第18話 えっ?貴族って柄かよ? ~気が付いたら都市のごみが減った様です
夜半を過ぎましたが未だ起きている方は?
いないかな
いやあ、外食して生ビールで気持ちよくなりどんどん飲んで〆にハイボール美味しかったです。
で帰宅後勢いで投稿してます。
よって今日は誤字脱字が多いかもしれません
では第18話お送りいたします
襲撃騒ぎ以上に”魔鉱石”発見の報に湧きかえり慌ただしいギルドであったが取りあえずの配置や指示を部下に出し終えた冒険者ギルド長のガインと知矢は一人の職員を伴い3Fにあるギルド長室へ移動し襲撃騒ぎの対応を協議していた。
「しっかしお前はなんでこうも次から次へと騒ぎを起こすかね」
「私が原因で騒ぎを起こしたように言われるのは心外です、それに魔鉱石の件は騒ぎでは無く功績として褒められるべきものでは?」
とからかい半分のガインに言外に褒めろと視線を向けた。
「むっ、確かに大した功績だ、なんたって10数年前には一攫千金魔鉱石長者を目指して5千人以上の冒険者が草原にあふれかえりそれ目当ての商人が市を開いたり臨時の宿泊所やら飲み屋、娼館まで乱立してこの都市も一時期住人が1万人程増えて大好景気に沸いたもんだったが結局誰一人群生地を発見できなかったんだからな。」
ガインは懐かしむように話すがその大好景気の裏には探索に全財産をつぎ込んでしまい没落した貴族や冒険者も多く存在したのも事実だったのだが。
「ですがまだ調査や試掘もしてませんからむやみに話ばかり大きくなりこれ以上の騒ぎになるのはご免ですが」
「もう遅いわ!あれだけの騎士や冒険者それにこれから仮の砦まで作るのだ、明日には都市中、数日で近隣都市や帝国中枢まで話が広がる、まあもっとも先ほど帝都ギルド本部に魔伝で一報を出すように言っておいたから数日中には帝都の調査団が来るかもしれんがな。」
諦めろと言うガイントまあ、仕方がないと既に諦めが入っている知矢だった。
そんな雑談をしているとノックの音が聞こえニーナが入ってきた。
「トーヤさん!大快挙ですね、もう大騒ぎで何故か下の居酒屋では冒険者がお祭り騒ぎを始めましたよ」
とギルド併設の食堂で無関係の冒険者が盛り上がっているようだ。
知矢はニーナに肩をすくめて苦笑いを向け二人祖かわからない無言の表情で会話をしている様だった。
「ゴホン!! そんなことよりニーナどうした」
と二人の会話に割って入るガイン。
「ギルド長失礼いたしました。ただいま都市警備騎士団のオースティン騎士伯が御出でになりました。」
それを早く言えと言い
「こちらに案内してくれ、丁重にな、それと紅茶を用意してくれ」
ニーナはハイと答えて知矢に笑顔を送りながら退出していった。
「さて、2つの騒ぎを絡めて始末をつけんとな」
とニヤリ悪い顔をするガインに知矢は二つを合わせる意味が解らないと顔を向ける。
「解らんか、考えてもみろ準男爵はギルドに対して娘の処罰の取り消しと詫び金更に図々しい事に昇進まで要求している、そんなとこで今度はお前に対する襲撃、殺人未遂の容疑と魔鉱石発見の報。金に汚く図々しい奴の事だどんどん言いがかりをつけてお前の功績を横取りした挙句娘を無罪放免にして逆にお前の罪を大いに吹聴するのは目に見えてる」
知矢はこれが真の貴族かとやってられないなあと嘆息するが
「馬鹿いえ、あんな貴族がまかり通ればこの帝国も南の大国の様に腐った国に成っちまうわ、だからこそだこの絶好の機会を逆に利用してゴミ虫どもを一掃する!
