ーシルバーランクー
来週の月曜も20時に投稿していきます。
4章の最初の話のー初依頼ー修正しました。
青年の特徴を少し追加したので、話の流れには関係ないのですが1度ご確認を推奨します。
「話も一区切りついたとこで、ユーグ君は受付に並んでいたということは何か換金か報告があるんですよね?」
受付の騒動での話が終わったところでナディネはユーグに訊ねる。
「あっはい!
魔石の買取とダンジョンの踏破の報告がありました」
「ほう、その歳でグリムノーデンのダンジョンを踏破したのか。
でもまぁ君の従魔たちがいればそれも余裕か」
シグルズはそう言いながらソタへと目を向ける。
「おう、そうか。
それならここで手続きをしてしまおうかのう。
ユーグ、魔石の内訳表と踏破した時の宝箱の中身を出してくれんか?」
「わかりました。
えっと、これが内訳表で……、こっちが宝箱の中身のビックポルケピックの針と肉です」
ユーグは保管庫の中から宝箱から得たビックポルケピックの素材を取り出す。
「はい、じゃあ私はこれらの手続きをしてきますね」
ナディネはそう言うとユーグが取り出したものを受け取り支部長室から出る。
「これでユーグもシルバーランクじゃな。
あとは魔境の森の植生の試験を受ければ入ることはできるのじゃ。
まぁ危険な植物やその素材がわかってれば問題ないからのう、錬金術の勉強もしてるユーグならそこまで難しいもんじゃないと思うぞ」
「はい!頑張ります!」
「ダンジョンはどうじゃったか?
ユーグの実力ならそこまで難しいものじゃなかったはずじゃが」
ハンスはユーグにダンジョンの感想を聞く。
「魔法を使えば大丈夫でした。
けど僕の近接戦の鍛錬もしながらだったんでちょっと難しかったです」
「ほう、そうか。
グスタフのとこで買った剣を使ったのか?
それなら今までのものと違いいささか大変じゃったろうな」
「そうか、その魔力操作なら完全な後衛職をしてると思ってたが剣も装備してたのか」
シグルズはユーグの装いを見ながらそうつぶやく。
「うむ、ユーグはこれからも剣の鍛錬もしていくつもりか?
それならどうじゃ、シグルズに教えてもらうのは?」
「えっ!?いいんですか?」
「シグルズ大丈夫じゃろ?
今日戻ったばかりじゃから、しばらくは街におるつもりじゃろ」
ハンスはシグルズに訊ねる。
「そうだな、まぁ俺も忙しくなる可能性もあるが大丈夫だろう。
俺も君に興味があるからな、稽古をつけてやるとするか」
「ホントのホントにいいんですか?」
「ああ、もちろんだ。
明日は時間がないが明後日からなら大丈夫だ」
恐る恐るユーグは確認を取る。それにシグルズは2日後から稽古をつけてくれると言う。
「ありがとうございます!
明後日からよろしくお願いします!」
「あら?何か良いことでもありましたか?」
ナディネが手続きの準備を終え部屋に戻ってきた。
「はい!シグルズさんが剣の稽古をつけてくれることになったんです!」
「それは良かったですね。
シグルズさんはテイマーですけど、近接戦や魔法もその関連の職に就いてる方並みにお強いですから」
「いやいや、俺よりも2人の方が強いでしょ?
魔法ではナディネさんには勝てないし、近接だったら支部長の方が断然だしな」
「そんなこともないですよ、総合的に戦ったら現役のあなたには勝てませんからね。
そんなことより、ユーグ君まず魔石の買取ですね。
ウッドランクの魔石が45個で450ドーラ、アイアンランクの魔石が117個で2340ドーラ、合計2750ドーラです。
お確かめください」
「……はい、大丈夫です!」
ユーグはナディネから渡された金銭を確かめた。
「次はシルバーランクへの昇格手続きです。
持ち込みいただいたビックポルケピックの素材は全てダンジョンで手に入れたものだと確認が取れましたので、ユーグ君はシルバーランクに昇格できます。
以前と同じようにこちらの魔道具にお手持ちのギルドカードをお願いします」
ナディネはそう言って、ビックポルケピックの素材をユーグに渡した後、ユーグがギルドカードを手に入れたときと同じような魔道具を取り出す。
「わかりました!……これでここに魔力を流せばいいんでしたっけ?」
「はい、それでユーグ君のギルドカードにシルバーランクへ上がったという情報が記されるので、それをもってユーグ君は昇格です」
「おおう!なんか凄いな!
