↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『地球を召喚できるスマホを持って異世界に来たので、誰もいない大地で文明を始めます』  作者: MagnusOps


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/56

第33章 — 「最初の野営地」

第33章 — 「最初の野営地」


---


その夜、俺たちは海岸では眠らなかった。


観察する魔物たちとの一件の後、海岸は開けすぎていると判断した。脆弱すぎる。魔物が森から観察できるなら、いつ襲われてもおかしくない。


俺は新しい場所を選んだ。


海岸からそれほど遠くない——内陸へ約五百メートル。小川のほとりの低い丘。地面は安定しており、水から近すぎず、周囲をよく見渡せる。


ここなら、何かが近づいてくるのが見える。


ここなら、より安全だ。


---


朔継は低い丘の上に立っていた。


目の前には小川が静かに流れている——星明かりに輝く澄んだ水。背後には森がまだ暗く広がっているが、今回は十分に距離がある。


より良い場所だ。


水が近い。


十分に高い。


魔物の通り道から遠い。


地面が安定している。


海岸に近い。


避難が容易だ。


彼はうなずいた。


「ここだ。」


レイヴナが鋭い金色の瞳で周囲を見渡す。


「……いい場所だ。開けすぎず、それでいて周囲が見渡せる。」


「水も近い」とエイリウェンが付け加える。「水を汲むのに遠くへ行く必要がない。」


「それに地面も良さそう」とミレルが言う。「ここに花を植えられるかな?」


朔継は小さく微笑んだ。


「いつか、な。」


---


彼はスマホを取り出した。


画面が淡い青色の光を放つ——暗い丘の上で唯一の光源だ。


彼はアースアーカイブを開いた。


【EARTH ARCHIVE — カテゴリー選択】

□ シェルター

□ 寝具

□ 調理器具

□ 照明

□ 浄水器

□ 電源

□ 医薬品

□ 家具

□ 収納


彼は順番に選んだ。


永久的な家を建てるためではない。


ただのキャンプだ。


仮の場所。


しかし数日間住むのにふさわしい場所だ。


---


【召喚 — テント】

品目:キャンピングテント — 4人用

原産地:地球/日本

種類:ファミリーテント — 防水仕様

数量:1

状態:【召喚】


大きなテントが目の前に現れた。


濃い青色で、小さな窓としっかりと閉まる出入り口付き。四人が入れる広さだ。


ミレルは感動した。


「……それ、どこから出てきたの?」


「スマホからだ。」


「スマホがテントを出せるの?」


「出せる。」


「私もそんなスマホが欲しい!」


「まだ子供だ。後でな。」


---


朔継は召喚を続けた。


【召喚 — 寝袋】

品目:寝袋 — 4個

原産地:地球/日本

種類:保温仕様 — 冬用

数量:4

状態:【召喚】


四つの寝袋が地面の上に現れた——厚く、暖かく、夜の冷えから守るのに十分だ。


【召喚 — 調理器具】

品目:ポータブルコンロ + 調理セット

原産地:地球/日本

種類:キャンプ用 — ブタンガス式

数量:1

状態:【召喚】


ポータブルコンロと調理器具が現れた。鍋、フライパン、杓文字、ヘラ——すべて揃っている。


【召喚 — 浄水器】

品目:浄水システム — 携帯型

原産地:地球/日本

種類:重力フィルター式 — 5L

数量:1

状態:【召喚】


浄水システムが現れた——川の水を安全な飲料水に濾過できる。


【召喚 — 照明】

品目:LEDランタン — 充電式

原産地:地球/日本

種類:キャンプ用 — 300ルーメン

数量:2

状態:【召喚】


二つのLEDランタンが現れ、キャンプ周辺を明るく照らした。


【召喚 — 電源】

品目:ポータブル発電機 — 太陽光発電

原産地:地球/日本

種類:ソーラーパネル + バッテリー

数量:1

状態:【召喚】


ソーラーパネル付きのポータブル発電機が現れた——スマホやランタンの充電に十分だ。


【召喚 — 医薬品】

品目:救急セット — 完全版

原産地:地球/日本

種類:キャンプ用

数量:1

状態:【召喚】


救急セットが現れた——包帯、消毒剤、頭痛薬、解熱剤、その他の緊急用品。


【召喚 — 家具】

品目:キャンプテーブル + チェア — 4脚

原産地:地球/日本

種類:折りたたみ式

数量:1セット

状態:【召喚】


折りたたみ式のテーブルと四脚の椅子が現れた。


【召喚 — 収納】

品目:収納ボックス — 防水仕様

原産地:地球/日本

種類:プラスチック製 — 50L

数量:3

状態:【召喚】


三つの防水収納ボックスが現れた——食料、道具、その他の物品を保管するために。


---


すべての品が地面に散らばった。


レイヴナは品物の山を不思議そうな表情で見つめた。


「……何度も見てきたけど、やっぱり信じられない。」


「そのうち慣れる。」


「慣れないだろうな。」


エイリウェンが近づき、テントを注意深く調べた。


「この素材……見たことがありません。」


「このテントは合成繊維でできている。軽くて防水性がある。」


「合成繊維?」


「人工的に作られた素材だ。」


エイリウェンはうなずいたが、完全には理解していないようだった。


ミレルはすでにテントの中に入っていた。


「朔継さん! 中が広いよ!」


「好きな場所で寝ていいぞ。」


「はーい!」


---


彼らはキャンプの設営を始めた。


テントは丘の中央に設置された。寝袋は中に並べられた——それぞれが異なる隅に。テーブルと椅子はテントの前に置かれ、小川に面している。ランタンが灯され、周囲を温かい光で照らした。


