(40)ノア
市内を走るハイウェイを駆け抜けながら、エリコは自らの油断を悔いた。それが、自分の能力があれば危険など回避できる、という驕りだったのかはわからない。兎にも角にもいま、レンレンがステアリングを握る辛子色のホバービークルは、何者かによって射撃の的になっていた。
「これ、保険で修理はきくんだろうな」
「知るか。あたしはアンダルの名義で借りてるだけだ」
預かり知らぬところで事故の処理を押し付けられた哀れな中間管理職はさておき、その後もレーザーは立て続けに飛んできた。
「どうもエリコ、お前と出会ってから、銃撃戦が連続してるような気がするんだが」
「友達を死神みたいに言うのは良くないぜ」
「実際に死神だったら仕方ないだろう!」
レンレンは、ここ半世紀ほどで発達した都市交通制御システムのおかげで、渋滞というものを久しく経験していない立体道路を高速で駆け抜けた。秩序正しく車間距離を取っているビークルの間を、二一〇八年現在も頑なに続くF1のマシンのように駆け抜ける。だが、ついにレーザーはエリコ達以外の車輌まで狙い始め、都市交通制御システムが事故の発生アラートを吐き出し始めた。エリコは、速度違反を嗜めるビークルの合成音声に舌打ちしながら、首を傾げていた。
「なあ、もし僕らを狙ってるなら、とっとくの昔に撃ってきてもいいと思わないか?」
「まあ、それはそうだ」
レンレンは数十分前、ジェームズ・ベケットの解剖が終わったあと、遺体の処理その他もろもろはアンダルが引き受けたので、そのままエリコをホテルまで送り届けた。その間、少なくとも三キロメートルは移動していたし、停車した場面も何度もあった。狙撃の機会はあった筈なのに、なぜこのタイミングで撃ってきたのか。
「こいつは、どうやら僕らを撃ち殺すのが目的、というわけではないらしい」
「じゃあ、どういうわけだ」
「おそらく、僕らが――つまり、『方舟』だけが他の人間と、確実に切り離されたタイミングを狙っていたんだ」
エリコの推測はこうだった。二人を狙撃してきた何者かは、エリコがホテルを出たあと、つまりリネットと合流する可能性がひとまず無くなり、かつ、レンレンとエリコが行動を共にしているタイミングを狙ってきたのだ。
「何のために?」
当然の質問をレンレンは投げかけた。これも、エリコの答えは早かった。
「僕らを試してるのかも知れない」
「試してるって、何を」
「僕ら『方舟』が、外部の支援を全く受け付けない状況で、どの程度の能力を発揮できるのか、ということだ」
そのエリコの推測は、いちおう筋は通ってはいたが、それが何を意味するのかは、レンレンにはわからなかった。だが、エリコが的を射ているとすれば、それは重大な問題をはらんでいた。
「エリコ。だとすれば、相手はあたし達が『方舟』であることを知っていることになる」
「そういうことだ」
「お前のビジョンで見えないのか?相手が何者か」
「見ようとした。だが、防がれた」
「なに!?」
レンレンは、蒼白になりながらステアリングを握り続けた。
「どういうことだ!? 意図的に、お前の能力による干渉を防いだってことか!?」
「そうだ」
「つっ、つまり、相手は……」
「そう。僕達と同じ『方舟』ということらしい」
◇
ビークルはエリコの指示で立体道路を降り、木々に囲まれた道を北上していた。レンレンは、その選択が正しいのか疑問だった。
「市街地から離れるぞ。組織や、リネットの援護を受けられなくなる」
「もうすでに連絡を取ろうとした」
エリコは、額に脂汗を浮かべながら通信端末のモニターを睨んだ。
「通信が遮断されている」
エリコは、ビークルのモニターパネルを見て慄然とした。通信端末だけではない。マップが、市内中心部を表示したままフリーズしている。位置情報が届いていないのだ。
