは街道騎士団からも商人ギルドからも注意を受けていた謎の襲撃者の事であったのは偶然では無い。
数々の修羅場も経験し今の今まで命と財産である馬車や荷、そして家族同然の手代達と生き長らえてきた男の嗅覚は特別だ。
今回は警護の冒険者の人数も増やしランクも上げ雇った。
もちろんその分経費もかさみ利益も減るが一時の利の為に命を差し出す様な無謀さを男は持ち合わせていないのだから。
「おーい!何か様子が変だ、全員警戒、備えろ!」
商人の大声に疑いを持ってのんびり構える様な者は居ない。
すぐ様走行中の魔馬車の荷台から飛び出し周囲に展開、索敵を開始する。
警護リーダを任されていた冒険者の男も妙な空気を感じ取り仲間の気配探知魔法で周囲を探る者へ顔を向けた。
魔法で周囲を探知していた男も妙な気配は感じるが何かまでは探知出来ていない様で仕切りに首を捻りながらも索敵を続けていた。
無風・無音の街道、知覚出来るのは馬車の移動音と引く魔馬の息遣いだけだ。
いつになっても変化や姿を表す者の居ないその街道に嫌な感覚と焦りの気配だけが周囲を支配していた
その時
無風と静寂を切り裂く様に突如突風が商隊を襲う!
強い横殴りの風に魔馬も一瞬にして足を止め四肢を踏ん張り耐える様に身を低くした。
冒険者や商人たちも埃に視界を奪われ馬車にしがみつく様に身を守るのが精一杯であった。
その強い風切り音に重なる様に中央の荷馬車の周囲にいた者たちの叫び声、悲鳴が響き渡ったと思うと急に風が止み直ぐに風向きが変わったと思うと再び突風と共に冒険者や手代達の叫び声があがる。
冒険者や商人の男も必死に風に逆らいながら周囲を伺うが風と埃以外接近する者はいない。
気配探知を必死にする冒険者から大声が上がった
「何かが物凄い勢いで接近しては遠ざかり向きを変えて襲い掛かってるぞ!
風の中だ!!!」
その言葉を聞き冒険者のリーダの男は自分の豪剣を面前に立てその何かに向かい風を受ける様に構えた、
が、その風が通過した時、男の豪剣と共にその身を切り裂かれ何も分からないまま地に伏していたのであった。
数時間後警戒中の街道騎士団が襲われた商隊を発見した時、既に冒険者と商人、手代や魔馬はこれ迄の襲撃事件と同様に切り裂かれた状態で発見されたのであった。
しかし、これ迄と大きく異なるのは恐怖に身をすくませ荷車の荷台で荷に隠れるようにしていた丁稚が一人だけ生存していた事だった。
しかし恐怖のあまり外を見る事さえ出来なかったその若い丁稚から得られた証言は少なく、唯一冒険者が声を上げた
「何かが風とともに物凄い勢いで接近してくる」
と言う声だけであった。
途中の街道騎士団駐屯地に立ち寄り最新の情報を得た知矢はこの初めての生存者の情報を得て再び川を遡上するのであった。
知矢のレーダには未だ大した反応は無いまま時間だけが経過していく。
「そろそろ昼にするニャア!」
船主の獣人ニャアラスが知矢へ声を声をかける。
静かに帆柱へ背を預け目を閉じていた知矢もゆっくり立ち上がりながらそうだなと船尾へ移動してくる。
「兄貴!飯ですかい!、おいらももう腹が減って腹が減って!」
「オイ、お前の分ニャンかニャアぞ」
と船首から慌てて船央へはいずってきたボンタへニャアラスの無下な一言。
「ニャアラスの旦那、そりゃねえっすよ!、オイラも必死に辺りを警戒してるんですよ!」
と泣きつく様に反論して知矢へも助けを求める。
ほらよと無限倉庫から街で仕入れておいた弁当をボンタへ渡し、ニャアラスには弁当の他に好物と言っていた川魚を油で揚げて塩を振っただけの串揚げを渡すのであった。
そして自らはニーナ特製のパンにベーコンや野菜、チーズの様な物を挟んだバケットサンドの様な物を食べ始める。
食べながら川面を見渡すと天気も程よく好天に恵まれ風や波も穏やかで襲撃事件が頻発する様な気配とは無縁な景色であった。
さっさと弁当を終えたニャアラスが串揚げにかぶりついているのを見ながら知矢は聞いてみた。
「なあ、ニャアラス、風とともに襲いかかりその姿も現さず人や荷馬車を切り裂く、そんな魔物は聞いた事がないと街道騎士団も通り過ぎた街街でも言っていたがお前はどうなんだ?」
対人戦でいくつか修羅場を経験し転移前ではそれなりの人生経験を積んできた知矢もまだこの世界の知識は浅いため、船であちらこちらへ行き来し年も重ねているであろう獣人のニャアラスへ聞いてみた。
