王都へ向かおう!ーその14-
本日の一話目です^-^
村での宿泊の間に馬車での停泊を挟みつつ、あと一日位で王都に着くかなと言う場所まで辿り着くと、王都の方より騎馬が一騎駆けて来た。警戒したアルフォンスが馬を走らせそちらに向かうと、向こうも速度を落とし、それを待ち、しばらく話をしている様だったのだが、こちらに向け二人並んで馬を歩ませ進んできた。そして、幌馬車まで辿り着くと、エルネストへと声を掛け馬車を止めてもらい、
「カイン様、紹介します。王家の近衛部隊の兵士の一人で、元同僚のドルムスと言います。言伝を持ってきたとの事です」
アルフォンスからの紹介の会話の後に、ドルムスと言われた男が、
「お初にお目にかかります、近衛隊長イアン様の部隊の兵士でドルムスと申します。このたびはカイン様及び、アルギュロス家の方々に言伝を王より預かりまかりこしました」
こちらに向かい、そう告げてきた。なので父上は、
「あと一日もあれば王都に着きますし、拝礼の式典までは、あと数日はあると思うのですが、まさか期日を間違えて遅くなっていたのでしょうか?」
ドルムスへ、そう訊ねると、
「いえ、けっしてそのような事は御座いません。しかしながら王が、その貴族が城へと集まる拝礼の儀式の前にぜひ一度、この度お披露目をされるマリカ様の許嫁であられるセオス様に事前にお目道理をという事で、期日ぎりぎりではそれが叶わなくなりますので、ご家族一同出来得るなら今日のうちにでも、こちらが用意した宿に入って頂きたいとお伝えして来る様に、と託かって参りました」
王からの言伝の言葉に、返す様にカインが、
「急げばまあ、今日中には王都に行けるとは思うのですが、どうだろう、エルネスト、アルフォンス?」
傍に居る二人にそう訊ねると、
「はい此処からならば少し急げば十分本日中に王都へと辿り着けると思いますが王都に入る際の手続きなどは?」
エルネストがそう訊ねると、
「王直々に許可証を頂いて来ているので簡単に済むかと」
彼がそう答えてきたのに対し、一番肝心な質問をカインが口にする。
「で、今回お目道理に呼ばれているのは、もしかして息子のセオスだけなのでしょうか?」
ドルムスへの問いに、
「はい、何でも拝礼の時の紹介を如何するかを聞いて、決めておきたいとの事で、出来れば内密にとの事でしたので、お一人が好ましいかと」
カイン達にそう告げつつも、
「小さな息子様をお一人でお城へと行かせるのが心配なのは判りますが・・・・」
皆へとそう言い掛けて、皆の視線がそうではないと訴えていたので、疑問符を頭に浮かべつつ様子を見ると、
「坊ちゃん、気に入らない事があっても城ごと吹き飛ばすなんてことは、しませんよね?」
アルフォンスがそう物騒な事を聞いてみたりとか、アイシャの、
「可愛い子が居たからと、メイドにと雇ったりはしないわよね、セオ君」
5歳の子供に掛ける言葉ではない事を次々と皆で言い出すので、首を傾げつつどういうことだ? そう思いつつも、
「城までの道中は私が護衛しますので、心配は要りません」
皆に安心して貰う為、ドルムスがそう告げると、
「王都内でセオス様が絡まれる事の無いようお願いします。絡まれた時は、相手と周囲の無事を保証できませんので」
と、一番真面目そうなエルネストまで真剣な顔をして言い出したので、不安になりつつ話題の張本人を見てみると、何も問題がないような涼しい顔をした子供が、
「我の様な大人しい子供に、皆さん言い過ぎなのでは?」
可愛く首を傾げつつそう告げる様子に、そうだな、と納得しつつ頷いていると、
「若旦那様・・・・普段の行いを覚えていないのですか?」
「平気でそのような事をおっしゃられるとは、さすがセオス様です」
メイド部隊からまで遺憾の声が上がり出すと、さすがに安心できるような気持ちはすぐに無くなり、皆の忠告を聞く事にし、
「周りの者達に十分注意するよう心掛けますので」
皆に向け、そう話し掛けるのであった。皆何とかその言葉で納得しつつ、会話も進み、取り敢えず王都への道程を急ぐことにし、幌馬車内での、
「我は普段、皆にそんなに言われるほど酷い事はしていないと思うのですが?」
一人そう言う言葉を、皆がスルーしつつ進んで行ったのは、言うまでもない事であったのだった。そこから先はアルフォンスとドルムスとが二人で先陣を駆けつつ、エルネストとエリーナさんがそれぞれ馬車を操縦しその後を追う形で順調に進んで行った。予定通り夕刻には街門の前へと辿り着くと、大きな入り口を持つ兵が控える方の門ではなく緊急用みたいな門へと案内されると、ドルムスが門兵に向け、
「このお方たちを、すぐにでも通す様にと王よりの許可証を頂いている。速やかに手続きを行うように」
ドルムスのその言葉に、本当に慌てながら門兵たちが手続きを済ませていくのだった。そして丁寧に中へと通されると、
「ようこそ王都エスターレへ」
兵にそう声を掛けられ王都への旅がようやく終わったのだと、皆実感するのだった。で、自分たちが泊まる宿へと向かおうとしたところ、ドルムスより、
「アルギュロス家の方には、こちらで宿の手配をしておりますので、エルネスト様が手配されていた宿にはキャンセルを告げてあります。なので、どうぞこちらへ」
街一番であろう豪華な宿へと案内され、
「あの~、手配していただき誠に申し訳ないのですが、この様なところに泊まれるほど我が家は格がありませんので、出来れば我が家で予約していた安いとこにして頂ければ、と」
カインがそう申し出ると、
「宿泊費などもこちらで既にお支払いが済んでおりますので、キャンセルするのは勿体ないので、どうぞご宿泊を」
改めてそう勧められ、断れそうもない事に気付き、
「では、有り難く泊まらせて頂く事にします」
ドルムスへと告げて、宿に入る事になったのだった。その豪華な宿を見つつ、獣人の子供達などは、
「領主様邸だけでも凄いと思っていましたが、こんな所に泊まれるなんて」
周りをみつつ、驚愕したような表情を浮かべ、キョロキョロとし続けているのだった。その後、部屋へと案内され皆一旦くつろぐ事になると、我にのみ、
「セオス様には城の方にお出で頂きたいとの言伝が御座いますのでご準備を」
我にだけ、そう言われ、辿り着いたばかりなのにと思いつつも、皆の喜ぶ顔を見つつ、これだけの待遇を皆の為に用意してくれているのだし、まぁ仕方ないな。と考えながら準備を済ませるのだった。
二話目は夜にの予定ですです^-^




