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白銀の忌まれ血  作者: 影乃雫
第三章 騎士編
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Ep:90 国王

 何の問題も無く、騎士団合同活動報告会は終わった。終始よく分からない内容だったけど、何となくは理解した気がする。王様は、報告会が終わるなり、直ぐに大会議室を出て行った。


「おい、陛下を追うぞ」


周りに聞こえないくらいの大きさで、少し焦った様にダギル大尉は言う。そして、せわしなく片付けをする他の騎士団員や団長を他所に、僕達は王様を追いかけて大会議室を出た。


「陛下!」


ダギル大尉が、廊下に出て直ぐに左右を見て言う。


「ん?何の用だ?」


王様は、赤い絨毯の上で振り返る。ダギル大尉は、僕の背中を押す。


「無礼を承知で言います…!王様は、どっちですか…!?」


僕は少し先に居る王様にそう聞いた。王様は、その紫色の瞳を確実にこちらに向けている。


()()()


王様は、ほんの少し間を置いてそう言った。味方と聞いて少し安堵したのも束の間、アオイが、僕の後ろから跳び出した。そして、一瞬で王様に間合いを詰める。


「斬る…!」


アオイが振ったカタナを、王様は自分の腰にあった剣で防ぐ。


「貴様!国家反逆罪だ!」


王様の隣に居た、二人の護衛がアオイに向けて剣を抜く。すると、王様が左手を護衛を遮る様に出した。


「止めろ。これは我の問題だ。そなたらは手を出すな」


王様は振り向き、護衛の二人に言ってからアオイに視線を戻す。


「銀鷲騎士団上等兵イッシキ=アオイよ。何故()()()()?」


その言葉に、僕含め、アオイ以外の四人が驚く。王様は、鍔迫り合い状態の剣を無理矢理押し、アオイは飛び退く。


「此奴はどちらかと聞いた…何がは分からない筈だ。それなのに、何故味方だと答えた…?」


「うむ、良い判断力だ。だが、そなたらは今ここで死ぬ」


そう言うと、王様は左手に魔力を込めた。すると、その掌に黒と紫の入り混じった様な色の魔力の塊が発生した。それは、次第に大きくなり、最終的には、人の顔程まで大きくなった。


「死ね」


王様はそう呟き、その塊を放つ。真っ直ぐアオイに飛んで行った弾は、それを防ごうとしたダギル大尉の剣に当たり、弾け飛んだ。


「陛下ともあろう御方の魔力…案外大した事は――」


「その台詞は、己が剣を見てから言うと良い」


そう言われ、全員の視線がダギル大尉の剣へと集中する。視界の奥で、王様は指を鳴らした。その瞬間、ダギル大尉の剣は錆び、崩れ落ちて行く。


「なっ!?俺の魔鋼の剣が!?」


「我の魔力が、何だと?」


ダギル大尉は、刃が無くなり、柄だけになった剣を見つめて唇を噛む。


「どうやって我の事を知ったかは知らないが、こうなった以上、子供だけ回収して他は口封じとするか…」


暁刀流(あかつきのとうりゅう)、暁光の閃!」


アカネが、後ろから跳び出し、アオイ同様一瞬で王様との間合いを詰める。


「イッシキ=アオイと似たような技か、既に見切った」


王様はそう言ってアカネの剣撃を受ける。


「陽光の断!」


アカネはそう叫ぶと、跳んだままの状態で王様の腹を蹴る。そして、一回転する様にカタナで薙いだ。


「ぐぅ…ッ!」


王様は咄嗟に剣を立て、その攻撃を往なす。


「面倒だ…我を守れ!」


王様はアカネを弾き、左手を振り払う様にして叫ぶ。それを合図に、待機していた護衛二人が襲って来た。


「剣は無くてもな、小隊長の力を舐めるんじゃない!」


ダギル大尉はそう言うと、護衛の一人の腹に拳を叩きこむ。籠手はしているものの、その一撃で護衛の鎧が凹んだ。


「こいつらは俺に任せろ!今は陛下を追え!」


その言葉に視線を戻すと、王様はマントを翻し、踵を返して下がっていた。


第一段階(フェーズワン)!」


僕は痣を足に移動させ、床を窪ませながら王様に向かって跳んだ。

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