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第23話 引きこもりからの脱却  ~それだと元の木阿弥では?

(-_-;)梅雨...終わりませんね...


では第23話をご覧ください




知矢はギルドが用意した旧商家にて引きこもり生活をしながら魔法のLVアップを行っていたが中でも”創造魔法”で何か便利な魔法を造ろうと取り組んでいた。


当初はLVも低かったので考えていた機能や能力に制限がかかり思ったほど有効な魔法を作り出す事は出来なかった。


何種類かの魔法を合体させた新魔法が出来ないかとか、瞬間移動や時間を止めたり、召喚魔法も試したがやはりもう少しLVが上がらないと制限がかかって作成できない様であった。



そんな中、今知矢が使える魔法を物に貼りつけて使える様に出来ないかを試した時に出来たのが”定着”の魔法だった。


天井に”ライト”の魔法を”定着”させると流す魔力によって部屋を煌々と照らす電球の様に使えたり、台所の壁に取り付けた竹の筒に”ウォーター”を定着させると水が出たり、要は水道の様な使い方などを考えた。


もちろん発動するには魔力が必要だが逆に魔力さえあれば覚えていない又はその属性を有しない者でも使用可能な点が非常に有効なのではないかと考えた。


火魔法の”ファイヤー”を使ったコンロ、風魔法を使った扇風機、更に氷を生み出す”アイス”と風魔法の扇風機を両方定着させた”冷風機”、箱にアイスの魔法を使って”冷蔵庫”、等知矢が日本で使っていた便利な生活用機器を魔法で再現してみたのだった。



そして最後に思いついたのが空間魔法の”無限倉庫”の廉価版で大きさを制限した魔法を定着させた”マジックバック”であったのだ。



知矢の説明と実際に作られた品々を前にニーナは思考が全く追いついていなかったがやっと口に出たのが

「ト、トーヤ君!

あなた何者なの?

こんなに短時間で次から次へと考えられないような物をいとも簡単に生み出したり、

魔法の定着?

魔法を貼りつけるって?

マジックバックと言うのはこんなにポンポン作れるものでは無いしーーーーーーーーーーーー!!!」




言い切ってゼイゼイ息を切らすニーナにお代わりの紅茶を差し出す知矢は


「まあ、そんなに興奮しないで下さいよ、よく見てくださいよ、とても便利じゃないですか、これを都市に流通させれば一大センセーションを呼びますよ!」


と落ち着きながらまるで夢を語る様に話す。


そんな落ち着いた知矢の様子にあっけにとられるニーナだが、確かに便利よねと一つ一つ改めて手に取って魔力を流してみるのだった。


「でしょ、原理は簡単ですけどそれを物に定着させる事は多分誰も出来ないと思います、だからこそ今まで誰も考えつかなかったんでしょうけどね」



いとも簡単に言い放つが実際作られた物を見たニーナは率直に便利だと思ったがそんな魔法の使い方を考えついた知矢の方に驚きを感じる。


知矢にしてみれば単に昔から身の回りにあった物の原理からその動力を魔法に置き換えただけだがこの世界しか知らないニーナにしてみたらまさに神の道具”神器”なのでは?

えっ知矢君は神様?


と思考が妙な方向へ行きそうになっていた。


実際の所、”神の加護をもつ者”なのだから神に近い者ではあるのは内緒の話である。



「でもトーヤ君、これで、この道具類を使って目を欺くってどうやるの?」


やっと本筋に戻ってきた所で知矢が考えていた筋書きを話し始めた。



「簡単ですよ、大々的にこれらの商品を宣伝して販売するとどうなります?」


「それは私がこれだけ驚いているのですから都市の人々が知ったら大騒ぎで買い求めるんじゃないですか、あっでもすごく便利だけどその分高そうだから結局は豪商とか貴族などのごく一部しか買えませんよね」


至極当然の返答である。


先ほどのマジックバックでさえ中金貨5枚程度(約500万円)はする代物である、その他の今までにない画期的な商品ならやはり1個あたり中金貨数枚程度はしてもおかしくない。


