第12話:王子の最期と、皇帝の誓い
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第12話は、どん底に落ちていく王国の惨状と、ゼノス皇帝の溺愛がさらに加速する回です。
エルサを捨てた王子が味わう「絶望」をたっぷりとお楽しみください!
「……嘘だ。そんなはずがあるものか!」
王国の豪華だったはずの執務室。そこに響くのは、かつての威厳を失ったカイル王子の絶望に満ちた叫びだった。
彼が握りつぶした報告書には、帝国アステリアで行われた夜会の様子が克明に記されている。そこには、泥にまみれて捨てたはずのエルサが、見たこともないほど煌びやかなドレスを纏い、帝国の『真の聖女』として全貴族から称賛を浴びる姿があった。
「アリアがいれば、この国は安泰だと言ったではないか! なぜ作物は枯れ、水源は腐ったままだ! エルサを呼び戻せ! 恩赦を与えてやるから、今すぐ連れてこいと言っているんだ!」
「……不可能です、殿下。アステリアはすでに我が国との国交を完全に断絶。そればかりか、帝国軍は国境へ集結を開始しております。エルサ様は……もう二度と、我々の手には届きません」
冷徹な報告を聞き、カイルは膝から崩れ落ちた。
彼が守ろうとした歪んだプライドも、手に入れようとした次期国王としての権力も、エルサという『生ける奇跡』を失った瞬間にすべて砂のように崩れ去っていたのだ。
窓の外を見れば、かつてエルサが守っていた豊かな緑は茶色く変色し、王都全体が不気味な死の臭いに包まれ始めている。
一方その頃。帝国の静かなバルコニーでは、涼やかな夜風が私の火照った頬を優しく撫でていた。
「エルサ。まだ、あの愚か者のことを考えているのか?」
背後から伝わる、熱いほどの体温。大きな腕が私の腰を抱き寄せ、その胸板に私を閉じ込める。ゼノス様だ。
彼の独占欲を隠そうともしない鋭い瞳が、じっと私を見つめている。その視線に射抜かれるだけで、私の心臓は壊れそうなほど高鳴る。
「……いいえ。ただ、今の幸せがあまりに眩しくて、夢のようで……怖くなってしまったんです」
「夢ではない。お前を傷つけるものは、この俺がすべて滅ぼすと誓った。王国も、あの王子も、二度とお前の視界には入れさせない。……あんな薄汚い連中に、お前の名を一瞬でも口にさせることすら、俺は許したくないのだ」
ゼノス様は私の長い髪に指を通し、いとおしそうに、けれど強く耳元で囁いた。
「これからは、俺の隣で、俺のためだけに笑っていろ。お前の瞳も、声も、その小さな体も……すべては、俺だけのものだ。約束だぞ、俺の聖女」
彼の深い執着と愛を刻み込むように、熱い口付けが降ってくる。
かつて王国の冷たい地下室で泣いていた私は、もうどこにもいない。
私は今、世界で一番強く、そして残酷なほどに私だけを狂おしく愛してくれる人の腕の中に、永遠の安らぎを見つけていたのだから。
ついにカイル王子が現実を突きつけられました。
彼が捨てたのは、ただの薬師ではなく、この国の「生命」そのものだったのです。
一方、ゼノス様はますます独占欲を隠さなくなってきました。
「お前は俺のものだ」と断言する皇帝の愛……エルサの幸せは、これからが本番です!
この勢いのまま、物語はついに完結へと向かいます。
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