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街に出ようーその11-

・・・・まとめるの下手ですね^-^;

 シールズの街までひた走り、出た時同様見つからぬ様、人気のない場所の街壁を飛び越え、人通りの少ない通路を足早に、衣服屋へと舞い戻る。今度はドアを開けながら、


「戻りました、誰かいらっしゃいますか?」


 店の中を覗き込みながら声を掛けると、エミリアさんと、母親らしき女性の姿があった。


「あっ、セオス君お帰りなさい、早かったけど何か判ったかしら?」


 此方に向け、そう訊ねるエミリアに、母親も、


「エミリア、この子は?」


 娘に向かい、そう聞いてくる。なので、


「えっと、ヴィオラの知り合いみたいで、朝うちのお店に服を買いに来てくれた子なのだけど、父と妹が帰らないので今は服が作れないと言ったら、二人がどうなってるか調べて来る、と言って出掛けてくれてたんだけど・・・・どうだったの?」


 こちらを向きながらもう一度状況を訪ねて来る。それを聞いた母親は、


「私はこの子の母親でマリエラと言います。坊やお手数をお掛けしたみたいね。調べようとしてくれただけで有り難いわ」


 心配そうな、力のない笑顔で話しかけてきた。なので、


「お二方、きっちり調べるどころか、メルゼールで会ってきましたよ。これが証拠です。はい、どうぞ」


 話し掛けつつも、肩より下げたいつもの無限バックより、サルトより預かった品物と手紙を渡すと、一瞬呆然としながらも、二人顔お見合わせ聞こえた言葉を噛み締めるように理解すると、


「あ、あの時間から今までで、メルゼールまで往復を? うそでしょう?」


 驚きのエミリアの言葉に、マリエラも、


「サルトも、プレアもメルゼールにまだ居たの?」


 確認するように聞き返してきた。なので、


「手紙を書いてもらったので、読んでいただければ要点は判ると思うのですが、我も詳しい事を聞く時間まではなかったので、夜また聞きに行くつもりです。とりあえず今はメルゼールが門を閉じ、人の出入りを禁止していた事はこの目で見たので確かです。それで街より出られないだけですので、宿に泊まり無事でいますので、あとは我が事件を解決してくるまで待っててくださいね」


 二人に向けて笑顔でそう話しかけると、受け取った手紙を読みつつ、形見のキセルを見て、


「信じられないけれど、事実のようね。セオス君どうやったの?」


 唖然としつつも疑問を投げ掛けるエミリアに、


「取り敢えず、秘密という事で。それよりもお二方、あなた方もお手紙を書きませんか? 品物と無事を確認したことを、付け加えて書いていただければ、我もサルトさんと話す時話しやすくて尚いいのですが」


 誤魔化しつつ、そう言うと、


「そうね、少し安心出来たし、渡してもらえるのなら二人で書かせてもらうわ。ありがとうセオス君」


 此方に向けた表情に、やっと笑顔を出し話しかけてきたので、書き終えた手紙を預かりバックへとしまうと、


「うむ、やはり困った顔よりも笑顔の方がいいですね。では早く皆が会えるよう行ってきますね」


 エミリアにそう告げ店を出ようとすると、マリエラとエミリアの二人して、


「ありがとう、セオス君、気を付けて行ってきてね」

「坊や、無理はしないでね」


 見送りつつそう言ってくれた。今度はもう言葉は掛けず笑顔で手を振ると、


 うむ、取り敢えず、もう一つの恐るべき難所、我が屋敷へと赴き、家族とエリ-ナさんに夜出掛ける事を言っておかないとね。この前の再来は危険だしね。などと考え、屋敷へと一旦戻り、皆で何時もの如く夕食を食べ、それぞれ解散した後に、両親とエリーナの元へ個別に向かい<全員いる時に言うと、反対する方がいるので>、夜行くべき所があるので少し出かけてきますが心配しないでください。という事を伝えると、かなり心配していて不承不承であったが、何とか了承を得て、


「なるべく早く戻るようにしますので」


 心配する者達に、そう告げて屋敷を出た。


 まぁ我の歳の子が夜出掛けると言ったと考えれば、許してもらえただけでも、凄い事ではあるな。などと考えながらも、もう一つの問題を解決する為、メルゼールへと再びひた走る。今回はさっきと違い辺りはもう暗くなってきているので、余り人目の心配をせず駆け抜けられた。闇夜に紛れ壁を越え、再び宿へと赴くと、受付にいる者に声を掛ける。


「あの~、サルトさんを訪ねてきたのですが」


 そう話しかけると、


「ああ、聞いてるよ、部屋は判るかい? 行っていいよ」


 亭主らしきものが気軽そうに言ってきた。なので、


「ありがとう、通らせてもらいます」


 亭主へそう声を掛け部屋へとむかった。扉の前まで行きコンコンッと軽くノックをし、


「サルトさん、プレアさん、いらっしゃいますか? セオスですが約束通り戻りました」


 部屋の中へと話しかけると、


「ああ、お帰り、というか本当にシールズまで行けたのかい?」


 ドアを開け中へと案内されながらも、普通では出来ないことに疑惑を抱き、隠すことなく口にしたサルトのその言葉に、


「これはお二人が書いた手紙を渡し、品物を見て頂いた後、向こうの二人に書いてもらった手紙です。確認してください」


 サルトにそう言いながら、預かってきた手紙をバックより出し、二人に手渡した。大事そうに受け取り、二人して食い入るように見つめ、安堵の息を吐くと、驚愕を通り越し呆れたような顔で、


「嘘のような事を現実にすることが、本当に君には出来るんだね。でも、そのおかげで・・助かったよ、ありがとう」


 心からの感謝の言葉を貰い、照れながらも、


「では、この街の事を教えて頂けますか?」


 事件解決の為、逸れた話を大筋へと戻すと、真剣な顔をし、今回の件の事情を説明してもらうのだった。

読んでくださる方、いつもありがとうございますです。

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