トーヤ、もちろんお前は逃げられんぞ、手を貸せ」
と言い放つが知矢は勘弁しろよ、俺はのんびり暮らしたいだけだと思いながらも言わば中心人物であり自覚はあるので逃げ出せるとも思っていないが非常に迷惑な話だった。
そして再びノックの音が部屋に響きニーナの案内を受けたオースティン騎士伯が入ってきた。
「久しいなガイン、今回は奥の手を使ってゴミ虫退治だって聞いて急いできたぞ」と握手を交わしたあと知矢を紹介する。
知矢は奥の手?とガインから手の内を明かされていない事を面白くないと思ったが大人しく礼儀を持って挨拶するのだった。
「初めまして、騎士伯卿、新人冒険者のトーヤと申します、今回の騒ぎに何故か巻き込まれギルド長が逃がしてくれませんので申し訳ありませんが同席をお許しください。」
とガインへの嫌味を交えにこやかに挨拶をした。
ただし平民の設定だから普通に日本式のお辞儀をしただけだが。
「おお、君が噂のラッキーボーイか、配下の者からはその姿に比さず手練れとも聞いて折る、若いのにたがわず礼儀も正しいじゃないか、こちらこそよろしく頼む」
と顔合わせが済んだところで席に着くとニーナが紅茶を持ってきて配る。
その香りを一口楽しんだところで話が始まった。
「で、準男爵様はそろそろ来るのか」とオースティン
「いえ、もう少しかかるでしょう、何せ魔鉱石の情報を手にしたらしいので勇んで来るより悪だくみを練ってから来るようですから」と相手の様子が手に取りわかる様な話しぶりだった。
「そうか、自分から処刑台に登る準備をしながら更に業火に燃料を追加するそは神妙な様だなw」
と二人はわかり合ったように悪い顔をしあって楽しんでいるが当の知矢は「何だかな・・」と黙って紅茶を堪能するのであった。
しばし3人とギルド職員を交えて協議を行う。
ニーナはオブサーバーとしてか背後に控えて協議の様子に聞き入っていたが求められた時以外は口を出す様子はない、役割をよく理解した対応だと知矢は感心していた。
1刻もした頃だろうか突然ノックもせず乱暴に扉をあけ放ち乱入してきた者がいた。
ドミワ準男爵の登場である。
制止する職員を押しのけてギルド長室へ押しかけた非礼の男の背後で申し訳なさそうに制止できなかった事を無言で詫びる職員がいたがガインは無言で頷き職員にある仕草で決められた合図を送った。
その職員は合図を確認し頷くと戸を静かに締めどこかへ駆け出していたのだった。
「おい!このわしが来ると言うのに出迎えもなくどういうことだ、しかもしばらく待てだのお前ら下々の者と違ってわしは忙しいのださっさと詫びを入れにお前から来ると思ったら今度は娘を無体に拘束しおって!騎士とか名乗る屑どもは何を考えているんだ!!」
と勝手なことを大声で怒鳴り散らしながら礼儀も知らぬように勝手にソファーへと我がもの顔で居座った、すると
「おい、貴様屑どもの親玉じゃないか!お前さっさと娘を丁重に開放しろ!そして詫びに全財産をわしへ献上するんだ!今すぐ!」
オースティン騎士伯がいる事に気が付くと今度はそちらに噛み付き始めた。
「準男爵殿、いきなり無礼に押し入ったと思ったら今度は栄誉ある帝国の騎士団を屑呼ばわりですかはてさて・・」
オースティン騎士伯はドミワ準男爵の権幕にも動じることなく答える。
「貴様、何を余裕の態度をとっておるのか!何が名誉あるだ、貴様の部下は無実の非力な貴族令嬢を証拠もなく薄汚い牢へ閉じ込めておるのだぞ!わかっているのか!」
罵声を止めないドミワに気にする様子もなく放置するオースティン騎士伯にかわりガインが口を開いた。
「ドミワ準男爵、お嬢さんである謹慎処罰中のギルド職員ソメッツは事もあろうに大勢の札付き物の冒険者を雇い入れここにいる善良ないち若き冒険者を集団で襲いしかも殺害を指示した現行犯にて拘束されたのです。いくらあなたが父親として擁護しても帝都の貴族院判事が許さないでしょう」
「ふざけるな!!何が現行犯だ、証拠もなくしかもこんなどこの馬の骨かもわからん奴を娘が襲うなど有り得ぬわ!