「ここは、通信端末の電波も届かないようなエリアか? レンレン」
「そんなはずはない。百年前じゃあるまいし、よほどの僻地でなければ……」
「だけど、現にこのとおりだ。リネットやアンダル、あるいはフェンリル本部にも、連絡がつかない」
それは二人の少年を、心胆寒からしめるに十分だった。敵に襲われながら、戦闘のプロであるアンダルやリネットの庇護がない。いかに超常的な力を持っていようと、生身の戦闘能力に頼れなければ、危機を乗り切れるのか。
だがそんな危機的状況で、エリコは奇妙なことに気が付いた。
「なあ、さっきから異様に涼しくないか?」
「なに?」
エリコに指摘されて、レンレンも車内の温度が低下していることに気がついた。そのときエリコはようやく、事態の深刻さを察知した。
「レンレン! 停めろ! ビークルを降りるぞ!」
「なっ、なに!?」
「急げ!」
レンレンはエリコの指示に従おうと努力したが、ようやくレンレンも、事態の異常さに気が付きはじめた。停める、どころではない。ホバービークルのイオンエンジン出力が、急激に低下し始めたのだ。
「どういうことだ!?」
「通信が遮断されていたんじゃない! このビークルを中心とした空間の、『エネルギー』が低下し始めているんだ! 気温が低いんじゃない、僕達の体温が下がっているんだ!」
エリコの説明をにわかには理解できないまま、レンレンは急速ブレーキをかけた。だが、レンレンの顔は一瞬で青ざめた。
「慣性制御がきかない!」
「なに!?」
ホバービークルのブレーキシステムは、慣性制御を併用した減速システムである。だが、車体のエネルギーが低下し続けて、慣性制御装置の出力が弱まっているのだ。車体は浮揚したまま、高速でコントロールを失いつつあった。このままでは、エネルギーが切れた瞬間にルートを外れ、木々に激突する。
「エリコ、どうすればいい!」
「レンレン、僕が合図したら、手動でエンジンを切るんだ」
「なんだって!? 死ぬ気か!?」
「いいか、いくぞ! 五、四、三……」
レンレンは、もうほとんど死を覚悟しながらエリコのカウントに神経を集中した。
「ゼロ!」
エリコが叫んだ瞬間、レンレンは緊急用の手動コックを回し、強制的にエンジンをシャットダウンした。辛子色のビークルは浮揚力を失い、ものすごい勢いで道路を外れて、広い草地に腹をついた。エリコとレンレンは、舌を噛まないように必死で歯を食いしばる。
ビークルは斜面を川に向かって滑り降りると、回転しながら水を切って、対岸の河川敷に乗り上げて停止した。
「生きてるか」
「三途の川かもな」
エリコとレンレンはブラスターを手にすると、即座にドアを開けてビークルを出ようとした。だがそのとき、後部座席に人影が見え、心臓を鷲掴みにされた気分で銃口とともに振り向いた。
それは、紫のボブヘアの少女だった。肌は白く、美しいコバルトブルーの瞳が、突き付けられた二つの銃口を映していた。
「誰だ、お前は」
エリコは、少女の額にブラスターを突き付けたまま訊ねた。
「いつから乗っていた」
「さあ。あなたならおわかりでしょう? エリコ・シュレーディンガー」
レンレンのハスキーな声とは対照的な、コロコロとした声だった。熱帯の島におよそ不似合いな、黒く、細かなフリルのついたドレスと長いブーツは、少女が普通の存在ではないことを示していた。
「これは、お前の仕業だな」
エリコは、電源が急速に喪われた通信端末を示した。だが、少女の答えは同じだった。
「さあ。どうでしょう」
少女は、優雅な微笑みをたたえて小首を傾げると、まるでブラスターを恐れる様子もなく訊ねた。
「ここにいては、風邪をひきますよ。いえ、それでは済まないかも」
