ーダンジョンコア3ー
すみません、また遅れました、、、
「ふむ、それでもいいのじゃが……
ユーグ君よ、オークションまではちぃと時間がかかるのじゃ。
じゃからもしユーグ君が良ければ、わしの知り合いに購入の打診をすることもできるがどうする?
その場合はオークションで売却するよりも若干安くなってしまうがそこまで時間がかからずに済むのじゃ」
「ハンスさんの知り合いですか?」
「そうじゃ、誰とは言えんのじゃがそのお方なら確実に買ってくれるはずじゃ」
ハンスはオークションが開催されるのはまだ先だと説明し、ユーグが良ければハンスの知り合いにダンジョンコアの売却の打診をかけると提案する。
〈ふむ、それでいいんじゃないのか。
お主の防具も買わんといけないし、人の街で生活するにはある程度金があれば安心できるからのう。
ハンスよ、ダンジョンコアはある程度の大金は手に入るのじゃろ?〉
「……やはり、お喋りになることができましたか」
「うん?どういうことですか?
ソタはずっと喋ってましたよ」
「ユーグ君、ソタ様は今まで私たちの前ではユーグ君にだけ念話を使ってたのですよ」
「えっそうだったの?」
〈そうじゃよ、ユーグは気づかんかったけどな。
まぁこの2人や[熊の腕]、あと『嵐豹』の人たちなら大丈夫じゃと思うから、今は聞こえるように念話を使っているのじゃ
それでハンスよ、どうなんじゃ?〉
ソタは今までユーグたち以外の人がいるとき、基本的にはユーグにだけ聞こえる念話を使っていた。テイマーは話すことができない魔物とも自身の従魔であれば、念話を使わずとも感情や言いたいことなどがわかる。そのためユーグは周りの人からはソタと会話している時はそのように見えていた。今回ソタは周りの人にも聞こえるように念話を使ったため、ハンスとナディネにも声が聞こえたのである。ちなみに従魔部隊との出会いにおいても、ソタは念話を聞こえるように使ったため、彼らの前ではユーグにだけの念話は使っていなかった。だからユーグは今まで気づかなかった。
「もちろんですじゃ。
最低でも100万ドーラは見積もれますな。
もしユーグ君やソタ様が良ければダンジョンコアをわしの方で預かり、そのまま知り合いに打診することもできますのじゃ。
その場合は前金として50万ドーラをこの場でお支払いすることも」
〈うむ、それならその方がいいのじゃが、ちゃんとした契約の証みたいなものはくれるんじゃろな?〉
「はい、ちゃんと発行させていただきます。
わしとしては魔法契約でも大丈夫ですのじゃが」
〈そこまではせんでも平気じゃよ。
どうじゃ、ユーグもそれでいいか?〉
「あっうん!ソタが良いなら、大丈夫だよ」
金額が大きすぎて、ソタたちの会話についていけてなかったユーグは、ソタから話を振られダンジョンコアをハンスに預けることに同意する。
「わかりました。
では今持ってきますのじゃ」
そう言ってハンスは席を立ち、近くにあったカバンを手に取る。
「あっ、マジックバックですね?」
「ああ、そうじゃ。
貴重なものも入っとるからな、個人認証もされとるものじゃよ」
「個人認証?」
「個人認証とはギルドカードの個人登録と同じで、個人の魔力を使ってその人以外使えないようにするものですよ」
「へぇー、それはいいですね!」
「ユーグ君は白金貨で渡されるのと、細かくして渡されるならどちらがいいのかのう?」
「白金貨は少し使いづらいので、細かくしてもらえた方が嬉しいです」
「うむ、わかったのじゃ。
ナディネ、この白金貨を大金貨と金貨に両替してきてくれるからのう?」
ハンスはマジックバックから白金貨を5枚取り出し、そのうちの1枚をナディネに渡し、両替を頼む。
「わかりました。
大金貨も少し使いづらいと思うので、金貨を多めに持ってきますね」
「ありがとうございます!」
ナディネは白金貨を手に持ち、部屋から出て行く。
「あっそうだ、聞き忘れてたんですけど、ダンジョンコアって何使うんですか?
