ー『グスタフの店』ー
今週も20時に投稿していきます。
「今夜の宿どうしようか?
やっぱりまた『嵐豹』に行く?そこしか知らないし」
〈そうじゃのう、とりあえず『嵐豹』に行ってみて、ダメだったら他の宿を聞いてみるか〉
「わかった!じゃあ皆行こうか!」
「ぐる!」 「ゴブ!」
ユーグたちは今日の宿を求めて今朝まで泊まっていた『嵐豹』に行くことに。
・・・・・
「こんばんは!今朝ぶりです」
「ぐる!」 「ゴブ!」 〈こんばんはじゃ!〉
「あらユーグ君じゃない、こんばんは!
今日も泊ってくれるの?」
ユーグたちが『嵐豹』に入ると、アンネが受付をしていた。
「はい!
部屋が空いてたらお願いしたいです」
「はい、わかりました!
まだ部屋は空いてるから大丈夫だよ。
何泊にしますか?」
アンネはユーグに『嵐豹』で何泊するかを尋ねる。
「うーん、どうしよう?
ソタ何泊にしたらいいかな?」
〈そうじゃのう、明日は何をする予定か、ユーグよ。
それによって決めれば良いじゃろな。
ダンジョンに行くなら半日だけで行くより泊まりで行った方が効率が良かろうし、明日ダンジョンに行かなければ明日もここで泊まればいいのじゃ〉
ユーグはソタに相談し、次の日の予定次第で『嵐豹』で泊まる日数を決めようと提案する。
「そっか、明日はそうだなー、あっ!
そういえばさっきコア出した時に思い出したんだけど、ダンジョンで魔鉄鉱石を見つけたんだった。
それにミミックオウルの素材もあったね。
魔鉄鉱石をグスタフさんのとこに持って行ったら剣を打ってもらえるかな?」
〈あっ、そういえば宝箱から出ていたな。
わしも忘れておったわ。
そうじゃのう、あの量ならユーグが今使っているショートソード分くらいはあるじゃろう。
明日はグスタフのところに行って聞いてみるか、ついでに防具のこともな。
ミミックオウルの素材はそれだけでは防具にならんからな。
何かほかに良い素材を見つけたらその時に使えばいいじゃろ〉
「うん、わかった!
そしたら今日と明日の分の2泊かな?」
ユーグたちは、ダンジョンコアを取ったダンジョンの守護者を倒したときの宝箱で魔鉄鉱石を手に入れたのをさきほどまで忘れていたのであった。魔鉄鉱石はユーグ使っているショートソードより魔力の親和性が高い鉱石である。そのため購入するにはかなりの金額が必要であり、ユーグのような低級ランクの冒険者が持つような武器には使われない素材であった。ユーグはその素材を『グスタフの店』で持ち込み、ショートソードを依頼することに決めた。
「わかりました。2泊ですね。夕ご飯はどうする?
今日の分も用意できるけど」
「ぐる!」
『嵐豹』で2泊することにしたユーグたちにアンネは夕飯を食べるかどうかを訊ねる。それにブリューが反応する。
「ハハ、ブリューが待ちきれないみたいなんで、お願いします。明日の分も」
「はい、わかりました。
じゃあこれが鍵ね、部屋は今朝までと同じとこが空いてたからそこにしたよ。
食事もお母さんたちに言っとくから、すぐに食べれるよ」
「ありがとうございます!
一度部屋に行ってからすぐに食べに行きます」
「ぐるぅ!」
「あっコラ!ブリューそんなに急がないの」
ブリューは待ちきれず階段を駆け上り、部屋へと急ぐ。あとを追いながらユーグはブリューを注意し部屋へと向かって行った。
・・・・・
「はぁーあ、おはよう、皆!」
「ぐるぅ!」 「ゴブ!」 〈おはようじゃ!〉
「昨日のご飯も美味しかったね!
今日の朝ごはんと夕ご飯も楽しみだ」
「ぐる!」
〈今日は鍛冶屋に行くんじゃろ、でもこんなに朝早く起きて行っても開いてるかのう?〉
「うーん、どうかな?
アンネさんもグスタフさんのお店知ってるみたいだから聞いてみようか。
じゃあ準備できたら降りようか」
ユーグは昨日よりも早く起きていた。従魔たちはいつもと同じ時間であったが、ユーグは連日遅くまで起きていたこともあり、昨日までは起床するのが遅かったのである。準備を終えたユーグたちは下に降り、食堂に向かう。
「おはようございます、マリーさん」
「おはよう、ユーグ君。
今日は早いわね、またダンジョンに行くの?」
「いえ、今日はダンジョンには行かず街にいる予定です。
あっそうだ、マリーさんはグスタフさんのお店って何時から開いてるか知ってますか?
