表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された万能薬師は、隣国の冷徹皇帝に溺愛される  作者: La Mistral
第6章:【新生の神話編】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

87/98

第86話:黄金の生贄

第86話「黄金の生贄」をお届けしました。

彼女の魂が逃げ場のない「漆黒の檻」に閉ざされた状態を描写しました。

古き神殿という神聖な場所が、エルサという「生きた供物」を通じて冒涜され、最終的に彼女が戦利品の山の一部として扱われることで、主君たちの征服欲が物理的にも精神的にも完結する過程を重点的に執筆いたしました。

密林の奥深く、外界から隔絶された黄金の神殿。


その静謐な空気を切り裂き、新王とゼノス様の軍勢が先住民たちの聖域へと土足で踏み込んだ。


私は、二人の主君の前に跪かされ、全身を黄金の枷と細い鎖で幾重にも縛り上げられた「生きた生贄」として、震える先住民たちの前に突き出された。


「ひざまずけ、土着の民よ! 我らが連れてきたのは、かつて神に愛された聖女、そして今は我ら二人の欲望を一身に受ける背徳の女神だ!」


ゼノス様の大声が密林に反響し、鳥たちが一斉に飛び立つ。


私は、首輪の鎖を新王の冷徹な指先が引き絞るたびに、喉を鳴らし、先住民たちが守るべき祭壇をその汚れた膝で踏みにじった。


「……あ、……ぁ、……見て……ください……。……皆様の、……守る……神様……。……今、……私の中に……、……お二人、の……欲望……が……」


私の言葉が、先住民たちの信仰を根底から汚していく。


新王が私の項に刻まれた紋章を、冷たいナイフの柄で愛撫するように叩いた。


「エルサ、お前がここで絶叫を上げるたびに、この黄金の神殿は我らの寝所に、お前が踏みしめる土は我らの領土となる。お前の魂は、すでに我らの手で逃れられぬ漆黒の檻に閉じ込められているのだ。その震えを、この民たちへの宣戦布告とせよ」