貴様らにわしが真実を教えてやるから良く聞け!」
と自分の書いた筋書きを語り始めるのであった。
要するに
・娘は日頃から広い視野で観察し情報を集めていた
・その情報とは魔粉花の生息域の特定
・今日は顔見知りの冒険者を自費で雇い入れ現地で場所を確認しわしの所へ発見の報を入れようとした
・その矢先に欲に目のくらんだ若い冒険者(知矢の事らしい)と雇った冒険者の中にいたスパイが卑怯にも襲い掛かり怪我を負わされ拘束され嘘の通報で騎士に拘束された。
・悪いのはこの冒険者
・よって魔鉱石の権利は娘、しいてはこのドミワ準男爵家の物だ
・娘に対する無法への損害賠償も寄越せ
・騎士の資格などないから我が家に都市警備を明け渡せ
・ギルド長の資格など無いからこれからは自分の次男がギルドを運営する
の様な支離滅裂の内容を罵声を交え独演会の様に一方的にまくし立てたのであった。
「準男爵殿、言いたいことはそれ位でしょうか」と未だ冷静なオースティン騎士伯
ちらりと向かいのガインに視線を送るとそろそろですと言うように頷き返してきた。
「貴様!それ位でとは何だ!ふざけた事を言っているとその首叩き切って魔物の山へ餌とするぞ!」
口から泡を吹く様に怒鳴り散らす様子を静かに見守っていた知矢は「きったねえな」という感想しか浮かばなかった。
そろそろ終わりにしてくんねえかなと脇に座るガインの靴を横から蹴ると「もう間もなくだから待ってろや」と言わんばかりに肘を打ち今度はガインが口を開いた。
「準男爵殿、証拠、証人がいればよろしいのですね」と下手に窺うように尋ねた。
「おう、いるのならなだがこの小僧や裏切ったスパイの冒険者なんぞ証拠にもならんぞ」
「しかし、謹慎処分中のお嬢さんが魔粉花を探して見つけたという証拠もありますまい」
「何を言って居る、ワシがこの耳で直に娘から聞いておったのだこれ以上の証拠がいるはずも無かろう」と当然の様に言い放つ。
廊下に人の気配を感じたガインは
「ではこちらの証人と証拠をご覧いただきましょう」とおもむろに席を立ち気配の近づいてくる戸をゆっくり開け廊下に向かって恭しく頭を下げ廊下にいた人物を招き入れるのであった。
「どうぞお入りください、皆さんバムラス辺境伯の御入来です」と。
静かに現れたのは白髪をオールバックでキリット纏め老体ながらもシャキッとした背筋に深淵を見透かすような強い眼光を持つ男であった。
あっと無言で驚くニーナ
驚愕に固まりながらも体を震わせるドミワ準男爵
涼しげな笑顔でそっと立ち優雅に礼をするオースティン騎士伯
辺境伯?知らんなと相変わらず紅茶を静かに飲む知矢と土下座状態のギルド職員のおっさん
「皆の者、夜分に突然済まぬな」と皆を睥睨すると平気な顔をして紅茶を飲んでいる知矢に気が付きそちらの方向にのみ殺気を放つ老人。
視線もむけずに紅茶を飲む素振りのまま殺気を受け止めて霧散させる知矢。
周囲の誰も気が付かないこの一瞬の間にバムラスと知矢の間では見えない刃を交わしていたがバスラムはふと口角を上げると殺気を納め眼光の鋭さも幾分抑え気味なり穏やかにガインに譲られた席へ着くのであった。
知矢:(うわ~この爺さんバケモンだな俺とそんな歳変わんねえくせにえげつない殺気放ちやがって、って・・うん?バスラム辺境伯?何か引っかかる名だな?)