錬金術の素材っていうのはソタから聞いたんですけど」
「おっそうか、詳しいことはわしもあまり知らないんだが、魔道具の魔力の貯蓄器にするって話は聞いたことあるな。
大型の魔道具は魔力も多く使うからのう。
ダンジョンコアレベルの魔力内包量があれば色々な魔道具に使えるみたいだしの」
ダンジョンコアは魔物の魔石と比べると元々の役割から、その内包している魔力量ははるかに膨大であった。そのため主に大量に魔力を使う大型の魔道具の素材として活用されていた。
「へぇー、なるほどなー」
「そういえば、ユーグ君はグリムノーデンのダンジョンにはもう行ったかのう?」
「はい、今日行ってきました。
でもあまり進めなくて、2階層までしか行ってないです。
それに色々準備不足で」
「ふむ、そうか。
ユーグ君たちの実力なら踏破できると思うのじゃが。
ダンジョンについての情報はギルドの資料室にあるからのう、そこを利用すると良いぞ。
それとこれは秘密の話なんじゃが、グリムノーデンではあのダンジョンを踏破するとシルバーランクに上がることができるのじゃよ」
「えっ!?
ホントですか?」
「ああ、本当じゃよ。他の支部では戦闘試験があるのじゃが、グリムノーデンは冒険者が多いからのう。シルバーランクくらいで試験をしてたら職員の数が足りんのじゃよ。
じゃからちょうどシルバーランクほどの実力があれば踏破できる難度2のダンジョンを試験代わりに使っているのじゃ。
普通は成功依頼数が溜まり、シルバーランクになれるものには試験として踏破をしてもらうのじゃが、その前に踏破してしまったものは問題なければシルバーランクに上げるのじゃよ。
ユーグ君もよければ挑戦してみてくれ。君たちほどの実力があれば魔境の森の方で活躍してくれれば冒険者ギルドとしても助かりしのう」
冒険者ギルドのギルドランクはいくつかのランクに昇級するとき、戦闘試験がある。ちょうどユーグのランクであるアイアンランクからシルバーランクに上がるときが正にそうであった。しかしグリムノーデン支部では所属する冒険者は他の街などよりも多く、戦闘試験を担当する職員の数は足りていなかった。そのため戦闘試験の代わりにダンジョンを活用していた。ちなみにグリムノーデン支部は魔境の接している街にあることから、本部の次に重要視されている支部の1つであるため、そういった権限は持っていたのである。
「わかりました!」
「戻りました。
白金貨1枚を大金貨8枚と金貨20枚に替えてきましたけど、ユーグさんこれで大丈夫ですか?」
「これでいいよね?ソタ」
〈ああ、そのくらいに両替してもらえれば十分じゃろ〉
「はい、じゃあこれをお渡ししますね」
ハンスとダンジョンコアとシルバーランクへの昇級について話しているとナディネが部屋に戻ってきた。両替金を持っており、金額は大丈夫かとユーグたちに訊き、ユーグたちはそれを受け入れ、ナディネは両替金を渡す。
「じゃあこのダンジョンコアは一旦はわしが預かり、知り合いに売却できたらユーグ君に知らせるからのう。
数日経ったらまたここに顔出してくれ」
「わかりました。お願いします!
それとあのー、僕のこと全然呼び捨てで大丈夫ですよ。
ほら、ハンスさんは模擬戦闘してるときの感じで、ナディネさんも僕のことさん付けじゃなくて平気ですよ」
「わかったのじゃ、ユーグよこれからも頑張るのじゃよ」
「私はユーグ君と呼ばしてもらいますよ。
話し方はこれが通常なので気にしないでください」
「はい、わかりました。
これからもよろしくお願いします」
冒険者ギルドでの用を終えたユーグたちはギルドを立ち去るのであった。
今日と一昨日と投稿遅れてしまいすみませんでした。
来週は20時に投稿できるように頑張ります!
次の投稿は7月8日20時です。