レイヴナが周囲を警戒した。


彼女はキャンプの周りを歩き、安全なエリアと注意すべきエリアを確認した。耳がピクピクと動き、あらゆる音を聞き取っている。


「近くに魔物はいない」と彼女は言った。「今のところは。」


「良かった。」


エイリウェンが水を調べた。


彼女は小川から水のサンプルを取り、魔法で検査した。


「水は清浄です。毒や危険な魔力の混入はありません。」


「フィルターを通せば飲める。」


「ええ。」


ミレルは物品の整理を手伝った。


彼女は収納ボックスをきちんと整頓し、種類ごとに分類した——食料は一つの箱に、道具は別の箱に、私物は三つ目の箱に。


「これでいい?」と彼女は尋ねた。


「よくできたな、ミレル。」


ミレルは満面の笑みを浮かべた。


---


夜は更けていった。


小さな焚き火がテントの前で燃えている。


朔継は折りたたみ椅子に座り、揺らめく炎を見つめていた。隣ではエイリウェンがハーブティーを手に座っている。レイヴナは火の上で魚を焼いている。ミレルは朔継の膝の上で眠そうにしている。


「……ここで初めての夕食ですね。」とエイリウェンが言った。


「ああ。」


「まさかこんな風になるとは思いませんでした。」


「どんな風だ?」


エイリウェンは微かに微笑んだ。


「静かで。平和で。追われることもなく。脅かされることもなく。ただ——」彼女は炎を見つめた、「——生活。」


レイヴナが鼻を鳴らした。


「あまり油断するなよ。あの魔物たちはまだ外にいる。見張ってるんだ。」


「わかっている。でも——」エイリウェンは朔継を見つめた、「——今のところは、私たちは安全です。」


朔継はうなずいた。


「今のところは。」


---


彼らは一緒に夕食をとった。


焼き魚。煮野菜。ポータブルコンロで炊いたご飯。


質素な食事だ。


しかし、これまでに食べたどのご馳走よりも美味しく感じられた。


ミレルは食欲旺盛に食べた。


「美味しい!」


「レイヴナ、焼き加減が完璧だ」とエイリウェンが言った。


「当然だ。俺は獣人だ。魚を焼くのは基本中の基本だ。」


「基本中の基本?」


「ああ。狩りと同じだ。追跡と同じだ。生存と同じだ。」


エイリウェンは微笑みながら首を振った。


「あなたは本当にエルフとは違うのね。」


「当然だ。俺はエルフじゃない。」


---


夕食の後、彼らは焚き火を囲んで座った。


ミレルが眠くなり始めた。


「朔継さん……」


「何だ?」


「私たち、ここに住むの?」


「しばらくな。」


「じゃあ……ここが私たちの家?」


朔継は目の前のテントを見つめた。


濃い青色のテント。


ランタン。


テーブル。


椅子。


焚き火。


まだだ。


まだ家ではない。


ただの仮のキャンプだ。


「まだ」と彼は言った。


ミレルはうなずいた。


「いつ家ができるの?」


「明日、もっと良い場所を探す。永久的な家を建てるための場所を。」


「どこ?」


「まだわからない。でも探す。」


ミレルはもう一度うなずいた。


「……私も探すのを手伝う。」


「わかった。」


ミレルは微笑んだ。


そして——彼女は朔継の膝の上で眠りに落ちた。


---


朔継は焚き火を見つめた。


周囲はすべて静かだ。


エイリウェンはランタンの光の下で本を読んでいる。レイヴナは再び周囲を警戒し、何か近づいていないか確認している。


ミレルは安らかに眠っている。


これは始原島での最初の夜だ。


誰も住んでいない土地での最初の夜。


新しい人生の最初の夜。


彼は息を吐いた。


明日、彼らは永久的な家を建てる場所を探す。


明日、彼らは真の生活を築き始める。


彼は頭上に広がる星々を見つめた。


そして微笑んだ。


---


【次章 第34章 — 「土地を測る」へ続く】


翌朝、朔継は始原島の地図を広げた。キャンプの外では、広大な領域が広がっている——山々、森、川、そして未踏の草原。彼は言った。「明日、家を建てる場所を探す。」彼らは始原島で初めての本格的な探索を開始した。


---


【第34章へ続く……】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。