じゃあ魔力を流します」
ユーグは魔道具に魔力を流す。魔道具は魔力に反応し、ギルドカードが置かれた部分が光る。
「はい、これで完了です。
シルバーランクおめでとうございます!」
「おめでとうじゃ、ユーグよ!」
「今日知り合ったばかりだけど、おめでとう!」
「ぐるぅ!」 「ゴブブ!」 〈おめでとうじゃ!〉
「ありがとうございます、なんか皆から言われると嬉しいな」
「でもまだ魔境の森には入れませんよ。
危険な植物やその素材の試験に合格するまではシルバーランクでも入れませんから」
「はい、わかってます!
次の試験はいつあるんですか?」
「えっーと確か、巳の日にありますね。
試験のための本も資料室にありますから自由に読んでも大丈夫ですから」
このドライツェン王国やロワイシュバリー王国がある地方では6日で1週であり、子の日、丑の日、虎の日、卯の日、辰の日、巳の日が先の1週と呼ばれ、午の日、羊の日、申の日、酉の日、戌の日、亥の日が後の1週の2週間が2回の4週が1か月である。1年は子の月、丑の月、虎の月、卯の月、辰の月、巳の月、午の月、羊の月、申の月、酉の月、戌の月、亥の月の12か月があり、子・丑・虎が冬、卯・辰・巳が春、午・羊・申が夏、酉・戌・亥が秋であった。ちなみに今日は戌の月の2回目の子の日である。
「よし、これで話は終いじゃな。
ユーグたちはもう帰っても大丈夫だぞ。
わしらはまだ話すことがあるからのう」
「はい!わかりました!
今日はありがとうございました。
シグルズさんはまた明後日お願いします!」
「おう、またな!」
「また何かあればいつでも相談に来るんじゃぞ!」
「では、またユーグ君受付で」
ユーグたちはハンスたちを残し、支部長室を出るのであった。
「今日はもう『嵐豹』に戻ろうか?
魔石の買取も終わったし、シルバーランクにもなれたしね」
〈そうじゃな、今日はもう帰るとするか。
用も済んだとこじゃし、冒険者ギルドも混んできているからのう〉
ユーグたちは支部長室を出て受付がある1階まで降りてきた。先ほどまでの受付と違いすでに冒険者ギルドも混みあっている。
「じゃあ帰ろうか、今日の夜ご飯はなんだろう?」
「ぐるぅ!」
ユーグたちはそのまま冒険者ギルドを出て『嵐豹』へと向かうのであった。
・・・・・
ユーグたちが退出した支部長室ではハンスとナディネ、そしてシグルズが話し合っていた。
「それでシグルズよ、魔境の森はどうじゃったのじゃ?」
「魔境の森か?あそこはいつもと変わらなかったと思うけどな。
特に何かおかしいとこは見当たらなかったぞ」
「ふむ、実はな……」
ハンスはシグルズに南西の森での異変を伝える。
「あの森でトリ形の魔物大量繁殖にミミックオウルか……。
確かに原因は魔境の森にあるように見えるな。
だけど支部長、魔境の森は魔物の宝庫だぜ、ミミックオウルもこっち側が探しに行こうとすれば遭遇するが、今回みたいにただ魔境の森に行くだけだと会わんぞ」
「と言うと今回の探索ではミミックオウルとは遭遇せんかったことじゃな」
「ああ、そうだ。
しかしだからといって他の魔物が多かったというわけでもないぞ。
あとで素材や魔石なども出すが、基本的にはいつもと変わらんかったな。
まぁ多少ムシ形の魔物が多かったように見えたが、あいつらはそもそも他の魔物に比べて繁殖している数は多いし」
「そうですね、異変自体はすでに落ち着いて徐々に元の生態系に戻りつつあるので大丈夫でしょう。
ただ魔境の森は引き続き様子を見ていくことになると思います」
「辺境伯様から駐留の軍の方にも報告がされとるから、あちらの方でも注意してくれてるようじゃ」
「わかった、それじゃあ俺の方からも少し聞いてみるよ」
来週も20時に投稿します。
平日の5日間は投稿で、
土日はお休みさせていただきます。




