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第2話  『初めての攻撃魔法体験』

2024/05/26公開


 

 また、パキという音が2回した。

 

 魔力感知では遠い順に2匹のコブラモドキが逃走に移っていた。

 アクティブの魔力感知と気配感知を連続で発動させて、残った2匹のコブラモドキの位置を特定する。

 右手10㍍先の枝の上と、正面30㍍先の木の幹の陰に潜もうとしている。 


 うん、この2つの感知魔法コンビは便利だな。

 視認するまでも無く、ほぼ位置が特定出来るので、樹木の保護色のコブラモドキも見付ける事が出来た。


 初めて魔法で攻撃するけど、土砂魔法(一般には土魔法と言われるモノ)の一択だ。

 『知的生命発生惑星監視システム』が作ってくれた「精神と時の○屋」に似た空間で練習した時の結論だが、火炎魔法、液体魔法、気体魔法は意外と一長一短が有って選択しにくいんだよな。

 

 まず1匹目のコブラモドキが潜んでいる枝に向けて右手を掲げる。

 有難い事に、こっちの人たちと違って、自分自身で魔法の発動が可能なので詠唱は要らない。この歳になって詠唱なんて恥ずかし過ぎるから助かる。


 で、まずは体内の「魔力」をほんの少し放出し、右手の前に浮かせる。

 それを石に物質変換するんだけど、こっちの人は精霊に詠唱でお願いする訳だ。

 精霊介在システムと違って、カスタマイズも自由なのも良い。

 俺は地球の知識も有って、空気抵抗の少ない銃弾の形にするが、普通は葉巻の形らしい。

 

 ちなみに、ここで物質化される石とか水とか炎とか風って、生み出すと言えば生み出すんだが、この惑星上に有る物質を素材にしているらしい。

 その辺りは「魔力」ではなく、「神力」という人類には備わっていないエネルギーを使う。

 

 射出体が形成出来れば、運動魔法で撃ち出すんだが、ここでも俺は一工夫を入れている。

 石の銃弾を回転させる工夫だ。

 意外とこれが難しくて、「精神と時の部○」の練習で成功するまで時間が掛かった部分だ。

 

 最後に「発砲」というか「発射」なんだが、ここでも俺はチートを貰っている。

 こっちの人間が放つ際の初速は、秒速40㍍から50㍍(時速144㌔~180㌔)と言った所だ。

 多分だが、精霊介在システムは人類の生身で出せる最大の初速値を採用しているんだろう。

 対して、俺が放つ初速は秒速259㍍(時速932㌔)だ。

 そんな速度を出せる理由は、アメリカ本土に旅行に行った時に、コルトガバメントの実銃の試射を飽きるくらいしたからだ。

 今思うと、もっと初速の速い拳銃を撃っとけば良かったんだが、『拳銃と言えばコルトガバメント』という思い込みが有ったんだよな。


 恥ずかしながら、あと1つの銃も少しだけ撃ったんだけど、コルトピースメーカーというオチだ。



 照準がしっかりと合った瞬間に発射したが、やはりオーバーキルだ。

 コルトガバメントで撃った弾丸は弾頭の重さが20㌘も無かったけど、俺が形成した弾丸は30㍉砲弾もビックリなサイズだからな。300㌘ちょっと有る。

 現状、どういう縛りが有るのか分からないけど、これよりも小さな弾丸に出来ないんだよな。


 で、戦果は、バラバラに砕け散った肉片が辺り一面にこびりついている。

 コブラモドキが潜んでいた枝も大惨事だ。

 

 残った1匹も逃走に移ったが、ここで殺しておく方が良い。

 近くに在ると思われる開拓村の住人が毒牙に掛かる危険性を減らせるからな。


 再度、射出体を形成するが、今度は銃弾型ではなく円筒型にして、わざと格子状に硬度を落として、発射してしばらく飛ぶと16個に分裂する様に楔も入れておく。

 これも散弾銃を参考に俺が工夫したオリジナルの攻撃魔法だ。


 これはこれで凶悪な威力だった。




 まあ、分かっていた事だが、地球の実銃と違って、発砲音が小さいのは助かるな。

 なんせ、コルトガバメントを試射した時はイヤープロテクター必須だったからな。

 発砲音が大きいという事は、居場所も攻撃自体も遠くからバレるって事だからな。


 

 こうして、俺の初の攻撃魔法経験が済んだ。

 


 コブラモドキが居た辺りがスプラッタ―過ぎて、ちょっと戻しそうになったのは内緒だ。




お読み頂き有難うございます。


 予告編3部作でした。

 本更新開始の時にまたお会いしましょう(^ ^)/

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