ニーナ:(バスラム辺境伯様をお招きになるなんて、ギルド長今回ばかりは本気ですね、でも良かったのかしら?後で・・・・)
ドミワ準男爵:(なぜ辺境伯がこんな所へ前触れも出さずに、しかも決着の言質も取る前だってのに、くっそー何かこの場をごまかして去らねば・・どうすれば・・・そうだ)
ギルド職員:(・・・・・・プルプルプル・・・・・)
「バスラム辺境伯殿、いやあ突然のご来訪このドミワ準男爵歓迎いたしますぞ、しかし良いところへお越しくださいました。
いまこの者どもに話しておったのですが実は今日わが娘と我が家の配下である冒険者の懸命の探索に置いて数十年発見できなかった幻の鉱脈、”魔鉱石”を発見致したところでございます」
と自分の功績だと先に言ってしまえばこんな下級貴族や平民には覆す事などできんはずだと、さすが悪事だけは計算の早い男であった
だが、
「うん?其方の話は本当かオースティン騎士伯殿」
とバスラム辺境伯は騎士伯へ問いを向けたがつかさず割って入ったドミワ準男爵が
「本当でございます!いやー私めも探索をさせていた娘たちの報を受けて驚いたの何なのと、これも日頃より地道に調査探索我が準男爵家の総力をもって行っていた賜物でございます辺境伯様」
と、あくまでも自分の功績であった事を印象付け何とかこの場を乗り切ろうとするが
「何言ってんだこのおっさんは」と知矢は黙っていられなくなって心の声が思わず出てしまった訳では無い。
「何だと貴様、辺境伯様の前で声を発するなど不敬にもほどがある、この場は見逃す故すぐに出て行け!!」と言っては都合の悪い知矢をここぞとばかりに追い出そうとするが。
「構わん!直答を許す、話させてやれ」とのバスラムの言葉にさすがの準男爵も知矢を追い出せなくなった。
「話なんて簡単ですよ、このおっさんの娘がギルドを騒がせて謹慎処分をくらったのにそれに反して勝手に配下の冒険者共々俺を亡き者にしようとして返り討ちにあい牢獄に放り込まれてその後俺が発見した魔鉱石の権利を強欲に奪おうとこの場で喚いて恫喝してただけの話ですよ辺境伯様、ねギルド長。」
とドミワ準男爵の制止する間もなく簡潔に事の次第を話してしまった。
「貴様言うに事欠いて娘を犯罪者呼ばわりしあまつさえ帝国の信大きドミワ準男爵家に対しての言われ無き無礼の数々!許せんこの場で成敗してやる!」
と脇に置いておいた豪奢な飾りが重そうな短い剣を掴み立ち上がり抜こうとした瞬間!
「止めんか!!」と部屋の空気を震えさせるほどの大声が響きドミワ準男爵の剣を持つ手が手刀で打ち据えられ剣を飛ばしドミワの太い体ごと床に打ち潰したのはなんとガインであった。
「失礼します」と辺境伯に一礼し黙って頷き了承を得ると未だ床につぶれて痛みをこらえているドミワ準男爵を見据えて言い放った。
「この戯け!辺境伯様殿の面前で剣を抜きあまつさえ貴様との争いの当事者であり被害者であり更に魔鉱石鉱脈の真の発見者を亡き者としようとするとはもう貴様に弁解の余地はないこの場で貴族権を差し止め身柄を拘束させてもらう!
おい!」
一気にまくし立てて外へ声をかけると数名の騎士が入って来てドミワ元準男爵を拘束するのであった。
「馬鹿な!貴様に何の権利が有って!しかも平民のお前が貴族であるわしを害するとは何事だ!辺境伯様!この男と冒険者はぐるになってわしを我が準男爵家を陥れ魔鉱石の権利を盗もうとする帝国の逆賊ですぞ!おおそれにそこの下級貴族の騎士伯も仲間です!辺境伯様!!」
と懸命にその身の無実を辺境伯に訴えるのであるが
「少し黙らんかこの帝国のゴミ虫めが!」と切って捨てる
「あああ、何ですと辺境伯様この皇帝陛下より賜った真厚き準男爵の私をゴミ虫だのと・・」
「とことん貴様は腐っておるのう、もはや口を訊くのも汚らわしいわ!おいガイン茶番は終わりじゃ説明してとっとと牢へ放り込め」
ハイハイとため息をつきながら話を始めるガインであった。
「良いか元準男爵」
「元では無い!準男爵さまだ!!」
「馬鹿がさっき宣言しただろうが、(貴様の貴族権差し止める)と、その意味わからんかすでに今この時よりお前とその家族、家名に並ぶ者を含めて貴族の権利が停止した後日帝都に護送され司直の手で正式に沙汰が下るであろう」
「だから貴様に何の権限があってと言っている!」いまだ言い募るドミワにガインは決定的な宣を放つ。
「俺は司法貴族だ!」と上着の内ポケットから皮に刻まれた紋様を見せつけるのであった。
「・・・・わわあわああwっだああc・・・にににに偽物だ!こんな奴が男爵だと!司法貴族だと!ありえん偽造だ!偽物に騙されんぞ」とまだあきらめない様だ。
