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街に出ようーその10-

続きですです。

 東門にたどり着き、街を出たことを気付かれぬ様、人気のない場所を飛び越え、メルゼールへと向かう。初めての東方面への移動に、いつもの頼りになる風精霊を呼び出し、道案内をさせつつ、目的地を目指す。途中のどかな田園風景に一瞬目を奪われ何故か目にした事のある風景に、


 うむ、あれは我が当初生まれるべき予定だったアーカイド村かな? などと、少し別の思考に浸りながらも邪魔にならぬ道の端を、ひたすら駆けると、道中問題がありそうなところを見つける事もなく二時間程で港町が見えてきた。頃合いかなと神力を解きスピードを落とし街へと近づくと何故か固く閉ざされた門に、武装した衛兵が立っていた。なので普通に歩いて近づき衛兵に話し掛ける。


「あの~すいません。近くの街から来たのですが、何故門が閉じられているのでしょう?」


 素直にそう訊ねると、衛兵は、


「今、この街は海賊たちとの交戦に入っている。賊達は住民に紛れ込み、既に三回もの放火をおこなっている。なので賊の逃走及び仲間の増援を許さぬ為、メルゼールの領主の命により、港側及び他の出入口も全て通行禁止になっている。君の様な子供には悪いと思うが、来た街に引き返してくれ」


 今起きている街の事情を答えてくれた。なので、


「お勤めご苦労様です。教えて頂き有難うございます」


 衛兵に軽く礼をしながら、立ち去った振りをし、


 うむ、シールズよりは街壁は高いみたいですが、我には影響はないな。そう壁と周囲を見渡しながら考えつつ、人目の付かない場所を探し、気付かれぬ様飛び越える。そして宿を見つけては、シールズより来ている衣服屋の親子が宿泊していないかどうかを確認して回った。すると四件目にして、エリミアに聞いたらしき親子を見つけ、


「すいません。お訊ねしますが、もしやシールズの衣服屋の、エミリアさんの父上と妹君ではないでしょうか?」


 確認の為、そう訊ねると、この街で小さい子供から名前を訊ねられたことに怪訝そうにしながらも、


「はい、私が父でサルト、こっちが娘のプレアですが、なにか?」


 此方に向け、そう答えてきたので、


「うむ、我はセオスと言い、シールズの者です。衣服屋に冒険者ギルドのヴィオラお姉さんより紹介されて服を買いに行ったのですが、あなたたちが予定より三日遅れても戻らない、とエミリアさんが心配していたもので、様子を見に来てみました」


 我がそう言うと、サルトは、


「予定より三日ですか? ・・・・それは今日のことになるのですが・・・・」


 小声でそう呟きながら、考え込んでいるところに、


「ええ、聞いたのが今日の朝ですので」


 普通の事の様に、そう平然と答えると、こちらを向き、


「なっ、馬車で三日はかかるこの街に、君の様な子供がどうやって・・・・」


 余りの事に、またも最後まで言葉にできないような呟きをもらしつつそう聞いてくるので、


「うむ、どうやってかは秘密ではありますが、我にはできるのです。<走っただけですがね。>」


 サルトにそう言いながらも、続けて、


「今回のこの街の事を、噂で聞いたことでもいいので、詳しく聞きたいと思うのですが、時間がないので取り敢えずサルトさんと会えたと判る品物を一つ貸してもらえませんか?」


 彼にそう声を掛けると、


「理由を聞いても?」


 怪訝そうに問い返され、


「エミリアさんと母上が心配の余り、夜もろくに眠れていない。との事なので、一旦安心させる為、品物を預かり見てもらい、この街の状況とあなた方の無事を伝え、夜またここに戻ってきますので、その時に話を聞かせてもらいたいと思います」


 二人に向け、そう言うと、


「そのような事ができるのですか? とても信じられません。ですが、その話を聞いてしまっては、頼むしかないのも事実のようです。なので知り得る限りの事と、夜までに聞けることを聞いておきますので、どうかよろしくお願いします」


 頭を下げて、懐より一本のキセルを取り出すと、


「これはお守り代わりの父の形見だったものです。これを見せれば私とあった事を判ってもらえると思います。それと手紙を書いても?」


 此方に向け、訊ねて来るので、笑顔で頷きながら、


「プレアさんんも、何か書いておくといいですよ」


 父親と我の話を黙って聞きながら見守っていた妹へもそう言っておく。それを聞き喜んで父の元へ行き二人して少しずつではあろうが急いで伝えたい事を認めていく、そして書き込みを済ませると、大事そうに手渡して来るので、それを預かり、バックへとしまうと、


「では、ちょっと、行ってきますね。夜には戻りますので、出来れば宿の方に尋ねる者がある、と伝えといてもらえれば助かります」


 二人にそう言い残し部屋を後にする。街のはずれまで来た道を人目につかぬ様移動し、街壁を颯爽とまた飛び越えながら、たまに巡回もしている衛兵に会わぬ様気を使いながらも外へと出ると、


「さあ、安心を届けにいきましょうか」


 一人そう呟きながら、約束を守るべくシールズへ向け駆け出すのだった。

感想ありがとうございますです。励みにして頑張りますです。で、街にーが、まだまだ続きますがよろしくお願いします。

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