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街に出ようーその12-

・・・・・あうあう、皆さま次を読みたいでしょうが、まだ宿だと・・いう・・落ち^-^;

 サルトさんとプレアさんが調べてくれた話によると、こういうことであった。


 港町メルゼールはその名の通り、港町として他所の国との交易により、街を繁栄させていっていたのだが、それに比例するように交易船を狙う海賊たちも増えていった。長い歴史の中、この街の領主はいたちごっこで、海兵の数を増やし対処していたのだが、海兵をあまり増やしすぎると、それも税として街に負担が大きくなってくることから、海路と日取りを決め、その往復路を護衛する形にし、巡回船を減らすという事を、今代のメルゼール領主が始めたのだが、殊の外最初はうまくいき、襲ってくる海賊たちを撃退する事が出来ていたのだが、小さな海賊たちの集団は、自分たちだけでは海兵に勝てなくなると、寄り集まり離れの孤島に拠点を構えるほどの、大海賊団になったそうだ。その上、その海賊団の頭についたものが今までと違い、交易船の往復路と時間を街に潜り込ませた仲間に徹底的に調べさせ、一番効率の良い船だけを襲うようにしてきたそうなのだ。そうなると最初とは違い街の被害も段々とまた増えていった。なので起死回生と領主側も向こうの出方を徹底的に調べ、襲われる船を交易船のふりをした海兵だけを乗り込ませた船と交換し、いつもの護衛船と航海させると、案の定海戦となったのだが、今回海賊側は交易船が大型の物と聞いていた為か力を入れて来ていたらしく、頭の弟が指揮をとっていたそうだ。だが領主側の二艘の船に乗り込んでいた海兵には勝てず、弟共々壊滅、街側は勝利を喜んだが海賊側、特に海賊頭は怒り狂い、報復を開始した。で、手始めにと、調べるために街に潜らせていた手下どもに火を付けさせた。


 調べてもらった、今回の事件はこういう事らしい。その報告を聞いた我は、


「うむ、相変わらず賊という馬鹿者共は、自分勝手なのですね~。自分たちは人を襲っているのに、自分達がやられたら怒り狂うとは、考えが馬鹿らしくて理解できませんね」


 独り言のように冷ややかな声でそう呟くと、それを聞いていたサルトは、


「で、君は今回の件を解決するとエミリア達に言っていたと手紙には書いてあったが、領主ですら見つけ出せない街に潜む者をどうやって見つける積りなのだい? それが出来ないと街の門は開放されないが」


 疑問に思う事を素直に聞いてくる、するとプレアもこちらの顔を覗き込みながら、


「あの~、君みたいな子供に、そんなことが本当にできるの? お姉ちゃんに言っただけ、とか?」


 父親同様、もう一度確認する様に、疑わしそうに聞いてきた。なので、


「うむ? 街に潜む者なんて、我は見つけ出さないよ」


 そう言うと、今度は呆れ顔で、


「は? ではどうやって今回の件を解決すると言うんだい?」

「やっぱり、嘘なんでしょ」


 親子二人してそう言ってきたので、


「うむ? 我はそんなまどろっこしい事はせず、その孤島の拠点とかいう処に行き、一網打尽にして来ますよ。それを領主と海兵に引き渡せば後は勝手に調べてくれると思いますよ」


 笑顔で二人にそう話し掛けると、呆れ顔だったのが、間の抜けた顔に代わり、


「は? その拠点というのは、海賊たちの巣窟で、個別になる海の上ならいざ知らず、集団の拠点でなら海兵でも手が出せず、そのままになっている場所だというのに」


 サルトが呆れつつそう言い、プレアも、


「そんな出来ないことを言わないで」


 怒った顔で続けて言ってきた。なので、


「信じる信じないは自由なのでしょうが、先ほどの手紙の件も信じたからこそ連絡しあえたのでは? もう一度我を信じてみてもいいのでは?」


 二人に向け、そう優しく笑顔で話しかけると、


「そうでしたね。君は不可能だという事を、事実可能にしてみせていたのでしたね」

「そうっ、そうだったわね、ごめんなさい。早くシールズの街に帰りたくて気が立っていたみたい」


 二人して言い直して、気持ちを落ち着かせようとしたところで、更に、


「では、ちょっと、此処の領主に会い海賊討伐の予定を組んで来ましょうかね」


 追い打ちをかける様に、二人へと我が言うと、驚き疲れた顔で、

 

「いや、君が言うのだから何とかなる事なんだろうが・・・・本当に君の言う事は普通の人が言う常識というものと、かけ離れすぎているよ」


 話を聞いた後、そう呟くサルトに同意することしかできないプレアも、


「すごく可愛い顔をしているのも普通じゃないのに、することはもっと普通じゃないのね」


 二人、とても疲れたような顔で言ってきた言葉に、


 うむ? 喋る言葉遣いを直してだいぶ普通になったと思っていたのに、違うのかな?と考えながら、誤魔化す様に、


「我もシールズで早く服を皆さんに作ってもらいたいですので、ちょっと頑張ってきますね」


 見送りをしながら頭を下げる二人に、笑顔で手を振り、そう声を掛けつつ、部屋を出て領主の館に向かうのだった。

やっと話を先へ・・向かわせたいですね^-^;

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