知矢はこれ何の時代劇ドラマでこいつは悪代官ですかと、どこかの老人がクライマックスに印籠を出すだけですべてを解決してしまう昔のテレビドラマを思い出して嘆息する。
(早く帰って寝たい・・・という目をニーナに向けるがニーナはダメですよ、シャキッとして下さいという顔とそして苦笑いを浮かべる)
「偽物ではないぞ」とバスラム辺境伯そして続けて
「辺境伯の権にて我が3男のガイン・ベルサシス・バスラムを男爵の地位を与え併せて皇帝陛下自ら”司法貴族”の権をお与えになったのだ、帝国の臣下が皇帝陛下の権を疑疑うとは言語道断即刻連れて行き厳重に監視の上取り調べを行え、喋らないときは何をしても口を割らせろわしが許す」
こうして準男爵の立場を悪用し私腹を肥やし親族の罪もを擁護してきたゴミ掃除が徹底的に行われたのであった。
後に判明するが準男爵として与えられた年金の数百倍に及ぶ現金や貴金属が屋敷から押収されその準男爵家につかえていた者達の証言や証拠の数々、最後まで口を閉ざしたが与えられた薬を飲まされるとべらべらと過去にさかのぼり自ら行ってきた悪事の数々を供述したと報告されている。
時は戻りギルド長室
捕らえられたドミワが連行され静寂が戻ると皆が一応にため息を吐き出しながら再び席に着いた。
すると直ぐに改めてニーナが紅茶を入れなおし皆が一息つくと
「ガインよ、ご苦労であった、オースティン騎士伯も大変であったな」と労をねぎらう
「さてそこの若者よトーヤと言ったな、今回は散々な目にあって大変であったろう辺境伯として配下の物を監督する者として詫びよう、すまなかった」と平民である知矢に軽く頭を下げるのであった。
「辺境伯様おやめください私は単なる平民です頭を下げられても困ります」
「そうか、困るかならばこれで許してもらおうか、ガイン詫びとしてその者にはしっかりと待遇を処せよ、では年寄りは失礼するかのう」と来たときの様に背筋をキリット伸ばして颯爽とさっていったのであった。
「では司法男爵殿、私もこれにて失礼させて頂きます」とオースティン騎士伯がガインに礼をし立ち去ろうとするとき
「オースティン騎士伯殿、今まで通りガインでお願いしますね」と声をかけた。
心得ておりますと言い残し騎士伯も姿を消した。
残されたガインギルド長、ニーナ、顔面蒼白のギルド職員、そして知矢だったが
「トーヤ、お前気が付いていたみたいだな、しかし鑑定隠ぺいの魔法で消してるはずだが」かとガイン
「そんな魔法が有ったんですかそれこそ知りませんでしたよ、ただ騎士伯と二人して余裕そうでしたから相当な隠し玉があると思ってましたしね、ただ辺境伯が名乗った時家名に聞き覚えが有りましたしね」
そう、ガインとの初顔合わせ時いつもは余り出さない家名をつい出して自己紹介したのは本人なのだから。
「そうか、俺自身がうっかりだったな、まあしかしあの時はお前がどこかの貴族か他国の王家に列する者かとも疑ってたからフルネームで自己紹介してしまったんだったな」
「ただ、辺境伯の3男で司法貴族とは考えもしませんでしたけどね」というかお前が貴族って柄かよ!と心の中で激しく突っ込みを入れるのであった。
「さて男爵様、まだ何か話したそうですがそろそろ良い時間です、帰っても良いですか」
と腹が空きすぎている知矢は今日は解放しろよと目で訴えた。
「おう、そうだな、この騒ぎの後始末やら何やらでまだいろいろ聞くこともあるが明日でいいだろう、ご苦労さん」と素直に開放してくれるようだったが
「おうそうだニーナ、こいつ1人で帰すと他の連中につかまってうるさいだろうからお前もう帰って良いから宿までついてけ、そして宿で空いてる部屋泊まっちまいな払いはギルドだ、その代わり明日朝からこいつを逃がさない様に連れて来いよw」
と言ってもう邪魔だと手を払うように二人を追い出したのだった。
やはりギルドの一階に降りると冒険者たちにつかまり
「おい!俺たちのチームに入らないか」「いやこっちだ」「俺たちのクランに投資してくれ」とか「準男爵が連行されたけど何が有ったんだ」とかしまいには「前から好きでした」「今夜帰りたくないの」など訳の分からない連中に囲まれてしまったがそこはニーナの一喝で脱出に成功、二人で昨夜の様に帰路に就いたのであった。
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今夜はまだまだ長いかな~
今日は特にありません。
っつか眠いです
おやすみなさい(-。-)y-゜゜゜