ご飯食べ終わったら行こうと思ってるですけど、開いてるかわからなくて」
下に降りると受付にはマリーがいた。ユーグはマリーに『グスタフの店』について聞く。
「グスタフのとこのお店?
たぶん開いてるわよ、徹夜で鍛冶をやってなければ冒険者の活動時間に合わせて開くはずだから」
「よかったー。
開いてなかったら、どうやって時間つぶそうかと思ってました」
「たぶん、開いてるから安心しなさい。
でもユーグ君は一昨日行ってなかった?なんでまた?」
「はい、昨日ちょっとお金がいっぱい手に入ったので防具屋を紹介してもらおうと思ったのと、魔鉄鉱石を持ってたのを忘れててそれでショートソードをお願いしようと思って」
「あら、それは良いわね。
魔鉄鉱石ならユーグ君の戦いのスタイルにも合うからね」
「はい、じゃあご飯食べてきます」
ユーグはマリーとの話を終え、食事に向かう。その後食事を終えたユーグたちは準備を終え、『グスタフの店』に向かった。
・・・・・
「こんにちは!グスタフさん、いますか?」
ユーグたちは『グスタフの店』に訪れた。店は開いていたが、グスタフの姿は見えず奥の方で鍛冶をやっている音が聞こえる。
〈また鍛冶をやってるようじゃな。
奥まで行って声をかけんといけんな〉
「そうみたいだね、じゃあちょっと行ってみるね」
ユーグたちが来ていることに気が付かないグスタフを呼びにユーグは音が聞こえる方へと向かう。
カンッカンッ
「グスタフさーん、聞こえてないのか、グスタフさーん来ましたよ!」
「うん?おー、ユーグか!
すまんな、もう少しで終わるから、店の方で待っててくれ」
「わかりました!」
ユーグは店の奥で鍛冶をしているグスタフに声をかける。何度か声をかけるとグスタフもユーグに気づき、店で待つよう言われ、ユーグは店に戻る。
〈ユーグ、グスタフはいたか?〉
「うん、いたよ。
もうちょっとで終わるからこっちで待っててだって」
〈そうか、それなら少し待つかのう〉
ユーグたちは展示してある武器を見ながら、グスタフを待つ。
「待たせたな、それでこんなに早くまた来るとは、何かあったのか?」
「いやー、昨日ちょっとお金が多く手に入ったので、防具屋さんの紹介をしてもらおうと思って、それとこれでショートソードを打ってもらえないかなって思ってて」
グスタフはすぐにやってきてユーグに用件を聞く。ユーグは来た理由を話しながら、保管庫から魔鉄鉱石を取り出す。
「ほぅ魔鉄鉱石か、かなり純度も高いな。
これはダンジョン産だな。昨日手に入ったのか?」
「実は手に入れたのはけっこう前なんですよね、昨日まで持っていること忘れてて」
「おう、そうなのか。
まぁ出所がちゃんとしてれば、素材持ち込みで打ってやるが」
「大丈夫ですよ!ちゃんと僕が見つけたものなので」
「ああ、そこは心配してねぇよ。
見ればダンジョンの宝箱で見つけたものだってわかるからな。
それでショートソードで大丈夫だよな?
というかこの鉱石の量ならギリギリショートソード1本分だな」
ユーグが出した魔鉄鉱石を見てすぐにグスタフは、ダンジョンで見つけたものだと看破した。グスタフはその用途についてあらためてユーグに訊ねる。
「あー、良かった。
はい、大丈夫です!」
「わかった。
そうだな、ショートソードだと、だいたい1週間程度で出来上がるな。
金額は素材持ち込みで技術料だけだから5000ドーラだな。
先払いでもいいが、素材持ち込みだから出来上がってからでもいいぞ」
「いや大丈夫です!今日は払えます!」
ユーグはそう言うと、保管庫から金貨を5枚取り出す。
「おっ、ホントに稼いだみたいだな。
一昨日は全く足りんかったのに」
グスタフは笑いながらユーグをからかい金貨を受け取った。
明日も20時に投稿します。
平日の5日間は投稿で、
土日はお休みさせていただきます。




