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ーアダマンタイトの冒険者ー

今週も20時に投稿していきます。

4章の最初の話のー初依頼ー修正しました。

青年の特徴を少し追加したので、話の流れには関係ないのですが1度ご確認を推奨します。


「てめぇら、もう1回言ってみろ、誰が役に立たないって言った」


 冒険者ギルドの入口には1人の青年が立っていた。その青年がユーグに絡んできた冒険者に問う。


「……あっ、あっ」


 しかしその冒険者たちは青年の圧に気圧されて言葉が出ない。


「おい、何度も言わせるじぇねぇよ。

 誰が役に立たないって言うんだ」


 冒険者ギルドにいる全員が青年の圧に気圧される中、再び青年は声を発する。


「くそが、久々に街に戻ってきたっていうのに嫌なもん聞かせやがって。

 どう落とし前をつけてやろうか」


 そう言うと青年は魔力の圧を強める。


「どうした!一体何があったんじゃ?」


「この圧はシグルズさんのですね。

 戻られたみたいですけど、何が会ったのでしょうか?」


 冒険者ギルドの2階から魔力を感じ、急いでハンスとナディネは降りてきた。


「支部長とナディネさんか。

 こいつらがテイマーが役立たずだとほざいていやがったから、どういう意味か聞いていただけなんだが」


 青年は冒険者たちを指さしながら、ハンスとナディネに話しかける。


「それにしては魔力を放ちすぎじゃぞ。

 周りを見てみろ、誰も言葉一つ出ないようじゃ」


 ハンスに指摘された青年はあたりを見回す。ユーグを含め周りの冒険者たちは苦しそうな様子で青年と冒険者たちを見ていた。何故かソタだけは平気そうな顔でユーグの前に立っている。


「ああ、そうか、いけねいけね。

 さっきまで森にいたから魔力の調整をミスってたみたいだ。

 ほら、これで大丈夫だろ」


 青年がそう言うと冒険者ギルドにかかってた魔力の圧が消える。


「それで何があったのじゃ?」


「うん?さっきも話したでしょ。

 こいつらがテイマーに難癖つけてたからどういうことか聞いてただけなんですけど」


「「「……」」」

 

 そう言いながら青年はその冒険者たちを見ると、息も絶え絶えで顔面蒼白の冒険者たちがいた。


「あっあのー」


 そんな中1人のギルド職員が声を上げる。


「どうしたのですか?」


「はい、私見てたのですが、ちょうどそこにいるユーグさんの受付の番が回ってきたので前に出ようとしたら、そこの冒険者パーティーが怒鳴りながら服を引っ張り後ろに倒していました。

 その時にそのテイマーのことも仰られていて、たぶん私だけじゃなくここにいる方たちは皆見ていたと思うんですけど」


 そうギルド職員が言うと周りにいた冒険者たちは皆うなづく。


「なろほどのう、とりあえずユーグたちとシグルズも上に上がるぞ。

 そこの冒険者たちは別室に連れていけ、どうもこいつらが原因のようじゃからな、もう1回冒険者ギルド規定を教えんといかんようじゃな」


「ユーグ君大丈夫ですか?」


 ナディネは倒れていたユーグに手を渡し立ちあがるのを助ける。


「はい、大丈夫です。

 魔力の圧に押されて座り込んでただけですから。

 それであの凄い魔力の人は誰なんですか?」


「シグルズさんのことですか?

