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追放された万能薬師は、隣国の冷徹皇帝に溺愛される  作者: La Mistral
第2章:隣国での「普通」が「異常」な無双

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第12話:王子の最期と、皇帝の誓い

累計1,500PV突破!そして本日は午前中からかつてない勢いでアクセスをいただいております。読者の皆様、本当にありがとうございます!

第12話は、どん底に落ちていく王国の惨状と、ゼノス皇帝の溺愛がさらに加速する回です。

エルサを捨てた王子が味わう「絶望」をたっぷりとお楽しみください!

「……嘘だ。そんなはずがあるものか!」


王国の豪華だったはずの執務室。そこに響くのは、かつての威厳を失ったカイル王子の絶望に満ちた叫びだった。


彼が握りつぶした報告書には、帝国アステリアで行われた夜会の様子が克明に記されている。そこには、泥にまみれて捨てたはずのエルサが、見たこともないほど煌びやかなドレスを纏い、帝国の『真の聖女』として全貴族から称賛を浴びる姿があった。


「アリアがいれば、この国は安泰だと言ったではないか! なぜ作物は枯れ、水源は腐ったままだ! エルサを呼び戻せ! 恩赦を与えてやるから、今すぐ連れてこいと言っているんだ!」


「……不可能です、殿下。アステリアはすでに我が国との国交を完全に断絶。そればかりか、帝国軍は国境へ集結を開始しております。エルサ様は……もう二度と、我々の手には届きません」


冷徹な報告を聞き、カイルは膝から崩れ落ちた。


彼が守ろうとした歪んだプライドも、手に入れようとした次期国王としての権力も、エルサという『生ける奇跡』を失った瞬間にすべて砂のように崩れ去っていたのだ。


窓の外を見れば、かつてエルサが守っていた豊かな緑は茶色く変色し、王都全体が不気味な死の臭いに包まれ始めている。


一方その頃。帝国の静かなバルコニーでは、涼やかな夜風が私の火照った頬を優しく撫でていた。


「エルサ。まだ、あの愚か者のことを考えているのか?」


背後から伝わる、熱いほどの体温。大きな腕が私の腰を抱き寄せ、その胸板に私を閉じ込める。ゼノス様だ。


彼の独占欲を隠そうともしない鋭い瞳が、じっと私を見つめている。その視線に射抜かれるだけで、私の心臓は壊れそうなほど高鳴る。


「……いいえ。ただ、今の幸せがあまりに眩しくて、夢のようで……怖くなってしまったんです」


「夢ではない。お前を傷つけるものは、この俺がすべて滅ぼすと誓った。王国も、あの王子も、二度とお前の視界には入れさせない。……あんな薄汚い連中に、お前の名を一瞬でも口にさせることすら、俺は許したくないのだ」


ゼノス様は私の長い髪に指を通し、いとおしそうに、けれど強く耳元で囁いた。


「これからは、俺の隣で、俺のためだけに笑っていろ。お前の瞳も、声も、その小さな体も……すべては、俺だけのものだ。約束だぞ、俺の聖女」


彼の深い執着と愛を刻み込むように、熱い口付けが降ってくる。


かつて王国の冷たい地下室で泣いていた私は、もうどこにもいない。


私は今、世界で一番強く、そして残酷なほどに私だけを狂おしく愛してくれる人の腕の中に、永遠の安らぎを見つけていたのだから。

ついにカイル王子が現実を突きつけられました。

彼が捨てたのは、ただの薬師ではなく、この国の「生命」そのものだったのです。

一方、ゼノス様はますます独占欲を隠さなくなってきました。

「お前は俺のものだ」と断言する皇帝の愛……エルサの幸せは、これからが本番です!

この勢いのまま、物語はついに完結へと向かいます。

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