都での滞在ーその29-
今日も遅くなってしまいましたにゃ^-^;
広間に残ったのが、父上、我、エルネスト、アルフォンス、エルガリオと我が家の関係者のみになると、計った様に再度ベトルスが入って来て、
「アルギュロス家の方々、どうぞこちらへ」
こちらに向けそう告げると、先に立ち皆を案内しながら進んで行く。こうやって見ると城の中とは同じような景色で判りずらいな、などと考えながらついて行ってると、同じことを考えてたのか、父上が、
「同じような部屋ばかりで、私だけなら迷いそうだな」
我達だけに聞こえる位の声で呟いていると、ベトルスが、
「それが狙いですので。侵入者がきても迷う様に作られているのが城なので。我ら古参のものでも熟知するまでにはかなり掛かりましたからな」
皆に向け笑いながら話してくるのだった。そうこうしているうちに辿り着いたのか、一つの部屋の前に来ると、笑顔のまま、
「皆様、此方の部屋でお待ちください。すぐに王が来ると思いますので」
部屋のドアを開きながら中を手で指し、皆を中へと促すのだった。中は広く来客用の豪華なソファーが添えられていた。だが、主なき部屋で勝手に寛ぐわけにもいかず、皆立って待っていると、
「すまん、待たせたようだな」
皆に向けそう言いながら入って来るマテウス王の姿がそこにあった。皆かしこまり、特に初めてお目にかかるというエルガリオは緊張のあまり、
「儂の様な者が此処に居ていいものだろうか?」
一人ぼつりと、そう呟くのだった。それに対し王は、
「知らぬ事とはいえ、貴族たちがその方達に多大な迷惑をかけていた事、心より詫びる。今後このような事が起こらぬ様、力を尽くすので、許して欲しい。民の為に道具を作りたい、そう聞いたが、それが真なら、儂の思いと同じということなので、是非頑張って欲しい。力に成れる事なら、力を貸す事を約束しよう」
エルガリオへと、そう告げた。それを聞いた彼自身も、緊張しながらも、
「ありがとう御座います。その言葉を貰えただけで、これから頑張って行こうと思えます。王都の同業者には必ず、王の意向を伝えましょう」
王の言葉に感激し、そう返すのだった。で、直後に、
「立ち話もなんだ。どうか皆、座って欲しい」
王自身が座る事を勧めると、皆恐縮しながらも、促されるまま席に着くのだった。皆が席に着いたのを確認し終えると、開口一番王は、
「こうして話をするのは初めてかな、カイン殿。将来は親戚になるのです、皆がいない場所では、堅苦しく考えず、付き合って頂けると嬉しく思いますぞ」
そう話しかけて来ると、悩んでいる父上に、
「王は二心のある方ではありませんので、素直に聞いて頂いて良いと思いますよ」
エルネストが、話を補佐する為、そう言ってくる。なので、
「判りました。マテウス様。で、疑問なのですが、私を領主におかれましたが、良かったのですか? 毎年大勢の貴族様方を見ていますが、他に良い方がいたのではと、そう思うのですが」
かねてよりの疑問を、今まで問う事の出来なかった相手へと聞いてみると、
「いまさら何を。エルネスト、アルフォンス、未来ある二人の家臣がこの方ならばと、付き従い、領民が善政に喜んでいる今の状況が、間違いのなかった証拠では?」
王は父上に話を、そう返すのだった。臣下二人から慕われているのは、何となく判るので否定することなく受け入れ、
「ありがとう御座います。今後も励みたいと思います。しかし、励めば励むほど、領民の為にと、思える事が多く、ゆとりはまだまだ出て来ません。なので王都の学園に息子を通わせるというのは、うちにはきついかと・・・・」
考えていたことを言おうとすると、途中、
「いやいや、セオス殿を乞うているのはこちらなのですから、住む場所はもちろん、学費も生活費もこちらに居る間は、こちらでみる所存ですぞ」
父上はその言葉に、
「うちだけが、そこまで甘える訳には・・・・」
王の言葉を噛み締めつつそう言うと、
「こう考えて頂きたい。我が娘マリカの未来の夫の学歴をちゃんとしたものにしておかねば、王家自体の恥になる、と。その見栄の為に、面倒をみる、と言っていると考えれば、遠慮することはいらないでしょう」
父上に向け、そう言ってくると、それが本心でない事位は判っているので、それでも言ってくれた言葉に、
「そこまで言っていただけるのでしたら、甘えさせて頂きます。セオス、王の期待を裏切らぬ様、頑張る様に」
こちらに向かい、そう告げて来るので、笑顔で、
「はい、出来得る限り、頑張りたいと思います」
皆の方に向け、そう答えると、微妙な顔をしつつ、
「頑張り過ぎには注意するようにな」
「ですね、坊ちゃん、やり過ぎには気を付けて下さいね」
父上とアルフォンスが、すぐにそう言ってきた。なので、
「出来得る限り、加減したいとおもいます」
笑顔で皆にそう告げるのだった。
連休前はいそがしいのにゃ~;-;




