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お買い物にいこうーその11-

うにゅ、遅くなりましたです。^-^;

 翌朝エリーナさんに起こされ、ベットの上で伸びをする。起こしてくれたエリーナさんを見れば綺麗に身支度を整えているので、既に一度部屋から出て、支度を済ませてから、また起こしに来てくれた様だ。


 うむ、横で寝ていたならば、起こしてから行けば二度手間にならないのに。まぁ給仕をしている人達の朝は早いから、気を遣ってくれたのでしょうね。などと考え、我自身も素早く身支度を整えると、食堂へと向かう。そして全員が揃うのを待つ事暫し、最後の一人<予想通り>の姉上が、


「今日が楽しみでなかなか寝付けなくって」


 照れながら、そう言い訳しつつ入って来るのだった。で、皆で食事を済ませ、今日の予定のお出掛けに行こうと三人揃い、父上母上に挨拶をして屋敷を後にする。で、他の子達の時同様歩いて向かうのだが、違う事が一つ、それは、


「ね、ね、セオ君。あそこのお店のお菓子美味しよ。買っていこうよ」

「セオス様、あそこのお店の小道具は安い割にいつも良い物が揃ってますよ」


 二人の方が街に詳しい為、こっちが連れまわされる番だった。でも、まあそれも良いかもと、案内されるお店に片っ端から寄っていくと、二人の行きつけのお店ばかりなのか入った瞬間店主がやって来る。で、


「ようこそいらっしゃいました、お嬢様」

「エリーナさん、いらっしゃいませ」


 来客した途端、二人に向け、皆頭を下げて来るのだった。まあ領主の娘と、その屋敷のメイド長だから仕方ないかと思いながら見ていると、姉上からは、腕を取られ、エリーナさんからは手を添えられ、店の店主達に口々に、


「この子が私の弟のセオ君、可愛いでしょう」

「この方が、領主様の御息子でセオス様です。今後お見知りおきを」


 各店の店主へと、そう告げられ、こっちまで頭を下げられだした。なので、


 うむ、我はこういうのは勘弁して欲しいのですが。などと考えながらも、まあ今日は二人に付き合うか、と笑顔で挨拶に答えていくのだった。その後も色々な所を巡り、途中途中では、他の子達を連れて行った、雑貨屋や鍛冶屋、衣服屋も行き、それぞれの店でまた姉上とエリーナさんを紹介するのだった。だが今回は姉上とメイド長というと何故か騒がしくもなく、自然と最初から仲良くしてくれていた。で、それぞれのお店で色々な物を買い当然我が支払いをした。


 これで、今度こそリーシャに届ける事以外で、今出来る事で忘れてる事はないだろうな? などと考えながら二人と歩いていると、


 そうです、最後の締めにはあの露店に行かなければ。と思い、二人が今日の予定の買い物を済ますまで待ち、満足した頃合いに、


「二人ともちょっと付き合ってください」


 といつもの串焼き屋の露店に向かう。いまやお嬢様状態の姉上と屋敷のメイド長が買い食いなどしないだろうから、行った事はないだろうな、と期待を込めて案内した。案の定、露店につくと、


「お、坊主。ほんと最近よく来てくれるな。それも今日は別嬪さんを二人も連れてか」


 こちらに向けての店主の、特に別嬪と言う言葉に、一瞬”ピクリ”と反応を示すが、その後何事もなかった様に、笑顔で、


「うちの弟のセオ君がいつもお世話になっています」

「私が使えるお屋敷の御子息がいつもお世話に」


 二人して、そう返事を返していた。なので店主は知らず、


「お、坊主。いいとこの子だったのか? 野兎売りに来たんで街の子かと思ってたぞ」


 我へとそう言ってきたので、


「いえ、大した家では・・・・」


 身の上などは言う必要はないと、そう言い掛けたところで、


「領主様の御子息でセオス様です」


 自信満々にエリーナさんが言ってきた。


 まぁ、父上の善政に自信があるからなのでしょうが・・・・などと思いつつも、店主を見ると、


「す、すまねぇ~、そんな偉い人だとは思わなかったもんで」


 話を聞き、突然恐縮しだしたので、


「いえ、偉いのは父上だけですので、今まで通りで結構です。そうして戴いた方が嬉しいので。それにギルドで依頼を受けたら、また野兎も売りに来ますので」


 店主へと、そう声を掛けると、


「ほんとに、それでいいのか、坊主?」


 念を押し、聞いてきたので、

 

