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白銀の忌まれ血  作者: 影乃雫
第三章 騎士編
95/310

Ep:95 加減

噴き出す炎(ジェットフレア)!!」


ブルートは僕に踏みつけられる寸前、床に平行に飛行し回避する。叩きつけられた僕の足は、訓練場の床に大きな振動を与えた。


「何だ!?」


突然の衝撃に、エルと剣を交えていたダギル大尉が声を上げ振り返る。エルも勿論、アカネとアオイも手を留めてこっちを見た。


「おま…!殺す気か!?」


ブルートは空中で体勢を立て直し、踵から噴き出す炎を使ってゆっくりと着地した。


「ご、ごめん…」


ブルートは大きな溜め息を吐く。何だろう…一瞬自分でも危ないと思ったのに、止められなかった…


「と、兎に角…!もう少し手加減してくれ…流石に死ぬかと思ったぜ…」


僕は勿論頷いた。


------------------------------------


 ブルートの木剣を予測し、冷静に躱していく。


「くそっ…!くそっ…!何で当たらねえんだ…!?」


何度も何度もブルートの木剣は空を切る。


「流石だな…第三段階(フェーズスリー)の力は…」


少し離れた所で見ていたアオイが呟く。


第三段階(フェーズスリー)は攻撃が当たらねえのか…!?」


「違うよ。第三段階(フェーズスリー)は、物体の動きを予測できる。どういう訳か、あの急に現れる能力は予測できないけど…」


僕は、ブルートの木剣の熱を肌で感じながら攻撃を躱す。そして、最も隙が大きく見えた攻撃に対して木剣を振った。勿論それは当たり、ブルートは第一段階(フェーズワン)の力で大きく弾き飛ばされる。


「ぐっ…!」


僕はそれに肉薄して、ブルートの首に木剣を突き付けた。


「分かったよ、参った」


そう言ってブルートは木剣を捨て、両手を挙げた。


「流石に強いな…魔王の力ってのは…」


ダギル大尉が呟きながら近付いて来る。


「心底味方で良かったと思うな」


そう言いながらダギル大尉は僕の頭に手を置いた。


「それにブルート、お前も中々やるじゃないか。ライトの猛攻を躱して、当たらなかったとは言え連撃を続ける体力。良いじゃねえか」


「うっ…!言うなよ…割と心に来てるんだから…」


ブルートは眉間に皺を寄せて言う。その言葉に、エルとアカネが笑い出した。


「す、すみません…!面白かったもので…!」


エルは声を出して笑い、アカネは必死に堪えながら言う。


「良いですよー、本当の事だからー」


ブルートは感情の篭っていない返事をする。それに、僕とダギル大尉も思わず笑ってしまった。

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