「!」
エリコは、危険を感じてとっさにドアのコックに手をかけ叫んだ。
「レンレン、早く出ろ!」
言ったが早いか、ドアを開けるとエリコは車体を蹴り、草地に飛び出した。エリコとレンレンが車体を振り向くと、辛子色のビークルはあっという間に、北欧の雪原に放置された故障車のように、真っ白に凍てついてしまった。
エリコはようやく、おそらくはあの少女によるものであろう能力について理解した。
「お前は、対象のエネルギーの活動を操作できるんだな。ビークルの通信や動作がおかしくなったのは、機体内部の動力部や回路の、エネルギーと信号伝達が不安定になったためか」
背後に少女が立っている事をすでに気付きながら、エリコは片膝をついた姿勢で言った。
「さて、どうでしょうか」
「顔がブサイクならせめて言葉は可愛らしくしろよ」
「殺しますよ」
エリコが飛び退ると、その場に少女が提げていた、黒い傘の石突きが突き立てられた。その勢いからして、本気でエリコの首を貫こうとしていたことがわかる。エリコは振り向いて、悠然と膝の草をはらった。直立した少女はまるで人形のように、息をのむほど美しかった。
「こっちの自己紹介は必要ないらしいな。名前を言え」
「レディに対する態度ではありませんね」
「お前みたいな田舎臭い奴が、レディなわけないだろう。そのダサいナリをどうにかしてから言えよ」
「おい!」
レンレンが脇から叫ぶのと同時に、少女の瞳が光ると、エリコの足元の草が突然燃え始めた。エリコは慌てて後退し、ぬかるみに足をついて舌打ちした。
「なるほど。僕の推測は正しかったみたいだ。原子の活動に干渉して、熱や電気の移動を止めたり、活発化させたり、といったところだな」
エリコは、ブラスターのカートリッジを取り出すと、エネルギー残量チェッカーが無反応であることに気が付いた。
「なるほど、ブラスターもすでに使用不能にされていた、ということだな。ノア」
「……いつ読み取ったの、私の名前を」
ノア、と呼ばれた少女は、それまでの芝居がかった態度がわずかに後退し、エリコに初めて畏怖の表情を向けた。エリコは微笑んだが、その目は警戒を解いていなかった。
「何者か知らないが、激昂すると精神に隙を見せるあたり、大した事はなさそうだ」
「馬鹿にしないで」
「とんでもない。それどころか感謝してる。僕らを守ってくれたんだろう?」
すると、ノアが息を飲むのと同時に、レンレンが目を丸くした。
「はああ!?」
一歩踏み出すと、レンレンは思い切りノアを指さした。
「どう考えても殺されかけただろう!」
「違う、レンレン。この子は確かに僕らを助けてくれたんだ。なぜなら、あれ以外に僕らを敵から守る方法はなかったからだ」
「どういうことだ!?」
「まあ落ち着けって」
エリコが状況をいくらか読み取ったところ、エリコ達を銃撃してきた相手が何者かはわからないが、その相手とこのノアは別だという。
ノアが用いたのは、エリコが言うところの『因果の転移』というもので、銃撃される危機を事故の危機に『すり替える』ことで二人を救ったのだ、とエリコは説明した。
「だろう? ノア」
「勘の良すぎる男はもてないわよ」
突然、すれた大人のような口調で言われ、エリコは返しに困った。ノアは、意地悪な笑みを向けた。
「さっきのお返しよ」
「わかった、悪かったよ。ところで、君はどうして僕達を助けた? というより、君は何者なんだ? さっき探りを入れたとき、敵ではないという印象はあったが」
「そうね。少なくとも敵ではない。それは明確にしておく」
ノアは、停止したビークルに向けて手を伸ばした。目に見えて凍結していたビークルのボディーは、すぐに辛子色の艶を取り戻した。
「これで元通りよ。ブラスターも使えるはず」
