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都での滞在ーその9-

本日二話目^-^

 新鮮な果物のジュースを出すお店を見つけ、皆で飲み物の味を選び、、飲みながら、どれがどんな味だったなどと教え合いつつ、次は何を見ようかと話し、辺りの店へと視線を送る。都の中でも、ここら辺は比較的裕福な者達が暮らす場所らしく、きちんと身なりを整えた人達が、それを相手にするようなお店が立ち並ぶ場所で買い物を楽しんでいる、そんな感じの場所であった。通りの真ん中を貴族の馬車が通る為、両端を歩いても十分通れるように、道幅はかなり広く作られていた。そんな場所で店巡りをしていると、獣人族である女の子達は慣れない為か、結構キョロキョロと辺りを気にしつつ歩いているのだった。そんな様子も楽しく思え注意などせず進んでいると、ひと際豪華な馬車が通り掛かった。なので通行の邪魔になってはいけないと、ちょこちょこと動き回っていた、カーネとフェールを引き寄せると、目の前でその馬車が止まる。何事かと思い様子を窺っていると、馬車より、


「セオス様、ごきげんよう」


 こちらに向け、恥ずかしそうな笑顔を向けつつ、マリカが降りて来るのであった。なので、


「ごきげんよう、マリカ。なぜ街の方に?」


 疑問に思い、そう訊ねると、


「父上が、普段は離れていて会えないので、セオス様が都に居る間は、傍に居て親睦を深めて来なさい。と、宿の場所を教えて頂いたのですが、尋ねてみたらお留守でしたが、領主様がこちらだと教えてくださいましたので来てみました」


 会えたことが嬉しそうに、そう話しかけてくるので、


「そうでしたか・・・・」


 彼女へとそう答えていると、会話の途中、


「セオ君、そ、その子は、だ、だれなの?」

「若旦那様、王都にお知り合いが、もういらっしゃるのですか?」

「わかだんなさま~どなたですか~」

「セオス様、もしや・・・・」


 うちの女の子達より、質問の声が一度に届く。その様子を見ていたマリカも、連れている女性の多さに、


「セオス様、お連れになっている方々は?」


 先程の嬉しそうな表情から一転、暗い表情に変わり、聞いてくるので、お互いへと、


「マリカ、こっちに居るのが、我の姉上と屋敷で働いてくれている女の子達です。今回皆で一緒に上京しましたので、初めて訪れた王都を観光してました。姉上、皆、こちらが王女のマリカ様です。王に会いに行ったとき、今回正式に許嫁として紹介された方です。お互い仲良くしていただけると嬉しいです」


 皆に向け、そう紹介すると、


「お姉さまと、お屋敷の方々だったのですか」


 ほっとした表情になったマリカが話し掛けると、


「こ、この子がマリカ様なの? セオ君」


 姉上が確認の為、もう一度聞き返し、


「母がお世話になっております」


 突然、そうエリーナが挨拶すると、


「王女様なのですか~」

「若旦那様の許嫁様なのですか?」


 女の子達からも声が掛かる。なので、このまま道で立ち話も何だなと、そう思い、


「皆さん、お互いゆっくりどこかで落ち着いて、お話ししましょう」


 皆に向けそう話しかけると、マリカが、


「ならばお任せ下さい。皆さま馬車へとお乗りください」


 女の子達にそう話し掛けつつ、


「馬車の操者に、街に詳しい者を付けて頂いておりますので、どこでも案内出来ると思います」


 我にそう説明してくれるのだった。なので、ここは素直に甘えておこうと、


「マリカ、甘えさせてもらいます。此処で立ち話を続けるのも何なので、皆で参りましょう」


 皆に向けそう言って、馬車へと乗せてもらい、ゆっくりと話せるような場所へと案内してもらえるよう、頼むのだった。すると、マリカの悪戯心か、馬車に揺られ辿り着き降ろされたのが、


「マリカ、ここはお城にみえるのですが?」


 彼女にそう話しかけると、成功した、と言わんばかりの笑顔で、


「はい、こちらの王家用の中庭などは、誰も入ってこないので、ゆっくり寛ぎつつ、美味しいお茶でも頂きながら、皆でお話しできますよ」


 皆に向け、そう説明してきているのだった。が、獣人の女の子達は初めて見たお城に、会話が耳に入らない状態らしく、


「わ、若旦那様~、お、大きな建物なのですよ~」

「お城ですよ、若旦那様、ど、どうすれば」

「わ、わたしたち、は、入ってもよろしいのでしょうか?」


 かなり舞い上がり、挙動不審になりつつあるのだった。姉上は、


「セオ君の許嫁というのなら、ちゃんとお話ししとかないとね」


 何故かやる気満々という感じでそばにいるし、


「久しぶりに会えるかもしれませんね、母に」


 照れくさそうに、そう言ってきたエリーナさんが注意深く辺りを確認しているのだった。なので、取り敢えずは、と、


「マリカ、続けて甘えますので、落ち着ける場所に案内をお願いしますね」


 笑顔で、そう頼み込むと、


「は、はい、セオス様」


 慌てたように、城の者へと声を掛けつつ、案内を開始してくれるのだった。

お出掛けしていたので、普段より遅くなってしまいました;-;

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