この世界での一般的な市民層が1月に得る収入は小金貨1枚から2枚程度、中にはそれ以下の収入のものさえいる。


中には大銀貨数枚がやっとの収入で家族と暮らしている者もいるぐらいだ、そんな収入で中金貨以上の買い物何て一生出来ないのが当然の世界、購買層が限られる。


購買層が限られるのであればひと時の話題にはなるが結局貴族や商家などが買い求めるわずかな個数のみしか流通しないのであれば人の目を引き付けて話題を造り更に大本命の知矢への関心を忘れさせる、には程遠い話である。



「実はマジックバックはそれ相応の値段を考えてますがその他の商品は中銀貨数枚から大銀貨程度で考えてます。」


つまり数千円から数万円という事だ。

知矢にしてみたら日本で勝っていた大量生産品の庶民で購入できる金額を目標にしている。


「えっ、そんな安くしたら人が殺到しますよ!」

当然の反応を示すニーナであるが



「そりゃあそうですよ、この商品の販売で沸き返る都市の人々の話題はそれ一色!っていうのが本来の目的なんですから、そしてさらに生活環境を良くして病気やケガも減る様なら最高なんですけどね。」





暗いところに明かりをつける、これだけで確かにいままでつまずいていたり穴に落ちたりも防げるので怪我も減るかもしれない。



綺麗な水を好きな時に好きなだけ出せれば衛生状態の改善にもつながりさらに大変な水の運搬で腰を痛めたりも減るだろう。



食品を冷やして少しでも痛むのを減らしたり延ばせれば食中毒予防にもつながるし無駄な食品を廃棄する食品ロスも減る。




そんな事を漠然と思いながら実際の所一番は自分が使いたいのであるが。



知矢は自身で魔法が使えるので一見不要な様にも見えるが実際は長い日本での生活習慣から自らの能力を発して明かりをともしたり冷やしたり風を起こしたりという動作、行動に慣れないというか一々魔法を選び発動する事に慣れていないせいもあり、先日宿で引き起こした”ファイヤー”と”ファイヤーボール”を間違って発動させるなどという騒動に繋がっているのである。



この新たな方式(この世界での)ならば魔力をただ込めるだけで指定された魔法を決まった威力で発動するだけであるから間違うはずもないしそもそもほんの少しの魔力で十分な結果を得られる様に調整してあるのだから問題が起こりようもないのであった。



スイッチオフ機能もしっかり備わっており不要になれば指定箇所に設けられた微細な魔法陣に触れるだけで魔法の発動が停止して即機能も停止する。



さあ!どうですか?

と、知矢はニーナに同意を求めたが


「確かにその値段ならこの都市どころか国中、いえ帝国政府でさえ飛びつくような騒ぎになるでしょうね、でも...」


「?でも、何ですか」


「結局トーヤ君が発明して販売してたらもっともっと更に注目の的では?」


と本末転倒なのではとニーナに指摘された知矢だが


「ふっふっふっ~、そこもちゃんと考えてありますよ、ヒントをくれたのは先日の司法貴族の方です」



と、又しても不敵な笑みを浮かべニーナを困惑させるのであった。





ニーナ「元の木阿弥では?」


トーヤ「なぜニーナさんが筒井順昭の逸話をしって...まさかニーナさんも転生者では!」


ニーナ「内緒です!」




今夜もどうにか更新できました。

連休明けの初日、仕事がハード過ぎて死にそうでした。

もっともそのスケジュールを作成して調整・実行を指示したのも私なので自業自得ですが...



豪雨ツーリングから帰ったばかりですがもう次のツーリングが待ち遠しくて待ち遠しくて!!


あと、行先を帰宅後の更新で記すと言ってましたっけね。

今回は石川~能登半島ツーリングでした。

日本海の魚は旨い!!


では次回更新でお会いしましょう。

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― 新着の感想 ―
[一言] トーヤ「私にいい考えがある!」(コンボイ司令感) てーれってれー♪
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