終章『新キャラ』
ガチャリと開いたドアから顔を覗かせたのは一馬だった。
「お、みんな来てるな。今日は新しい仲間を紹介するぞ」
一馬の後から姿を見せたのは、おどおどした感じの青年だ。
「え、と。みなさん、初めまして。僕は山城白兎って言います。その、自己紹介がちょっとできなくて、ごめんなさい」
いぶかしむ皆に一馬が説明する。
「白兎は変身の際に記憶を無くしてしまったらしい」
落ち着かない白兎の肩を叩きながら、軽い口調で続ける。
「安心しなって、俺もそんな感じで昔の記憶を無くしてるから。それでもこうしてリーダーやってるしな。最初は不安かもしれないけど、みんないい人たちだからすぐ不安も消えると思う。そんな訳だからみんなもよろしくしてくれ」
もちろん異論もなく、拍手で白兎を仲間に迎えた。
「じゃあ、いつものアレは白兎さんにやって貰おうかな?」
茜の言葉に、いいねと賛同する声がかかる。
「え? 僕がやっていいんですか?」
「もちろん。はく兄だってもう仲間なんだぜ?」
皆で立ち上がり、輪を作る。
「じゃあ、いきます」
白兎が左手を前に出した。
誰からも教わってなどいないのに。
「ヒーローは世界の平和のために」
五つの手がそれに続く。
『世界の平和のために』
世界が望む6色が揃った。
この世界は、平和に包まれている。
終わり