都での滞在ーその19-
続きですです^-^
「それで、その~セオス様ですか、貴方様にお願いがあるのですが」
言い難そうに、申し訳なさそうに、エルガリオがそう言ってくるので、
「うむ、何でしょう?」
我は軽くそう答えると、
「使えない事は、何となく判ります。クレアツィオーネ様の精霊魔法も、親切に説明頂きましたが、人では使えぬものだと悟りました。しかし、目の前に新しい”力”があればお教え願いたいのです。なので、貴方様のあのお力をお教え願えませんでしょうか」
彼が真剣にそう訊ねてくるので、如何した物かと思いながら、訊ね返す。
「それを聞いて何を目指すのですか?」
すると我に即答で、
「何か一つでも都民の為になる、新しいものを作るヒントにしたいのです」
嘘のない心からの思いを、そう告げてきた。なので、
「あれは、この自然の力をイメージして、我個人の力で具現化するだけの物。なので我以外には出来ないでしょう。ですが、民のための新しいものが作りたいと仰いましたね?」
相手を窺うように、そう訊ねると、
「は、はい。左様です」
慌てて返事を返して来る。それに対して、考えを受け答えしていく。
「では、氷の魔道具は作れますか?」
「魔石に、氷魔法を使える者を呼び、込める事は出来ると思います。まだ他の火や水しか試したことはありませんが、そちらは無事出来ましたので」
「ならば、今回の事が済んだら、シールズのクレアツィオーネのところに、もう一度行くといいです。ギルドの中庭に保管庫を作ったのですが、それを小型化してさっき言った魔石を使えば、うむ、名付けるならば、アイスボックスという処かな。を作れると思います。食料や熱に弱いものを、長期保存できる優れものですよ」
「なんと、クレアツィオーネ様のところにですか。でも見せてもらえるのですかな?」
二人そう会話をしていると、心配そうに訊ねてくるので、
「我の名を、クレアに言えば大丈夫ですよ。我が作りだした物なので」
彼にそう答えると、
「それならば貴方様が作って売りだされれば儲かるのでは?」
我へのその問いに、
「それで儲けたいとは思いません。それよりもあなたの様に都民の為に、と頑張っている者にこそ役立ててほしいと思いますので」
エルガリオはその言葉を聞き、
「今回の事が終わったらシールズへと赴き、必ず民に役立つものを作って見せます」
皆に向け、そう熱く語るのだった。その後は、姉上の身長、腕の長さ、魔力量などを、専門家らしく丁寧に測っていき、
「お嬢様に相応しい炎の魔法が御しやすい杖を必ず用意させてもらいますぞ」
こちらに向け、そう気合をいれて言ってくるのだった。その彼に向け最後に、
「では城に出向く当日にお迎えに上がりますので、よろしくお願いします」
我がそう告げると、
「承りました。お待ちしております」
エルガリオのその返事を聞き、その店を出る。店の前に控えていたヴィタールは、
「この店の主人は腕は王都一なのですが、貴族たちにひどい目にあい、中々作りたがらなくなっているのですが、どうでした?」
心配そうに、そう訊ねてきたので、
「問題ありませんでしたよ、とてもいい方で、姉上に相応しい杖を用意します。と言って下さいましたよ」
平然とそう答えると、流石とばかりに、感心した面持ちで、
「やはりセオス様は違いますね。では、次へと参りましょう。皆様、馬車へどうぞ」
馬車のドアを開きながらそう告げて来るので、
「ありがとう御座います、ヴィタールさん、次は装備のお店にお願いします」
彼へとそう告げると、
「はい、かしこまりました」
こちらに向け、そう答え、皆が乗り終わったのを確認すると、また滑る様に馬車を走らせるのだった。
馬車の中で、我に向け、
「セオ君、装備のお店に行って何か買うの?」
姉上がそう聞いてくるので、
「カーネとフェールがお休みでお出掛けした時、ギルドに登録しましたので、これからも採取や狩りに出るならば、普段着の上に薄い皮のベスト位は装備しておいた方がいいかな、そう思いまして。我は魔法も使うので、離れた場所からでも攻撃出来るのですが、彼女達は近接タイプでしょうから」
皆に向け、そう答えると、カーネとフェールが揃って、
「あ、ありがとうです~わかだんなさま~」
嬉しそうにそう告げて来るのだった。それを聞いたルナールとネイエも、
「若旦那様、次のお休みには私達も登録をお願いできますか?」
勢いよく、聞いてくるので、
「はい、構いませんよ。個人では危険ですので、カーネとフェールにも紹介した、街の子達も紹介しますね。良い子達ですよ」
二人にそう言うと、聞いていたカーネとフェールも、
「うん、仲良くなった。良い人達」
「はい~、友達です~」
ルナールとネイエにそう話し掛けるのだった。で、
「なら、装備は皆の分、今日買い揃えましょう」
我がそう言うと、安心した嬉しそうな顔で、
「ありがとう御座います、若旦那様」
登録をまだしていない二人もそう言ってくるのだった。ここでまた例の、
「セオ君、そろそろ私も新しい装備が欲しいんだけど」
「セオス様、私も稀に街より出る事もあるのですが」
何時もの如く、そう言ってくるので、
「姉上とエリーナさんも、選んで下さいね。用心に越したことはないですから」
二人にも、そう告げると、馬車の中は話が盛り上がり、皆どんな物が置いてあるのか期待に胸を膨らませつつ、店に着くまでの時間を過ごしていくのだった。
まだ続くのです^-^;




