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都での滞在ーその1-

本日二話目です^-^

 準備と言ってもそれ程する事もなく、まだ子供である為、貴族の様な服装がいるわけでもなく、身だしなみを整える程度で済むのだ。ついでに以前創っておいたマリカとエレオノーラへのプレゼントを忘れずに持って行く事で準備は終わり、


「ドルムスさん、準備と言ってもこの普段着位しか衣装もないですし、何か他に用意すべき物はあるのでしょうか?」


 城へは初めて行く為に勝手が判らないので、取り敢えず素直に聞いてみる事にした。すると、


「いえ、王からは身一つで十分なのでお出で下さい、との事ですので、用意するような物はないかと」


 別段特別な事は必要無いとの返事が返ってくるのだった。なので、


「では、余りお待たせするのも何なので、行くとしましょうか。では父上、母上、皆、行ってきますね」


 家族へといつもの様に気軽に言うと、


「初めて王に会われるというのに、緊張も何もないのですね。と、そうですね、参りましょう」


 気負いのないこちらの様子に感嘆の言葉を述べた後、城へと向かう事にして宿を後にするのだった。その宿は高級と言うだけあり城と貴族街の近くに立っていた為、道行く人も良い身なりの者が多く、問題も起こる事なくすぐに辿り着くのだった。そして門へと辿り着くと門兵に、


「王により招待されているお客人をお連れした。すぐに通す様に」


 客人をつれてきた、そう言うと、ドルムスの事を知っている兵なのか、


「お、お疲れさまです、ドルムス様。それでお連れの方とは?」


 確認の為、辺りを見回しつつ聞いてきた。それを見て、


「こちらにいらっしゃるだろう、セオス様だ」


 兵士に向けこちらを指しつつ紹介すると、訝し気に冗談でも聞いた後かのように笑いながら、


「貴族の子供を連れて城見学の案内をされに来られたのかと思えば、ドルムス様でもそのようなご冗談をおっしゃるのですね」


 笑いながら話し掛けて来ていた。それを聞いたドルムスは慌てて訂正させようと、怒り気味の顔になり、怒鳴ろうとしたところで、門の中より聞いたことのある声が、


「早く開けてください、お待たせしてはいけません」


 内に居る兵へと凛として命じつつ、門が少しずつ開きこちらの顔を確認すると、飛びつかんばかりに、


「セオス様、お久しぶりです。お待ちしておりましたよ」


 いきなり抱き着いてきた人に、


「エレオノーラさん、お久しぶりですね」


 久しぶりの再会に満面の笑顔で答えつつ話し掛けると、


「あんなに小さかったのに、やはりちゃんと覚えておいでなのですね。エレオノーラで結構ですよ、セオス様」


 普段城の神殿より出ないエレオノーラ自らが出迎えに来てくれていたのだった。その様子を見ていた門兵は、さっきの紹介が冗談でなかった事に気付き、青くなりつつ、


「ドルムス様、もしや本当に?」


 恐る恐るそう訊ねと、怒る気の失せたドルムスは、


「こちらが王より招待されておられるセオス様だ。顔を忘れる事の無いようにな」


 ドルムスより呆れられつつそう告げられ、


「も、申し訳ありませんでした」


 非礼を詫びる言葉を言い、最敬礼し、その場を退き中へと丁寧に通してくれたのだった。その後は城内を前にドルムスが立ち、横にはエレオノーラが並び歩いてくれているので、周りからの奇異な者を見る様な視線は感じるものの、特別止められるようなこともなく歩いて行くと、謁見の間ではなく、食堂の様な所に通されるのだった。中に入ると既に王家の家族と思われる者達が五名席についていたのだが、こちらが中に入るなり立ち上がり、


「ドルムス、ご苦労だった。下がってくれ。エレオノーラ様は、ご一緒なさいますか?」


 訊ねる様な王の言葉に、


「ええ、是非。セオス様のお隣で」


 素直にそう返事をしてくるのだった。で、その部屋に王家の者とエレオノーラしかいなくなると、マテウス王は、


「さあ、どうぞそちらのお席へセオス様」


 促す様にそう言ってきた。なので、


「マテウス王よ、アウラニースが要らぬことを告げた為このような事になったのだろうが、この国に父上、母上の子として、生まれて来ている間は、そのような気遣いは無用ですよ。普通にして頂いて結構です。」


 王に対しそう告げると、


「い、いや、しかし・・・・」


 戸惑いながら、如何すべきか悩んでいる様子の王に、


「人がいる前では当然我が気を使いますので、普通の臣下の子供に接する様に扱って下さい。この国の今の現状はとても良い状態だと思いますので、他の貴族たちが動揺などしないように」


 気遣うようにそう言うと、


「貴方様がそれでよろしいと仰っていただけるのであれば、他の貴族の前ではそうして頂けるとこちらとしては大変助かります。ですが、誰もいないときは、やはり敬意をもっておきたいと思いますので、この話し方を許して頂ければ、と」


 確認をとるかのように言ってくる。なので、


「それは個人の認識しだいなので、それぞれにお任せします。なのでくれぐれも子供達に強要などしないようにお願いしますね」


 笑顔を向けつつそう言うと、マテウス王は、


「はい、承りました」


 肯定の返事をすぐに返し、その後、


「では、決まり事などの固い話はここまでにして、後は皆で食事などしつつ、お話ししましょう」


 話題を変えようとそう言ってきたので、


「はい。我が家でも食事は楽しく行っているので、そうしましょう」


 笑顔で、王家の皆に話し掛けるのだった。

お城での会食はあと一話?続きそうです^-^;

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