街に出ようーその13-
そろそろ・・・・
街往く巡回兵に場所を訪ね、街の中心にあり、ひと際大きな領主の屋敷を教えてもらうと、すぐにその場所へと向かう。立派な門構えのその屋敷の門には、警備の為の私兵が、武装した状態で立っていた。目の前まで行き怪訝な顔をする私兵に、
「あの~すいません、領主様に会いに来たのですが、通してもらえますか?」
前置きなどなく、いきなりそう声を掛けると、
「なんだ、小僧。ここはお前のような者が来る所ではない。海賊達との戦時中の為、部屋の窓にまだ明かりがあるところから起きてはいらっしゃる様だが、大事な来客か要件以外は夜間は通さぬ様、言い使っているんでな。本当に会わなくてはいけないような要件ならお前のような小僧の使いではなく、本人を寄越すことだな」
相手をしようとせず、こっちを威圧する様に言い放ってきた。なので、
「我があなたの目にどう映っているかは知りませんが、通しておかないと後で後悔する事になりますよ」
もう一度、そう話しかけると、気に障ったのか尚更声を大きくして、
「お前のような馬鹿な事を言う様な奴らを通さないために俺が雇われてるんだ。なんで後悔する必要があるんだ?」
怒りを顔に出しながら、早く追い返そうと躍起になってくる。身分で人と会話するのは好きではないのだが、しかたなしと、
「我は、セオス・アルギュロス、隣の街シールズの領主カイン・アルギュロスの息子ですが、やはりここは通せませんか?」
私兵に向け、シールズの街の領主の家族を証明するカードを見せながら話しかけると、
「なっ、それならそうと最初に言っていただかねば・・・・」
こちらに向かい、言い訳をするようにそう言っているので、
「まずは追い返そうとせず、我の話位聞いて欲しかったところですね」
相手を問いただすように言うと、慌てて、
「すっ、すいません。面会可能か中の者に聞いて参りますので暫しお待ちを」
慌てつつ、そう言って急いで屋敷へと駆けていった。暫くたって戻ってくると後ろを付いてきた執事風の初老の男が礼をしながら、
「お初にお目にかかります、メルゼールの領主ディロス様に使える執事でグラウスと申します。門兵が失礼を申したそうですが、戦時下の為、皆気を張っております故、今回はお許し下さいますようお願い申し上げます」
礼を執りつつ、そう丁寧に挨拶してもらったので、こちらも、
「セオス・アルギュロスと申します。突然夜更けに尋ねたこちらにも非はありますので、お気になさらずに。ただ、今後街民であっても一応話ぐらいは聞いてくれるような対応をして頂けると助かります」
笑顔で相手に向かい、そう対応すると、
「承りました。きちんと領主と話し対応させてもらいます。さあ、立ち話ではなんですので、どうぞ屋敷の方へ」
こちらに向け言葉を掛けると、先に立ち案内してくれるので、
「ありがとうございます、お邪魔させていただきます」
執事にそう答え、後をついて行き、屋敷の中へと入って行った。玄関をくぐり、屋敷に入ってからも、そのまま案内を続けてくれ、ある部屋の前まで来ると、
「こちらがディロス・メルゼール様の執務室になります」
こちらに向き直り、そう言いながら、その後ドアを軽くノックすると、
「ディロス様案内して参りました」
中の者へと声を掛ける。すると中より、
「お通ししてくれ」
部屋の外へと、そう声が掛かった。なのでグラウスはドアに手を掛け引き開き、ドアの横に控えたまま、
「どうぞ中へお進みください」
礼儀良く頭を下げると、我を中へと進ませてくれた。通された先、目の前を見ると其処には、思慮深かそうな瞳でこちらを観察している、中年の男が立っていた。その男に向かいこちらより、
「お初にお目にかかります、シールズの街の領主カイン・アルギュロスが息子、セオスと申します。お見知りおきを」
目の前の男にそう話しかけると、思慮を止めたかのような笑顔に変わり、
「丁寧な挨拶、痛み入る。港街メルゼールの領主ディロスと申す。こちらこそよろしく神童君」
我に向けそう言ってきた。聞きなれぬ言葉が入っていたので、
「うむ? 神童? ですか?」
何故そう呼ばれるのか訊ねると、尚更笑顔になり、
「この港街は交易が主流でね、それで繁栄していこうと思えば、周辺の情報収集は必要不可欠なんだ。で、間に小さな村はあるものの隣街と呼べるのはシールズなのだが、五年ちょい前に領主が変わり、それ以来いい噂しか聞かなくなってね。街も発展しているようだし、色々話を聞いてみたんだが、中でも凄い噂が、才能を天より貰った子供をよく神童と例えるんだが、シールズの街の新しい領主の息子は本物の神の童だと皆がそう噂しているそうなんだ。なので本格的に調べてみれば、嘘としか思えないような事実が、・・ジャイアント・オーガしかり、盗賊しかり、オークの集団しかり、とゴロゴロ出て来てね。まあこれを他の街の領主が調べて聞いてみても、作り話と信用はしないと思うがね」
噂を調べたと答えてきた。なので、
「ふむ? そこまで調べてあるのですか。流石としか言いようがありませんね」
領主との今後の会話をスムーズに進める為、肯定しておくと、
「この話を聞いても、動揺も何もないところを見るとやはり事実の様ですが、そのセオス君、でいいかな? は、今日は何の用だったのかな?」
訪問の理由は? との問いかけに、
「いや、この街の問題を解決しようと思いまして」
真顔で平然と答えるのだった。
頑張ってすすめますです^-^;




