第22話 奴隷もあの国が絡むのである ~トーヤ君何か悪い顔になってますよ
数日更新が出来ませんでしたが何とか一話多少短いかもしれませんが投稿させて頂きます。
(待っててくれる人いるのかな?)
では第22話 ご覧ください。
知矢が人目を避けて引きこもり生活を始めて3日、旧商家の中は商売がら店先であった大通りに面した場所は広く、次の間、奥向きもありその奥には従業員用か台所や水回りも広く取られていた。
2階にも数部屋あり広い廊下のに部屋が並び主の部屋だったかと思われる最も大きな部屋の奥には強固な壁と鍵付きのこれまた頑丈そうな扉の部屋が有りおそらく金庫室的な使い方をされていたと思われる。
知矢は取りあえずこの一番広くてベットも置いてあった場所を根城にしていたが昼間は1階の広い店先でごそごそ色々な事をしながら時間をつぶしていた。
「ネットとPCでもありゃあな」
とよく見ていた動画サイトを思い出し「グンマ帝国R17」という若者が作っていた改造系動画サイトの続きが気になって仕方が無かったが生憎この世界にPCや光回線どころかカメラや動画の概念、技術も存在しないのでは仕方がなかった。
そんな知矢の暇つぶしと言えば今のところ魔法のLV上げ位しかやる事も無かったた今後使い勝手が良いであろう”空間魔法”のLVを上げる事に集中し繰り返し練習したおかげで
”ピーン、空間魔法のLVが6に上がりました”
とまた頭の中に例のアナウンスが流れてきた。
LV6に上がったおかげでマジックバックでもある神様に貰った初期装備のリュックの大きさもとっくに超えて普段使用し無さそうな物はそっちに移動してある。
知矢はこの空間魔法でできた場所を何と呼ぶか考えたが
「パパパパッパパ~♪♪ ”4◎元ポケッ~ト~”」
と最初1人やってみたが空しくなって封印した。
「まあ、取りあえず”次元倉庫”とでも言っておくか」
と呼称を決めてその使い勝手を検証してみた。
・現時点での収納能力は書庫、棚等30個程は有に入る。
・内容の整理は思い浮かべる事で自在に可能
・出し入れの順は自由自在
・出す場合も指定した箇所を考えるだけでそこに出現するが今のところ10m以内程度が範囲らしい。
・時間経過は無し、ただしもっとLVが上がればパーテーションを区切る事も可能になりゾーニングで時間経過や温度管理も可能になると”例”の無機質なアナウンスの説明が有った。
・重量制限は確認はできなかった(旧商家にあったあらゆるものを入れてみたが重さを感じなかった)
そんなところだ。
かなり使い勝手は良いが出し入れの瞬間を他人に見られると厄介なのでしばらくはリュックを手放せないと思ったが何か別の方法を考えようとして”創造魔法”で何か応用できないか試行錯誤をしていた時
旧商家の裏口に人の気配を感じたところニーナがやってきたのだった。
実際は解析魔法の応用で探知魔法がかなりLVアップしており常時探知をしているためニーナが接近する事は前もって感じていた。
レーダ型の探知魔法はかなり使い勝手も良くなり指定していた人物や魔物、生き物の種別や個別設定もできるようになりその指定したものが関知範囲に入ってきた段階でアラートを表示してくれる。
ニーナの設定は無害で通知だけの為静かだが知矢に対する悪意などを設定しておくと緊急アラートが発報し、ディスプレイに赤く警報が表示される。
ちなみに知矢に対して興味を持って探すような意識を設定してみたところ数人の黄色い標示が時折通りをウロウロしていたのは笑えたが未だこの生活から抜け出せない事を表しているのですぐにげんなりしたのだった。
「トーヤ君、どう?変わりない、はい、お昼ごはんと夕食のお弁当を持ってきたわよ」
とニーナはもう慣れた様子で台所にあるテーブルにバスケットから持ってきた知矢への差し入れを並べた。
「ニーナさんありがとうございます、でその後何か大きく進捗しましたか?」
店先から奥に戻って椅子に腰かける知矢は沸かしていたかまどのお湯でお茶を入れるニーナに話しかけた。
「そうね、報告しておくことはいくつかあるわ、
採掘用の砦は外周の簡易壁が完成して防衛に当たっていた冒険者に変わり都市の騎士や兵士が詰める様になっているわ、その代わり冒険者は採掘用の機材や人員の輸送警護に当たっているのよ。」