エリコとレンレンがカートリッジを確認すると、エネルギー残量インジケーターはマックスを示していた。
「君は、僕らを撃ってきた奴らの仲間か」
「形としてはね」
それだけ言うと、ノアは口をつぐんだ。これ以上は言えない、という表情だ。エリコは何かを察し、やや挑発するような口調で訊ねる。
「つまり、裏切り者か。だが、それは許されない。だから、僕達を『殺そうとしたけれど失敗した』という形で救うしかなかった、というわけだ。そうしなければ口封じをされる。あのジェームズ・ベケットのように」
エリコの推測に、ノアよりもレンレンの方が驚きの表情を見せた。つまりエリコは、あのベケットとこの少女は同じ組織に属する、もしくは関係していると言ったのだ。
「そうなのか? じゃあ、お前はあのベケットが何者なのか知ってるんだな!? あたし達を病院の地下で襲ってきた奴らも、お前と同じ組織の者か?」
レンレンが凄むものの、やはりノアは黙ったままだった。エリコは片手をあげてレンレンの言葉を遮り、ノアに向き合った。
「君はやっぱり、『方舟』なんだろう?でなきゃ、こんな事はできない」
「超能力が使えるという意味では、あなた達『方舟』に近いとは言える。けれど、ルーツが違うし、決定的な所ではあなた達には及ばない」
「それはどういう意味だ? 教えてくれ。ひょっとして君はあの、異常才覚者矯正法に関する何かを知っているんじゃないのか?」
エリコの問いに、驚いたのはレンレンだった。
「どうしてそこで、矯正法が出て来る?」
「今、イメージが見えた。ノアの……首の後ろに。それと同時に、どこかはわからないが、砂漠の真ん中に置かれた隔離施設のビジョンも見えた」
エリコが唾を飲み込む音が聞こえた。首の後ろ。レンレンは、ノアの目を見据えて訊ねた。
「まさか、君の首、いや、脳には……」
「ストップ」
ノアは、人差し指をエリコの唇に当てて話を終わらせた。
「私は今、とても危険なことをしているの。死にたくはない。だから、これ以上は言えない」
「何かを命令されているのか? 誰に?」
「人の話を聞いてよ」
ノアは悲しげに微笑むと、エリコとレンレンの手を取って言った。
「私達は、自分が助かるために、あなた達に会いにきたの。それは、とても個人的で、身勝手な理由」
「私達?」
他に誰かいるのか、と訊ねようとして、エリコはノアの背後に、ノアと同じような背格好の少女が二人立っている事に気が付いた。二人ともノアのような、コバルトブルーの瞳だった。
「そうか……僕達を救ってくれたのは、君達三人だったんだな」
「そう。一人が私をビークルの中に移動させた。一人が、あなたの能力とは根本原理が少し違うけれど、表面的にはよく似た力で、あなた達を救うプロセスを構築した」
「どうして、僕の能力を知っている?」
エリコにとって、それは大問題かも知れなかった。今まで、この能力のことを明かしてきた人間はそう多くない。だが、ノアはどうやらエリコの能力、つまり因果の法則を利用した様々な事象コントロールについて、知っているらしかった。ノアは、それについて答える様子もなかった。
「僕達を狙ってきたのは誰だ? それも答えることはできないのか」
走行中のエリコとレンレンを狙ってきたレーザーは、誰が撃ったのか。やはり、ノアは答えない。その美しい目に、恐怖の色が浮かぶのがわかった。
エリコは、答えてもらえないのならと、自らの能力でもってノアの意識にアクセスした。過去、現在、未来が、時間という概念を取り払われて、エリコの前に提示される。因果の法則は、起こり得た無限の過去、そして起こり得る無限の未来のビジョンの断片を見せてくれた。
だが、エリコはそこで恐ろしいビジョンを目にしてしまった。
「これは……」