 あの人はこのグリムノーデン支部所属の冒険者ですよ。

 この街唯一の現役のアダマンタイトランクの」


 ・・・


「ふむ、とりあえず話を聞く前に紹介をせねばな。

 シグルズこの少年はユーグというもので周りの従魔は彼の従魔じゃ」


 ユーグたちはハンスとナディネに連れられシグルズと呼ばれていた青年と一緒に支部長室にいた。


「はじめまして、ユーグと言います。

 このモモンガ形の従魔はソタで、クマ形がブリューそしてゴブリンのブラブです。

 よろしくお願いします」


「ああ、よろしくな。俺はシグルズだ。

 知ってると思うがお前と同じ冒険者をしている」


 シグルズと名乗った青年は背が高く銀色の髪を持ち30代くらいに見える人相をしていた。


「シグルズ、ユーグはたぶんお前のことを知らんぞ。

 この街には来たばかりじゃからな。

 ユーグよ、シグルズは上級の冒険者であるアダマンタイトランクにいる冒険者じゃ。

 そしてユーグと同じテイマーでもある」


「テイマーなんですか!?」


 ユーグはシグルズという現役の中でも一握りのものしかなれないアダマンタイトランクにいる冒険者が自分と同じテイマーという【ジョブ】についてることに驚き声を上げる。


「正確にはテイマー系の【ジョブ】なんだが、まぁテイマーって認識で大丈夫だ。

 それでユーグは受付で何があったんだ?」


「それが僕にもよくわからなくて。

 受付の列で待ってて、順番が回ってきたから前に出ようとしたら突然後ろに倒されて。

 そしたらテイマーが役立たずだからって言ってきて……」


「ふむ、そのタイミングでシグルズが戻ってきたってことか。

 話を聞く限りじゃとやはりユーグには落ち度はないようじゃな」


「それに言動からもしかすると彼らは隣国の出身かもしれませんね」


「そうじゃな、この国では【ジョブ】差別をするものは少ないからのう、ましてテイマーのことを見下すものはほぼいないはずじゃ。

 ユーグはなんとなくわかるじゃろ?」


 ハンスとナディネは話を聞き、ユーグに絡んできた冒険者たちは隣国のロワイシュバリーから来たものだと推定する。


「そうですね、あの人達は僕が住んでた街の人に雰囲気がよく似ています」


「ユーグは隣国のことを知っているのか?

 その歳で珍しいな」


「あっ、僕ロワイシュバリー出身なんです。

 だから向こうの国のことは少しは知っているんです」


「なるほど、そういうことか……」


 ユーグの話を聞き険しい顔をシグルズは浮かべる。シグルズはロワイシュバリー王国が【ジョブ】差別が厳しい国で、その中でもテイマーへのあたりが特に厳しいことを知っており、その関係でユーグがこの国に来たと察した。


〈ハンスよ、この街の冒険者にはあの国の人間はおるのか?〉


 話が少し止まったところで、おもむろにソタが声を出す。


「ソタ!?大丈夫なの?

 こないだまで信用できる人の前でないと喋らないって言ってなかった?」


 ソタが初対面の人の前で話しだしたためユーグは慌てだす。


〈まぁ大丈夫じゃろ、こやつなら。

 アダマンタイトという上級の冒険者であるみたいじゃしのう、つまりは冒険者ギルドの信頼度も高いってことじゃから信用もできるのじゃ。

 そうじゃろ、ハンス、ナディネ〉


「ソタ様がおっしゃるように上級の冒険者は冒険者ギルド引いては国もそれなりに信頼しておりますので、大丈夫ですけれども……」


「…………」


 ハンスはシグルズの前でソタが話すとは思っておらず、急に話し始めたことに驚いていた。そんなソタのことをシグルズは無言で見詰めていた。


〈なら大丈夫じゃ。

 それでこの街にはロワイシュバリーの奴らは多いのか?〉


 改めてソタはハンスたちに聞き直す。


「隣国で今は停戦もしている関係から少なくない人数はこの街でも活動しております。

 しかし冒険者ギルドに所属してこの街を拠点にしているものは、あの国のものとは思えないほど品行方正のものがほとんどですな。

 久々にあのようなものを見ましたな」


「ということは支部長、昔はいたってことか?」


「ああそうじゃ、シグルズ。

 停戦して間もなくはむこうの国からも食詰者であの国の者らしい奴らが来たものじゃ。

 しかしそういった奴らは当然冒険者ギルドの規定違反で犯罪者となり、他の冒険者に狩られたんじゃよ」


「しばらくはそういったことが多かったのですが、こちらの情報が向こうにも伝わったのか、ここ何年かは隣国からはそういった者は来てなかったのですけどね」


ハンスとナディネはユーグたちとシグルズにロワイシュバリーからの冒険者について説明する。


〈なるほどのう、つまりは今はあのようなもんはあやつらしかおらんってことじゃな?〉


「ええ、あの国には我が国のような冒険者ギルドはないですから、知らずに来たのか、それとも何か目的があって来たのか。

 少々探りも入れる必要がありますな」 

明日も20時に投稿します。

平日の5日間は投稿で、

土日はお休みさせていただきます。

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