「まあ、俺もあちこち行ってそれニャりに魔物とも戦ってきたけどニャア、風の中から風とともに襲いかかる何て見たことも聞いたこともないニャア」
食べ終えた串揚げの串で口腔清掃に余念の無い様子のニャアラスは残念だけどと答える。
弁当を食べ終えた知矢も無限倉庫からお茶の入ったポットを取り出し、ニャアラスへ分け与え自らも口をすすいで川へ流しながら一息をついた。
「あのお……」と遠慮しながら自分にもお茶をと言うボンタへコップを渡すがニャアラスは「オミャアは川の水でも飲んでろ」
とつれない素振りは変わらない。
お茶の水筒をボンタへ渡し後は勝手にやれとばかりにニャアラスへ、向き直る知矢へ背後から再び
「あのお…」とまだ何か言いたそうなボンタ
「ニャンなんだおミャア、黙って飲んだら前へ行ってろ!」
と突き放すが知矢は言ってみろと促す。
「...いやあ、あのう俺なんかが思いついた事なんか...」
「.........シャー!」イライラしたニャアラスが口角から牙を見せ毛を逆立てる
「あうぅぅ..いやあの考えたのは鳥の獣とかなとか..はっははははっ.....ごめんなさい、何でもないです」
自信が無いが一応いってみたもののやはり違うのではと意見をひっこめるボンタだったが知矢は
「鳥の獣か...思い当たる種類でもあるのか?」と興味を示す。
「いやあ...特にこれと言って無いんでやんすが...風の様に早くて攻撃的だって言うんでそう思っただけでやす.....ごめんなさい」
「う~ん、その可能性も無くはないが何か違う気がするな。ニャアラスは何かそんな鳥系の魔物とか知ってるか?」
「こいつの思い付きニャんか当てにならにゃいいニャア、そうだニャア、ガルーダルとか攻撃的で素早さも相当だと思うけどニャアでも見えないほどの速さニャんて聞いた事もニャいな」
ガルダールと言うのは高い山の峰に生息する羽を開くと20mにもなる超大型の鳥型の魔物であるが餌を捕食する場合は素早い攻撃性を発揮するが欲するのは熊魔や鹿魔などの獣や魔物の大型獣で人や荷馬車を襲う事は無い。
ニャアラスの話を聞いてもやはり何か違うと思う知矢だがでは何かを勘違いしているのかなども明確に言えないのでやはり可能性のありそうなところでレーダに映し出される異変に期待するしかないのかと思いながら、
「こんなんじゃいつ帰れるか分かったもんじゃないな、方針を変える事も考えるか」
とつぶやく様に自問したが
「いニャア、俺も色々考えたけどニャトーヤの感が結構いいかもよ」と現状維持を推した。
ニャアラスが言うには街道での被害が数の上では多いのはわかっているが何故か2度街道で襲撃されると次は川舟が襲われるのを繰り返している点が気になると。
その意見に知矢も賛成だ、襲撃ヶ所と日時をマッピングしながら考えていたのもそこだったからだ、
しかも今船運は全面運航停止状態でよほど何か理由が無い限り今現在川に船を浮かべているのは知矢達だけなのだから。
「そういや街道騎士団が襲われたって話も聞かないな」
「ニャア、襲われたことを隠してなけりゃそうだニャア」
「俺たち以外の冒険者にも他のギルド支部で緊急依頼が出されてるっていうのにそっちも襲われたりしていない....」
「武器持ってんのがわかってて襲わないじゃニャアか?」
「いや、それなら商人たちの方にも警護の為武装した冒険者が多く帯同していた、
大体、魔獣や魔物が武器を恐れたり騎士団を避けるってのもおかしいよな、
必ず商人が狙われていた.....」
しばらく黙って思考していた知矢はがばっと帆柱を見上げ船尾を振り向き
「ニャアラス!!移動だ!
大至急近くの都市へ向かってくれ出来ればギルド支部や大きな港のある都市が良い!」
急に思い立った知矢の指示が飛ぶ
「よっしゃニャア!何か思いついたニャ、任せろ大至急だ!」
と帆に加えて櫓を握りしめ力ずよく漕ぎ出す獣人と何かひらめき船首を見つめる知矢。
ひとりぽかんとするボンタがいるのであった。
先日新しいWi-Fiルータの件を書き込みましたが知り合いの手を借りてなんとか接続できました。
通信速度も上がりWi-Fi到達距離も大幅にアップ!
快適です。
DNSアドレス設定がおかしかったのとプロバイダー登録情報とパスワードを勘違いしてNTT光回線のアドレスとパスワードを入力していました。
お騒がせいたしました。




