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魔王との戦い

 ここは、シグル地方の北西にある魔王ドラミスが潜む古城である。古城の内部奥へ進む4人がいる。

 勇者カル、綺麗な装飾されたプレートメイルを着て、名もなき剣1本で戦い続け、あらゆる魔物を斬ってきた。やがて、自身ではなく皆から勇者と呼ばれるようになる。

 女戦士のティオは、鎧は地味なレザーアーマーだが、武器は派手な火帯剣(フレイムカッター)水冷剣(コールブレード)を、それぞれの手に持ち相対する魔物の相性に合わせて斬り裂いていく。

 重戦士のステファンは、全身を厚い鎧で覆いながらも動きは素早く、魔物の攻撃を大盾で弾き返し、大剣でぶちかましていく。

 魔法使いのプレシアは、紺色のローブを身にまとい、自身の身長ほどある杖を手に持ち、様々な魔法を使ってメンバー達の支援を行っていく。



--- カルの視点 ---


 俺達は、今回入念な装備をして魔王ドラミスの討伐に臨んだ。魔物達の迎撃は激しいが、特に損害は少なく順調に歩を進めていった。


「カル、何か違和感があります。特に魔王側近の3魔将には、1度も遭遇していません」

「ああ、だがまだ余裕はある。このまま勢いに乗って魔王を討とう」


 プレシアから警告を受けつつも、俺達は前に進んだ。巨大なドアを強引に開ける、ここは玉座の間だろうか?奥には禍々しいオーラをまとうものがいた。


「よくここまで来たな、勇者達よ」


 巨体で顔は蜥蜴に口からギザギザな歯が見えるが、魔法使いのような黒いローブを着こなしており手には巨大な杖を持っている。魔王ドラミスだ。


「予定とは違うが、私が直接葬ってやろう」


 俺達と魔王の熾烈な戦いが始まった。魔王は、4属性の様々な魔法を使ってくる。俺とティオは、攻撃を避けながら魔王に攻撃を与える。プレシアは、皆に支援魔法と強力な遠距離攻撃魔法を行う。ステファンは詠唱中の無防備なプレシアを大盾で守る。

 当初は、拮抗していた両者だが、やがて手数の差で魔王が押されていく。


「くらえ、瞬硬斬(ハードブリンク)!」


 俺は、魔王に強烈な1撃を入れる。致命傷になっただろうか?


「ぐおおお! おのれ! 貴殿の運命これより過酷を与えん落運(フェイタルラック)!」

「カル、あぶない!」


 魔王ドラミスが即座に魔法を詠唱した。大技使用後のため隙のあった俺をティオが庇うが、2人とも後方へ吹き飛んだ。


「ティオ、大丈夫か?」


 ティオに返事はない。どうやら、柱に頭を殴打していまい気絶してしまったようだ。


「天より轟きならず、我が杖より轟け、天召雷(ラインボルト)


 プレシアは、魔王ドラミスの詠唱後の隙を狙って魔法攻撃を与える。魔法効果により魔王は一時的に痺れて動きを止める。その隙を俺は見逃さなかった。


十字斬(クロスドライブ)!」


 決定的な1撃、魔王の体から血しぶきが舞った。


「この私が、こんな所で――終わるものか――が――の――を貴殿に――――」


 何だ? 魔王は何かを詠唱したようだが、聞き取れなかった。魔王の体が発光しはじめる。


「まずい、自爆魔法か?!」

「皆、拙者の後ろにさがれ!」


 ステファンが大盾を地面に設置し防御の構えをとる。カルはティオを抱えプレシアと共にステファンの後ろに控えた。

 魔王の発光は、どんどん激しくなり、やがて部屋全体が光にまみれた。

 ……周囲は元の明るさに戻る。どこも、今の光で破壊された形跡は無い、不発だったのだろうか。

 俺達の前には、魔王ドラミスが前むきに倒れており、呼吸がなく目には闇だけが映っていた。

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