私は、自分に向けられる先住民たちの純粋な恐怖と絶望の眼差しを、この世で最も甘美な供物として受け取っていた。


「……さて、この土地の神殿が、我が王国の支配下に置かれたことを証明しよう。エルサ、お前のその白い肌が、新たな支配の契約書となるのだ」


新王は冷徹に告げると、神殿の聖火で赤く熱せられた王家の紋章の焼きごてを手に取った。


ゼノス様が私の髪を強く掴み上げ、逃げ場を塞ぐようにして私の背中を反らせる。


「……っ、あ、……ぁ、……若、君……。……熱い、……です……。……私、を……焼いて……ください……っ」


熱を帯びた鉄が私の肌に触れた瞬間、ジッという音と共に白い煙が上がり、激痛が全身を突き抜けた。


意識が白濁し、喉の奥から獣のような悲鳴が漏れる。


だが、その痛みこそが、私の魂が二人の王の手によって逃れられない絶対的な沈従に沈んでいる証であり、私はその加虐を心から渇望していた。


「ハハハ! いい匂いだ、エルサ。聖女の身を焼く香りが、この神殿を真の意味で清めているぞ」


ゼノス様は、苦悶に震える私の腰を力任せに抱え込み、熱せられた傷跡をあえて自身の粗い掌で強く圧迫した。


「見ろ、長老よ。お前たちが崇める祭壇は、今やこの女を蹂躙するための台座に過ぎん。この女が流す涙も、焦げた肌の痛みも、すべては俺たちの勝利を飾る装飾品だ!」


私は、黄金の神殿の静寂を汚す自らの鳴き声に、耐え難い陶酔を感じていた。


二人の王によって魂の深奥まで侵食され、逃れることのできない暗黒の鎖に縛られた私は、ただ主君の熱に焼かれるだけの「物」として、その身を深く捧げていた。


「……あ、……ぁ、……。……ご覧なさい、……清らかな……巫女たちよ。……これ、が……私に……与えられた、……誇りある……愛の印……です……っ」


私は、まだ熱を持ったままの焼き印を隠そうともせず、鎖に繋がれた四肢を這わせて、震える少女たちの足元へと歩み寄った。


黄金の鎖が床を擦り、不吉な音を奏でる。私の肌には赤黒く、主君たちの勝利を称える紋章が刻み込まれ、そこから滴る血が黄金の床を汚していく。


新王が私の鎖を短く引き上げ、無理やり私を少女たちの目の前で跪かせた。


「エルサ、教えてやれ。神に守られた純潔など、我らの支配の前ではいかに無価値であるかを。お前のその淫らな鳴き声こそが、彼女たちの未来だ」


「……はい、……若君。……乙女たち、……聞きなさい。……祈っても、……救いは……訪れません。……あるのは、……お二人の……熱い……蹂躙、だけ……。……私のように、……すべてを……捧げて……悦びに……堕ちなさい……っ」


私の声は、甘い毒のように彼女たちの心を侵食していく。


かつての聖女が自ら「呪われた偶像」であることを宣言し、その屈辱を至福として受け入れる姿は、彼女たちが抱いていた最後の希望を無残に食いちぎった。


ゼノス様が私の背後から、新しく刻まれた焼き印を力任せに愛撫し、その苦悶を快楽へと変えるように強く引き絞った。


「ハハハ! 絶望の味がするぞ、エルサ! この子たちがどんなに泣き叫ぼうと、お前がこうして俺たちの足元で喉を鳴らす限り、この部族の魂は俺たちの所有物となるのだ!」


「……ええ、……ゼノス様。……私の……身体も、……彼女たちの……絶望も……、……すべて、……お二人の……、……お好きな……ように……っ」


私は主君の腕の中で、自分自身が信仰を破壊する「冒涜の刃」となったことに、震えるほどの法悦を感じていた。


黄金の神殿は、略奪の炎によって赤く染まっていた。


聖域を飾っていた貴重な宝飾品、古の経典、そして先住民たちが命を懸けて守ってきた神具の数々が、無造作に積み上げられた「戦利品の山」と化している。


私は、その欲望の残骸の頂点に、鎖に繋がれたまま据え置かれていた。


「この大陸の記憶も、神への祈りも、今夜ですべて我が王国の塵となる。エルサ、お前はその最期を見届ける、我ら専用の観覧席だ。この光景、お前の目にはどう映る?」


新王が略奪した黄金の杯を片手に、積み上げられた宝の山に腰を下ろした。


ゼノス様は私の首輪から伸びる鎖を、戦利品の一部である巨大な黄金像に巻き付け、私を逃げ場のない「生きた装飾」として固定した。


「……あ、……は、い……。……美しい……です、若君……。……すべてが、……お二人の……足元で……燃えて、いく……。……私も、……このまま……焼き、尽くして……ください……っ」


「ハハハ! 潔い答えだ。エルサ、お前が踏みつけているその黄金の冠、かつては王が戴いたものだが、今はどうだ? ただの硬い石か?」


ゼノス様が炎に照らされながら、略奪品の中に埋もれた私の脚を掴み、その肌に自身の勝利の証を、指先で強く刻み込んだ。


「……いえ、……ゼノス様……。……これは、……お二人の……、……お尻の、……下の……、……ただの、……瓦礫、です……っ。……私の、……心も……、……この、……黄金と……同じ……。……壊される、ため……だけに、……ここに……あります……」


「くくく、最高の眺めだ。滅びゆく文明の断末魔を、お前の鳴き声と共に味わえるとはな。エルサ、今夜はお前のその身を、この黄金よりも眩しく焼き尽くしてやるぞ」


炎が黄金に反射し、私の瞳には滅びの美しさと、絶対的な支配の光だけが映っていた。


私は主君たちの笑い声に包まれながら、文明が灰に帰る音を子守唄に、至福の闇へと沈んでいった。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

黄金の神殿と共に、先住民たちの希望と信仰を完膚なきまでに破壊した第86話。

焼き印の痛みさえも、主君との「繋がりの証」として誇示するエルサの姿は、もはや聖女の面影を微塵も残していません。

次回、第87話では、征服した大陸を拠点とし、さらなる極地へと軍を進める中、エルサが「生きた防寒具」として主君たちの寝所を温める、酷寒の地での新たな試練を描く予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