と説明しながら二人分のお茶をテーブルに置き自分も席について続けた。
「そういえば帝都の役人が埋蔵量を計る魔道具で測定を始めているわ、まだまだ確定は出ない様だけれど範囲はおおよそ例の”魔粉草”の生えていた範囲と重なっているという事よ、今後は深度を測定するからまだ少し時間がかかるようだけれどね」
そしてそれとと続いて
「準男爵と娘の帝都への移送が決まったわ、今司法貴族の担当官が書類を作成し移送の準備を始めているところ。移送には騎士や兵士の他に手が足りないので臨時に冒険者を雇う事になったのでその冒険者の選定をしているところ。」
急に都市での大仕事が増え常駐していた騎士や兵士では不足する事態になった事から急遽信頼できると見極めた冒険者を雇い移送の手助けをさせると言う。
一昨日は到着したばかりの司法貴族が”現地司法貴族”のガインを伴い知矢が引きこもっているこの商家を訪れ再度の事情聴取と確認が行われた。
もっともガインが事前に確認や証言をしていたため追認する程度であったが。
その場で司法貴族に担当者から伝えられた内容に知矢は少し驚いた。
「帝都で司法官の裁定が下りた後おそらくは準貴族家取り潰し、家財没収、その身分は奴隷階級に落とされ犯罪奴隷として公衆にさらされたあと奴隷商人へと下げ渡される予定だ。」
奴隷制度に慣れていない知矢は牢獄にでも入れられ重労働でもするかひょっとして死刑かと考えていたのであったので衝撃を感じたが死刑よりいままでの身分や豪華な生活を失い奴隷にされる方が厳しいのだと理解した。
しかも魔法で奴隷隷属を行う事で自害なども自由に出来ないらしく本当に疲労や怪我、病で死なない限り一生奴隷として与えられた労働に従事しなければならないのであった。
ここでこの国の奴隷制度に触れておこう。
元々の小国家群時代には奴隷制度どころか奴隷すら存在しなかったのである。
しかし南の大国”ルドマリッド人民共和王国”に於いては以前より苛烈な奴隷制度が存在していた。
それは主に支配する民衆に恐怖と従属を植え付けるために有った制度で支配階級が奴隷に落とされることは決してなかったそうだ。
逆に他国の者は無法に拘束されろくな裁判も無く奴隷とされ男は強制的に戦場へ送られたり危険な鉱山での採掘に従事、女も同様だが時に見目麗しい者は支配階級への貢物や金持ちの道具になった者も多くいた。
一般市民も支配階級に対する反意や納税を怠ると拘束の上、奴隷階級に落とされる事が有った。
その様な隣国の悪政を良く思わなかった小国家群の王家や政治家たちは自国には決し同じ制度を導入しない歴史が有った。
しかし南の大国との戦争が長く続くうちに捕虜として拘束していた敵の兵士や敵国に従属していたの商人等の扱いに苦慮する事態が増えて行った。
自国の者が捕虜になった場合互いに捕虜交換時交換する事で救出してきたが彼の国は段々自国の捕虜を変換する事を望まず帝国の国民を返してほしい場合は金銭を要求する事態が発生し始めた。
むろん南の大国の高位のものやソレに繋がる縁戚、政治的な価値や戦略的価値のあるもの以外、要は下級兵士や市民兵等の受け取りを拒むケースが発生したため人数のバランスで等価交換に応じないのである。
帝国としては国民第一の為金銭での交換にも応じてきたが今度は自国に残された返却できない捕虜が負担になってきた。
最初は一部を開放してきたがそれでは無為に敵兵を増やすだけであったので自国国民として再教育の上、下級市民として労役に付かせようと試みたが南の大国の国民はどう教育しても敵性な思想が抜けず帝国国民に対して暴力的に歯向かったり犯罪に走る者ばかりだったため止むを得ず奴隷制度を導入するに至ったのであった。
当初導入に難色を示していた国民ではあったが奴隷制度が国民に受け入れられた一番の要因は身分にかかわらず法と番人により確実に執行される点である。
帝国法に基づき国民には役割や立場によって身分の呼称や支配する立場とされる側に分かれてはいるが罰に対しては高位の者ほど厳格に処罰される規定が作られ長く守られてきたのであった。