「ええ、構いませんよ。それと遅くなりましたが、取り敢えず三本お願いしますね」


 笑顔でそう言うと、慌てて、


「おう、そうだったな。すぐだから待っててくれ」


 慌てて焼き始めてくれた。で、焼けてから渡された串焼きはやはり美味しく、姉上はもう一本頼んでいた。なので、あと二本追加し、父上と母上にも食べさせようと持ち帰る事にした。で、その後は何時もの如く、両手を差し出し、手を繋ぎ屋敷へと帰るのだった。帰り着き串焼きを渡すと、父上、母上は懐かしそうに、領主になる前は偶に食べたわね、と楽しそうに話していたのだった。夕食時はさらに大変で、メイドの子達から聞いていた各店の女の子達の事を見てきて、店の雰囲気も含めて感想を言い合っていた。で、その日はそれでお開きとなり、部屋へと戻り休むことに。で、翌日朝起きると、いつも通り食事をして、家族にお出掛けの挨拶をして、屋敷を後にし、ギルドへと向かう。で、辿り着き中へと入り見回すと、


 ほんとに、本当に休みはないのか、ヴィオラお姉さん? と、定位置に座る受付嬢を眺め、そう考えながら、


「おはよう御座います、ヴィオラお姉さん」


 彼女にそう挨拶すると、


「おはよう御座います、セオス君。今日は依頼ですか?」


 要件を訊ねてきたので、


「いえ、マスターはいますか?」


 所在を確認する為、聞き返すと、


「いらっしゃいますが、お会いに?」


 執務室へと向かうのか、聞き返され、


「はい、良ければ案内がてら付いて来ていただければ」


 彼女へとそう答えると、


「通してよいと言われてますので、もう案内は要らないと思うのですが、私にも用事が?」


 察しがよく、そう言われたので、


「はい、そんなとこです」


 素直にそう答えておいた。で、マスターの執務室にたどり着き、何時もの如く軽くノックをし、


「クレアさん、今大丈夫ですか?」


 部屋の中へと、そう声を掛けると、


「はい、セオス様どうぞ」


 時間はある、との返事が。で、ヴィオラさんも連れて中へと入り、クレアがヴィオラを戻す前に、


「いつもお世話になっているお二人に、感謝の贈り物を持ってきましたので受け取ってください」


 事前に創っておいたブローチを二人へと渡した。またも鑑定癖か、ヴィオラさんが目を丸くし、クレアも感極まって、


「セオス様、こんなに良い物を・・ありがとう御座います」

「セオス君、こ、こんな凄い物をまた平然と持ってきて・・大丈夫なの、私がもらっても?」


 二人がそれぞれ言ってきたので、


「はい、普段お世話になっている我のお礼の気持ちですので受け取ってもらえると嬉しいです」


 笑顔で二人に話しかけつつも、


「あと、もう一か所行くべき所がありますので、今度ゆっくりまた話に来ますね」


 彼女に向けそう言うと、クレアは、


「はい、是非に。お待ちしております」


 我にそう答え、ヴィオラは、


「話だけではなくて、依頼もお願いしますね」


 冗談も含めて、そう答えてくれた。その後は、ギルドを出た後、東門より街を出て、人目につかぬ様道のはずれへと行き、神力で加速しつつメルゼールへと向かう。街が見えそうな場所まで辿り着くと加速を止め、街道へと戻り普通に歩いて門へと向かった。で、ここでもいつもの門番に会い、


「お、今日もお使いかい? 頑張ってるな」


 声を掛けられ、それに愛想よく返事を返しつつ街中へと入り、領主邸へと向かった。辿り着くと私兵に話し掛け、面会を頼むと、教育の結果か断られることもなく、聞いて来るので待ってほしいと言われ待っていると、


「すぐに会うそうなので、お通り下さい」


 聞きに行った兵より、そう答えられた。その後は領主より楽しみにしていたリーシャの話の方が長く、夕方になるまで最近起きた事や、習い事で覚えたことなどを聞かせてくれた。で、そろそろという時間になり、


「リーシャさんに、我からのプレゼントです」


 彼女にそう言って、ブローチを渡し、


「あ、ありがとう、セオス君」


 また真っ赤になりながら貰った物を大事そうに持っているリーシャとそれを見ていたディロスに、


「では、また今度遊びに来ますので、今日はこれで」


 別れの挨拶をそう言って済ませ、夕食にまにあう様、我が屋敷へと戻るのであった。

今回でお買い物終わる様纏めてたら普段の倍くらいになりましたです^-^;

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