エリコが触れたのは、ノアの過去だった。そこで起きた出来事に、エリコは衝撃を受け、そして怒りの色を浮かべて、ノアの両肩を握った。
「そういうことなんだな。だから君達は、話す事もできないんだ」
そう語るエリコに、ノアは頰をつたう涙で応えた。だが、ノアは涙を流しながら、エリコに警告した。
「それ以上覗いてはいけない。罠が仕掛けられている」
「罠? ――うっ!」
エリコはノアの深層心理にまで達しようとした時、何者かによって仕掛けられた、精神の障壁に阻まれてしまった。それは明らかに、エリコの能力を予期しての措置に思えた。やはり、エリコについて知っている何者かが、この少女たちの背後にいる。エリコは、その得体の知れない相手に戦慄を覚えた。だが同時に、彼女たちを救わなくては、という使命感が湧き起こるのを感じた。
ノア一人の意識からでは、物事の全容までは見えて来ない。だがエリコはついに、追っている謎の一端に辿り着いた、という実感があった。あの矯正施設島を脱出し、数々の危機を乗り越えて、ようやく見えてきたその謎の一端が、いま目の前にいる、コバルトブルーの瞳の少女たちなのだ。
ノアは、犠牲者だった。そしてノアがそうであるように、ノア以外にも同様の犠牲者が存在することが、エリコにはわかった。しかしノア達の身に、正確に何が起こったのかまでは、いまだ完全に覚醒してはいないらしいエリコの力では、見通す事ができなかった。
今、何をすべきか? 何ができるのか? エリコは自分自身の選択のビジョンを探った。今ここでできる、最善の選択は何か。そして辿り着いた答えは、エリコにとってひとつの覚悟を強いるものだった。
「わかった。君達はいつか、僕達が救ってみせる」
それは、はたして気休めだっただろうか。それとも、根拠と自身に裏打ちされた宣言だっただろうか。ノアは、すがるようにエリコを見た。
だが、そのあとのエリコの行動は、レンレンの想像を絶するものだった。突然エリコは、ブラスターにカートリッジをおさめ、セーフティーを解除した。そして、ためらうことなくノアと、後ろに立つ二人の少女に向けて、三度トリガーを引いたのだ。
「エリコ!」
レンレンが叫んだ時には、三人の少女は胸を貫かれ、乾いた草地に鈍い音を立てて倒れていた。
「なっ…何をしているんだ!」
レンレンは慌てて、倒れたノアの肩にふれた。
「しっかりしろ! おい! エリコ、お前――」
エリコに掴みかかろうとして、レンレンは唇を震わせながらその手を離した。
「殴りたいところだが、お前がやった事だから、意味があるとでもいうのか」
下唇を噛むレンレンに、エリコは無言だった。三人の少女が痛みに呻く声、荒い息が聞こえた。
「答えろ、エリコ!」
「三人は死なない。僕が命にかけて誓う」
それが、エリコの回答だった。レンレンは、いったい何を聞かされたのかわからず、混乱していた。レンレンが、ノアの手当をしようとした、そのときだった。
「やめろ。手当をしてはいけない。因果の構築が崩れる」
「そうか。もしこれが原因で、三人のうち誰か一人でも死んだら、お前とは絶交だ。いや、あたしがお前を殺す」
「わかった」
「それで、あたし達はこれからどうするんだ!」
破れかぶれにレンレンが詰め寄ると、エリコは凍結が解けたホバービークルを指さして言った。
「ここを速やかに立ち去る。彼女達を救いたかったら、僕の言う通りにしろ! わかったなら、急げ!」
エリコの、悲しみを帯びた叫びが木々にこだました。レンレンは、ノアを振り向いて声を張り上げた。
「わからない事を、全部説明してもらうからな! 死ぬんじゃないぞ!」
エリコとレンレンはビークルに飛び乗ると、逃げるようにその場から走り去った。残されたのは、木漏れ日と静寂だけだった。