今回の準男爵の拘束はそれに基づく物であったが、帝都より離れた地方都市で目の届かないのを良い事にこの様な者が生まれる事は稀にあったが明確な証拠を得られるのであったならすぐにでも処罰の対象に成るのが帝国の司法である。
奴隷の種類にもいくつかあり、
・戦争奴隷:戦争の捕虜を対象、出来れば交換し送還したいが無理な場合は奴隷化し前線へ送る
・犯罪奴隷:重犯罪~軽犯罪まで応じて生涯奴隷~賠償金分労働で返す等に分れるが殺人や強姦などでは生涯奴隷のまま
・借金奴隷:借金分を労働で返すので短い者だと数日~生涯に及ぶ者までいるが刑期中でも他者が刑期残金を払う事で開放可能
等に分かれている。
今回のドミワ準男爵はガラムの提出した証拠や調査、自白により明確な殺人の容疑と未遂を含め詐欺や恫喝、恐喝などに及ぶため終身刑は間違いなかった。
娘のソメッソも同様である。
司法貴族は知矢に「賠償金としてその没収された財産からいくらか支払われる」と聞いたがその場で受け取りの権利を放棄し他の犠牲者や遺族に分けてあげて欲しいと伝え書類へのサインをした。
あの親子とは二度と関わりたくない気持ちが在った為その金銭を受け取る気にもならなかったし、他に大勢もっと苦しい、悔しい思いをした者がいるであろうと思ったためである。
司法貴族との面会が終わってまた空き家の商家に一人取り残された知矢はこれからの生活の助けに奴隷を買うのも手だなと考えていた。
むろんいやらしい事など考えてはいなかったが宿を出て家を借りるにも掃除をしてくれたり食事や洗濯、身の回りの世話を誰かに頼みたかったのである。
人を金銭で雇うのは簡単だが色々見せられない事やばれてはいけない事のある知矢なので契約で秘密の漏えいを縛れるに越したことが無い、そう思ったのであった。
「今のところはこんな様子ね、相変わらずトーヤ君を探す人はいるけど」と話を終えて苦笑いをするのであった。
「ところで何をしていたの?」と知矢の様子を聞いてくるニーナに手にしていた小さなポーチを見せたのであった。
「あら可愛いポーチねどうしたの」
「いや、それはこの商家の倉庫に残されていた売れ残りの品だと思いますよ、結構な数が有ったので、ちょっと改造してみましたけどね」
と笑みを浮かべながらニーナへポーチの中から入っている物を出してみるように促した。
ポーチの口を開け何も入っていないように見えた中へ手を差し入れたニーナは”ハッ”としながら中身を掴み引き出した。
出てきたのはとてもポーチ入るとは思えない長さの練習用の木でできた木剣であった。
「えっ、これはマジックバックじゃない!、そんなものがここに放置されて残っていたなんて!」
と驚きの声を上げた。
この旧商家は商売に失敗して借金返すために土地ごと家屋や残った商売品を縁が有ったギルドへ売却し引退した老爺の持ち物であった。
もちろん査定の為ギルドでも残された品々を確認していたのだがその中にマジックバックが有ったなどと解っていればその老爺も借金を簡単に返済できるだけの価値は十分にあるのがマジックバックである。
いまニーナが持っているポーチ状のものは中のサイズが約2立方メートル位であるが購入するとなると中金貨5枚程度の価値はありそうだ。
知矢が最高神から初期装備で貰った大きさもその程度はある。
それが残された荷物に何十個とあったとすればひと財産である。
「ニーナさん、ここに残っていたのは単なるポーチですよ、マジックバックなんか1つもありませんでしたよ」
と驚くニーナにいたずらっ子の様な顔をむける知矢だ。
「えっ?でも確かにこれは・・どういうことですか?」説明を求めるニーナであった。
するとおもむろに
「実はこれ、私が作ったマジックバックです、これを使って私に向けられている騒ぎの目をよそに向けられないかなあと思いまして」
きらりと目を輝かせ悪い顔になった知矢と事態を呑み込めないで唖然とするニーナがそこにいた。
前回のあとがきにも書きましたが22日の夜からソロツーリングへ行っておりました。
昨夜帰宅しましたが残念なことに全日、ずーっと雨に打たれ続け殆どどこによりことも出来ず走り霞む山々を見た程度でした。
まあ、夜は美味しい魚とお酒を堪能できたのでそこだけは満足ですが。
明日よりまた仕事、皆さんも梅雨と中国のウイルスに負けない様に頑張りましょう!




