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都での滞在ーその17-

本日二話目です^-^

 馬車はそのまま快適に街の中を進んで行き、目的地である装備の店へと向かっている。途中ヴィタールが、


「並んで建っていますので問題ないのですが、最初は武器屋でしょうか? 防具屋でしょうか? 近くには魔道具屋もありますが」


 詳しい目的地を聞いてきたので、姉上の杖が今回の本来の目的なのですが、時間が余れば、装備も見てみたいなと考えつつも、この場合どっちなのだろうと、


「武器屋と魔道具屋、魔法使いが使うのに良い杖を売っているのはどちらなのでしょう?」


 ヴィタールにそう聞いてみると、少し考えたのち、


「それぞれの街の品揃えにもよると思いますが、この王都では杖だけなら魔道具屋の方が優秀なのではないか、とそう思います。武器屋の方は剣、槍も扱いますし杖も扱ってはいるでしょうが棍や錫杖、フレイルなどの打撃武器扱いの物を主流に扱ってるみたいなので、魔法を使う方が、威力を増すために使いたいというのであれば、魔道具屋の方が専門だと思います」


 こちらに、そう詳しく説明しつつ教えてくれたので、


「ありがとう御座います、ヴィタールさん。姉上の杖が今日の第一の目的なので、まずは魔法具屋の方にお願いします」


 馬車を操縦しているヴィタールへと目的地を告げると、


「かしこまりました、そちらに向かいましょう」


 我に向かいそう返事を返して来てくれるのだった。その後は辿り着くまで何事もなく、皆仲良く話をしながら馬車に揺られていたのだが、すぐに、


「皆様、到着致しました。此処がこの王都では良い品物が揃っている魔道具屋です、ですが・・・・まあ、入られれば判るでしょう」


 微妙な顔をしつつ、到着を告げ、店を紹介してくれた。ヴィタールの歯切れの悪さが気になりつつも、入ってみれば判るという事なので、


「ありがとう御座います、ヴィタールさん。入ってみます。皆、行きましょう」


 馬車を皆で降り、店のドアの前まで行くと、まず我がドアに手を掛けようとした時、


「マスターお待ちください」


 横よりシルフィーネが止めてきた。なので何かな? と思いつつ聞いてみると、


「ドアに魔力の形跡があります。触れられた方により何らかの変化があるタイプだと思います」


 心配そうな顔で、そう告げてきたので、


「大丈夫ですよ、シルフィーネ。我に魔力の判定は効かない様になっています。というか弱いといわれる方の微細な魔力すら、我にはないはずですから」


 笑顔でそう告げると、やっと納得したかのように、


「そうでした。マスターは使われる力の質が違うのでしたね」


 横より退き、後ろに控えつつ、そう言ってくれるのだった。そうした会話をした後、改めて店のドアに手を掛け開き、中へと入ると、不機嫌そうな老人が一人、店の奥の椅子に座っていた。なので、


「こんにちは、杖が欲しいので、此処の店の品を見せて欲しいのですが」


 そう声を掛けると、一睨みしつつ、


「誰が必要としているのかね」


 冷たい声でそう言ってくるので、姉上を紹介すると、そちらに目を向け、


「こちらのお嬢さんなら、まあうちの店の品を持たせてもいいかもな、そこの小僧は論外だな。魔力の魔の字も感じん。噂を聞きつけ大した実力もないのに、うちの店の道具を金に任せて買いあさるような奴はうんざりじゃからな」


 こちらに向け、そう言ってくる、すると、店にはいる時姿を消した魔力の塊であるシルフィーネが横に現れ、


「この痴れ者が、私の存在にすら気付けぬ若造が、誰に何を言っているのです。マスターに謝罪しなさい」


 突然そう告げるのだった。店主の老人は風の上位精霊になったシルフィーネに目を見張り、


「精霊様でしょうか? 申し訳ありません。最近無礼者が多くて。で、マスターとは?」


 頭を下げつつ、そう訊ねてくる。なので彼女は、


「やはり貴方はまだ人を見下せるようなレベルではありません。目の前にいらっしゃる方の実力すら判らないのですから。自分のレベルのみで相手を判断し続けると、そのうち痛い目をみますよ」


 店主に向けそう言いつつ、


「マスター少しお力をお見せ下さい。この者の後学の為に」


 我に向け、そう頼んでくるのだった。なので、最小規模のボール位の大きさで、


「神炎」「神氷」「神壁」「神嵐」「神雷」「神輝」「神闇」「神空」


 聞こえぬ声でそう呟き、次々と周りにこの世の”力”を顕現させていく。その浮かべられている物の、大きさとは反比例するような、凄まじき力に恐れ戦き、店主は頭を下げつつ、


「も、申し訳ございません、平に、平にご容赦を」


 これ以上ないと言う位にあやまってきたので、


「もう謝罪は受け取りましたので、如何か頭をお上げください」


 我がそう話しかけると、恐縮しつつも顔をあげてこちらを見つつ、話をしようと、


「皆様、申し訳ありませんでした。どうぞ此方へ」


 皆の方にも非礼を詫びつつ店の奥の皆の座れる様なソファーへと案内されるのだった。

読んでくださってありがとですです。

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